龍を見た男

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種別
長編
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あらすじ

1987年09月30日 龍を見た男 (新潮文庫)

暗い水底で息を潜める、巨大な気配。不可思議な力に導かれた男女の機微に迫る。傑作時代短編集。天に駆けのぼる龍の火柱のおかげで、見失った方角を知り、あやうく遭難を免れた漁師の因縁(表題作「龍を見た男」)。駆落ちに失敗して苦界に沈んだ娘と、幼な馴染で彼女をしたう口がきけない男との心の交流(「帰って来た女」)。絶縁しながらも、相手が危難の際には味方となって筋を通す両剣士の意地(「切腹」)。その他、市井の人々の仕合せと喜怒哀楽を描いて卓抜な技倆を示す傑作時代小説集。(「BOOK」データベースより)

評判

龍を見た男の評価:

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龍を見た男の総合評価:

8.92/10点 レビュー 13件。

感想一覧

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.13
(4pt)

武家物が好きです

本作は武家物が少ないですが、最後の『切腹』は読み応えがあって、気持ち良く読破できました。市井物は…う〜ん、飽きちゃうかなぁ…。
龍を見た男 Amazon書評・レビュー: 龍を見た男より
4791302079
No.12
(5pt)

武士の一分

藤沢周平は本書で、生き難い世の中をまっとうに生きる人々の姿を描いています。
 『切腹』の榊甚左衛門はすでに交わりを絶った友の窮地にたった一人で助太刀に駆けつけます。

「うわさを聞いた。加勢に来た」 
「やめろ」 と助太夫は言った。助太夫の方がうろたえていた。
「手向かえば、おぬしも同罪だぞ。腹切りものだ」
「さればといって、見殺しにしては武士の一分が立たぬ」 甚左衛門はきっぱりと言うと、茫然と立っている作蔵を見た。、、、
 
 見上げた男だったのだ、と助太夫はいまにして思う。甚左衛門はそのとき山浦郷の代官で、藩政の中枢に加わりはじめた能吏だった。その身分と命を、すでに交わりを絶っている旧友のために捨てようとしたのである。
 不和なるがゆえにいっそう、見捨てては武士の一分が立たぬと、甚左衛門は思い決めたのだろう。その気持は助太夫にもわかったが、誰にも出来ることでないことも明白だった。

 私は人に説教する柄ではありませんし、ましてや教育者などでもありません。しかし、こんな時世だからこそ、一冊の、せめて一編の、藤沢周平を若い人たちが読んでくれることを願ってやみません。
龍を見た男 Amazon書評・レビュー: 龍を見た男より
4791302079
No.11
(5pt)

最後の短編「切腹」は、これぞ武士!

短編9作品の内、武家もの1作。後は市井もの。
悲しいが最後は“ほろり”とする珠玉品ばかり。

■ 帰って来た女:
男に誑かされ棄てられた女の話し。辛いけど、最後は微笑ましいから救われます。

■ おつぎ:
これも辛い話し。不幸を背負って突然いなくなった幼馴染の女の話。
「何のことはない、人の幸せとはこういうことをいうのだ」と言う文に納得し、思わず本の角を折ってしまった箇所がある。
また最後の結末、「頼むからあと3行だけ書いて?!」と著者にお願いしたくなった。
「三之助 早く走れ!」と、私は心の中で叫んだ。

■ 龍を見た男:
これも実に悲しい。が、・・
悲しい事件にあった後、立場が逆転し女房の言いなりで海の守り神を拝みに来た変わり者の漁師。
人間、絶望の底で最後には縋るのは・・・・・。
この短編、著者の文節切替えの上手さに脱帽した。文節が変わった瞬間、「やられたー」と思わず叫んだ。しかし、上手すぎる。

