(短編集)
白昼艶夢
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様々な性的倒錯をテーマにした短編小説集ですが、短編小説としては全体的に佳作という感じです。 この手の話が好きな人間としては面白く読めましたが、朝山蜻一の現在の認知度の低さもある意味よくわかります。 それだけ好き嫌いがはっきりと分かれる本だということです。 サドやマゾはともかく、コルセット愛や人形愛など、様々な性的倒錯を描く作家は今も昔もそれほど多くないので、その点は希少だと思います。 逆に江戸川乱歩のような読者を惹きつけるサスペンス性は薄いので、そこを期待すると少しがっかりする作品が多いかもしれません。 | ||||
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この本は芥川賞作家西村賢太氏がビブリオバトルにゲスト出演したときに紹介した本で、最後に選ばれた本の1冊になった。西村氏のトークも上手で私も読んだ次第だが、かなり好き嫌いがはっきり出るのではないか。サド・マゾ傾向が強く、コルセットを使用するボンデージものともいえる。載せている作品のほとんどが1955年(昭和30年)までに書かれたものだから、戦後の荒んだ感じとともに独特の雰囲気を醸し出している。載ってる挿絵がいまいち。 | ||||
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覗き・騙し・盗み、そして殺人。人がタブーとする行為を描くのが探偵小説だとしたら朝山蜻一にとってのそれは人間性を忘れたようなサドマゾ絵巻。 「くびられた隠者」は首を絞められる事だけに悦びを覚える孤独な画家とその家政婦の話。 「白昼艶夢」は女の胴をコルセットで締め上げ、「掌にのる女」はゴム袋の中に窮迫し肉塊と化した妻を愛で、 「巫女」では凌辱好きの男が自分の女を霊媒に仕立て怪しげな宗教の教祖になる。 被虐者は責める者にただ従順であって、むしろそれを懇願さえもする。これ位はまだいい。 老人形師が好いた女の分身たるマネキンを次々に製造し、魂を吹き込む為にマネキンの膣に射精する「人形はなぜつくられる」や、 性交せずに生きられない錺職人の為に、死んだ妻が亭主好みの女に憑依して強姦を手助けする「死霊」、 これまたコルセットで括れた女体を好む青年と決して躰を許さない妻同様の女を描く「天人飛ぶ」は悲哀があって共感できる余地がある。 しかし女体の代わりに羊を抱かせる「ひつじや物語」と、犬同様の扱いを受ける「僕はちんころ」はいくらなんでも…。 輪姦ユートピアを描いた長篇『真夜中に唄う島』(扶桑社文庫)も胸の悪くなるような小説だったが、 ここまで生臭いと、イケナイ事をしているという背徳感の陶酔さえさせてもらえない。 耽奇小説といえど余りに異質なので、『わが懐旧的探偵作家論』収録分を短縮した山村正夫のエッセイを再録するより、 もっと解り易い書き下ろしの解説を付けた方が初読者には親切だったと思う。 この「ふしぎ文学館」は企画自体とても良いのだけど、カバーデザインがもうひとつなのが不満。特に書題の極太ゴシック体文字はなんとかならないか。 朝山についてアレコレ申したけれども、これも戦後探偵小説の一つ。『処女真珠』『キャバレー殺人事件』『断崖の悪魔』が復刻されたら私が喜んで買うのはいうまでもない。 | ||||
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