では人類、ごきげんよう
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あらすじ
「2020年代の日本SFを牽引する新星」--大森望(解説より)はじめに光があったーー。遠い神話の時代から遥か未来の宇宙まで、期待の実力派が贈るSF幻想、全6編。第10回創元SF短編賞優秀賞受賞作「飲鴆止渇」を収録天から地上へ墜ちてきた“彼”は、麒麟(きりん)の姿を得て漢の皇帝・武帝の相談相手となる──「麒麟の一生」。民主化運動が頂点に達したその国の広場の大集会を、猛毒を持つ伝説の巨鳥が襲った──「飲鴆止渇(いんちんしかつ)」(創元SF短編賞優秀賞受賞作)。耳なし芳一の舞台となった神社の駐車場に放置された自動運転車が体験する不思議な日々──「ほいち」など、伝説の生物に材をとり、遠い神話の時代から遙か未来の宇宙まで、期待の実力派が自在に物語るSF幻想、全六編。■収録作品「麒麟(きりん)の一生」天から地上へ堕ちてきた“彼”は、麒麟の姿を得て漢の皇帝・武帝の相談相手となる。「飲鴆止渇(いんちんしかつ)」(創元SF短編賞優秀賞受賞作)民主化運動が頂点に達したその国の広場の大集会を、猛毒を持つ伝説の巨鳥が襲った。「ほいち」耳なし芳一の舞台となった神社の駐車場に放置された自動運転車が体験する不思議な日々。「デュ先生なら右心房にいる」惑星開拓用の軌道上基地で、開拓作業に必須のロカを治療する医師をめぐる人間模様。「海闊天空(かいかつてんくう)」精密機械再生工場の少女と遊牧民の青年。二人の間に生まれた少年に謎の声が語りかける。「では人類、ごきげんよう」太陽系に飛来した謎の物体の探査に派遣されたAIは、日々の活動を人類に報告してくるが。(「BOOK」データベースより)
外部リンク
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評判
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上の動物やAI搭載自動運転車をモチーフとしたファンタジックSFです。例えば第一話の麒麟について…、
頭に鹿の角を頂き体は白銀の鱗、龍のような面構え。赤い目を光らせ顔周りには威厳を感じさせる髭を
たくわえている。「麒麟」はまさに王者の風格。…と書けば立派な神獣・霊獣なのだが無類の酒好き。人
間とは違った世界観に生きている麒麟と人間との思考のすれ違いをユーモラスに描いています。玄人(プ
ロ)の評価は高かったが、読解力不足の私は何度も読み返しようやく成程と納得でした。
第二話:飲鴆止渇。一見すると「伝説の怪獣によるパニックもの」のようだけれど、その後に訪れた歪
められた平和。その裏に潜んでいる恐怖の監視社会が垣間見えます。
第三話:ほいち。AI搭載の自動運転車「ほいち」が何ものかにハッキング。まるで意識を持っているか
のような「ほいち」と正体不明の声とのコミカルな会話が面白い。それぞれの背景描写が巧みな伏線とな
っていて、科学vsオカルトの対峙として描かれています。
などなど読み応え満点の作品でした。★1減の理由は読解力不足の私の個人的な理由です。
(蛇足)
本作は科学的外挿法のハードSFよりも「人間や社会の内面」の拡張を描いている小説を好む人にお勧めし
ます。この小説でのSFガジェットは物語の入り口あるいは背景としてのツールで、核になっているのは前
記の通りです。それ故、ハードSFファンにとってのセンスオブワンダーは期待できないかもしれません。