■ 逃走:
こういう人情味のある盗人は大好きです。
最後のシーン、岡引き「まむしの権三」の顔が見たかったなー。

■ 弾む声:
とある役職を、正義感から左遷されご隠居となった主人。その夫婦の楽しみは・・・。

■ 女下駄:
下駄職人夫婦の物語。「夫婦とは・・」を考えさせられる。

■ 遠い別れ:
「それなら何故、今頃になって俺を助けようなどと思ったんだ?」「さあ、なぜかしら? 新太郎さんがあたしを捨てた人だからかしら?」
粋でしゃれた会話。思わず本の角を折ってしまった。でも最後は男らしく、粋な別れです。

■ 失踪:
これ面白い。思わず笑っちゃいました。いかにも商人の主人らしい。
自分のボケた親が浚われ、多額の身代金を要求された。それに対し、なんと!この言葉。
「それほどの価値はありません。百両で引き取るくらいならあなた方にさしあげたほうがましだということです。」

思わず内儀も惚れ直した、商人魂。凄過ぎ。

■ 切腹:
この短編9作品の中ではピカ一。これが主題になってもおかしくはないのだが・・。
これは壮大な作品。このまま映画に出来る。
また、「これぞ武士!」という内容。憧れます。

とにかく内容も面白い。
笑っちゃうのは、仲の良い、いい歳の武士がまるで子供の喧嘩で死ぬまで意地を張りとし断絶。しかしそこは同じ道場の両極端な剣士、心の中ではお互いを認め、尊敬しあっている。
意地の張り合いと、友情、嫉妬、尊敬、散りぎわ、そして、寂しさ。

しかし、絶縁の原因が、囲碁の一手の「待て」「待たない」ってのは何度読み返してもおかしい。

■お薦め度:★★★★★(完璧!読み易い)
龍を見た男 Amazon書評・レビュー: 龍を見た男より
4791302079
No.10
(5pt)

まっとうに生きる

藤沢周平は本書で、生き難い世の中をまっとうに生きる人々の姿を描いています。
 『切腹』の榊甚左衛門はすでに交わりを絶った友の窮地にたった一人で助太刀に駆けつけます。

「うわさを聞いた。加勢に来た」 
「やめろ」 と助太夫は言った。助太夫の方がうろたえていた。
「手向かえば、おぬしも同罪だぞ。腹切りものだ」
「さればといって、見殺しにしては武士の一分が立たぬ」 甚左衛門はきっぱりと言うと、茫然と立っている作蔵を見た。、、、
 
 見上げた男だったのだ、と助太夫はいまにして思う。甚左衛門はそのとき山浦郷の代官で、藩政の中枢に加わりはじめた能吏だった。その身分と命を、すでに交わりを絶っている旧友のために捨てようとしたのである。
 不和なるがゆえにいっそう、見捨てては武士の一分が立たぬと、甚左衛門は思い決めたのだろう。その気持は助太夫にもわかったが、誰にも出来ることでないことも明白だった。

 『弾む声』には、縁もゆかりもない売られていった幼い子供に、戸惑いながらも救いの手を差し伸べる老武士夫婦の心の機微が鮮やかに描かれています。

 『帰って来た女』に登場する音吉は耳は聞こえますが、話すことができません。しかし、それだからこそ、音吉の真情が親方藤次郎の意地の下に隠れた妹おきぬへの思いやりを引っ張り出します。そして、おきぬを守るためにかなわないことを百も承知で、やくざ者に向かっていく音吉の勇気が読む者の胸を打ちます。

 私は人に説教する柄ではありませんし、ましてや教育者などでもありません。しかし、こんな時世だからこそ、一冊の、一編の、藤沢周平を若い人たちが読んでくれることを願ってやみません。
龍を見た男 (藤沢周平珠玉選) Amazon書評・レビュー: 龍を見た男 (藤沢周平珠玉選)より
4791308336
No.9
(4pt)

武家物が好きです

本作は武家物が少ないですが、最後の『切腹』は読み応えがあって、気持ち良く読破できました。市井物は…う〜ん、飽きちゃうかなぁ…。
龍を見た男 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 龍を見た男 (新潮文庫)より
4101247188

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