雨音

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種別
長編
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あらすじ

2026年01月21日 雨音

大学三年生のスミヒコは映画同好会「幻燈」の仲間たちとともに、いつか自分の映画を撮ることを夢見ていた。しかし、彼の通う大学を突然の銃乱射事件が襲う。穏やかなキャンパスを戦場に変えた理不尽な殺戮は、クリーピーパスタの怪物になぞらえ「痩せ烏」と呼ばれる正体不明の犯人の死亡をもって幕を閉じた。惨劇を生き延びたスミヒコは、後輩たちの命を奪い、親友フジオに二度と立ちあがれない重傷を負わせた事件のドキュメンタリー映画をつくることを決意する。先輩、キミドリの協力を得てインタヴュー撮影を進める彼の前に現れたのは、ベニと名乗る謎の女性だった。「死はいつも、すぐそばにある。戦争は、すでにはじまっている」と告げる彼女に危うさを感じながらも、スミヒコは心惹かれていく。彼らがレンズを通して見つけるものとは。理不尽な殺戮は、なぜ起きたのか?ドキュメンタリー映画のレンズは、なにを映すのか?(「BOOK」データベースより)

評判

雨音の評価:

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雨音の総合評価:

8.00/10点 レビュー 3件。

感想一覧

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.3
(2pt)

SF小説ですね

推理作家協会賞受賞作家、銃乱射事件ということで社会派ミステリーかと思ったら とんでも設定のSF小説でした。創元SF短編賞受賞、日本SF大賞候補という経歴を確認すべきでしたね。

サイエンスの要素はありませんが、ありえない設定だらけなので SF好きの人でないと 読んでいてかなりしらけると思います。銃乱射とか議員の不正とか中途半端に社会性を織り込もうとするから、余計にありえなさが強調されてしまい少年漫画のようです。
雨音 Amazon書評・レビュー: 雨音より
4041169887
No.2
(5pt)

愛する者が恐怖をもたらす

銃乱射事件を題材としていると聞いてスティーブン・キング『ゴールデンボーイ』を連想していたため、最後まで戸惑いながら読んだ。先入観のせいか読み易い心地良い文章なのにどこに連れて行かれるのか行く先が見えなかった。主人公が求めるものが明確に示されないからだ。主人公スミヒコはまるで村上春樹の初期作品を思わせる傍観者に思えた。
大量殺傷事件に巻き込まれてさえも、スミヒコは何かを求めない。スティーブン・キングならば人間を破壊する暴力の恐怖を描くだろうが、ただ礼儀正しく世界と対峙している。
奪わない青年である彼は映画を作ろうとする大学生であり、映画を撮る人は創作者だけれど観察者でもある。ひたすら他者と世界を見つめ語る。それによってひそやかに世界を変えるとしたら作中繰り返し言及される『レディ・イン・ザ・ウォーター』と同様なのだろうか。そんな予測は裏切られて、スミヒコが愛する人間たちは次々と消え去り、恐怖を運んでくる。
ベニにとって分かちがたい強いつながりを持つ人が恐怖を運び、スミヒコにとって最愛の人が恐怖を運んでくる。恐怖は消えない。
暴力よりも愛こそが恐怖を運んでくる。
端麗な語り。絶望と暖かさ。
久永実木彦らしいホラー
雨音 Amazon書評・レビュー: 雨音より
4041169887
No.1
(5pt)

傑作です

全体として静謐な文体で書かれており、だからこそ絶望や恐怖とそれに対する祈りや優しさが切実に伝わってくる。恐ろしい事件を経験した人々への向き合い方が非常に誠実で、理不尽な社会と否応なくそこに生きる個人を描く小説として優れていると感じた。
物語は前半と後半で焦点距離を変えながら同一の主題をなぞる。この小説に安易な救いは存在しない。献身的な愛情を以てしても呪いは容易には解けてくれない。社会は残酷で人生の意味を誰も知らない。それでも祈りつづけることに価値はあるはずだ。苦しみの果てに心に焼き付くような美しい情景を見せてくれる傑作だった。
雨音 Amazon書評・レビュー: 雨音より
4041169887

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