しずるさんと気弱な物怪たち
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
しずるさんと気弱な物怪たちの評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
しずるさんと気弱な物怪たちの総合評価:
10.00/10点 レビュー 3件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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昨今ではすっかり百合カップルも一般的になってきた感じですが、この「しずるさん」シリーズが始まったのは今から10年以上前。上遠野氏の先見の明というか、時代を先取りした力に驚かされます。同時に上遠野氏の、流行の変化に惑わされない、独自のスタイルがこの最新作でも貫かれていて、「ああ、やっぱり上遠野さんなんだ」と安心できます。
しずるさんとよーちゃんというコンビは不思議な二人です。一見、しずるさんがホームズ、よーちゃんがワトソン役として狂言回しをつとめているように見えますが、しずるさんは常によーちゃんを尊敬していて、「あなたが主犯」と言います。実際、このシリーズを見ていると、深い知性を持つしずるさん以上に、暖かな人間性を持つよーちゃんの重みが伝わってきます。一見平凡な少女ながら、その人柄にとても尊いものを秘めたよーちゃんには、上遠野氏の伝えたいメッセージがこもっている気がします。
同時に、事件に近付こうとするよーちゃんの身を案じるしずるさんからは、よーちゃんに僅かでも危険が及ぶことを嫌う神経質なまでの思いやりと、「同性愛」と銘打ってはいなくても本当の恋人以上に深みを感じる危険なほどの愛が感じられます。この危うさ、繊細さはまさに百合の本質。上遠野氏の描写力の巧みさには、圧倒されるばかりです。
今回も健在の「はりねずみチクタ」シリーズも好調。穏やかな語り口から、はっとするような内容も時にあって、上遠野ワールドの幅広さを感じさせてくれます。あとがきの上遠野節もいい感じで、見識の深さの割に自己評価の低いあたりがよーちゃんチックで好感が持てます。何度も読み返したくなる一冊だと感じました。