感謝祭の勇敢な七面鳥
- ルーシー・ストーン・シリーズ (7)
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白人からと原住民との考え方の違いと身近な地方政治のギャップをミステリに味付けしていて面白かった。それにしても大学生の生活って・・・どの世界でも一緒なのかしらあの汚さ | ||||
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古き良き時代の風情を今も残すアメリカの架空の田舎町ティンカーズコーヴを舞台に愛する夫と四人の子供達と共に幸福な家庭生活を送りながら毎回起こる物騒な殺人事件の謎を追い掛け奮闘し続ける主婦探偵ルーシー・ストーン・シリーズ第7弾です。前作辺りから平和な田舎町に押し寄せる都会化の波とそれにつれて人心が悪化し犯罪の深刻化を招く事となる傾向が作品に流れるテーマとして強く感じられる様になりましたが、それでも時流に流されずに悪い道をきっぱりと拒否する善意の人々が確実にいて、何時も危うい所でギリギリ踏み止まる姿を描いてホッと安堵させてくれるストーリーには著者の平和を願う切実な想いが込められているのだと思います。 週間新聞の記者の仕事で町の行政委員会の取材に出席したルーシーは、ニワトリを大量殺戮した犬カジョーの聴聞会で下された厳し過ぎる評決に憤慨する。犬の飼主ノーランが先住民メティニカット族である事から過剰に差別されていると感じたルーシーは町民に実態を伝えようと記事にする。やがて明らかになった一部の先住民による町のカジノ建設計画にも関係しているらしい乱暴な言動で何かとお騒がせなノーランが突然殺されてしまう。家庭では大学の寮から久々に帰って来る長男トビーと友人達への対応と感謝祭ディナーの準備に追われ大忙しのルーシーだったが、持ち前の正義感で事件の謎に敢然と立ち向かって行く。 ルーシーの事件簿も回を重ねて今回が7作目ですが、彼女の推理力は経験に比して向上しているとは言えずまだまだ名探偵とは呼び難いです。けれど犯人にとってその存在感は警察以上に脅威に感じられるのか邪魔者は消してしまおうと自ら正体を現すパターンが多く、彼女にとっては危険極まりないのですがそれも立派な才能と言って良いと思いますし、いざピンチになっても慌てず落ち着いて臨機応変に対処する腹の据わった度胸が素晴らしいです。今回は日本版の訳題「勇敢な七面鳥」に込められた意味を最後に「そうか、成程ね」と納得させてくれる鮮やかな作戦が実にお見事だと思います。一方で家を離れた長男トビーがだらしない性格になりすっかり人が変わってしまった事に苛立ち悩みながらも自分ではどうする事も出来ずに、その反動からか急に動物への愛しさを感じ始めるルーシーですが、でもその事で決して気弱にはならず逆に強みに変えて強く生きる精神的な逞しさが彼女の人としての大きな魅力だと言えるでしょう。今回家庭に起きた大事件の方は結局未解決のままで終わりましたが、それ程気に病む事ではなくまだ大丈夫できっと時が解決してくれるだろうと信じたいです。 時代の移り変わりと共に素朴な田舎町が直面して行く様々な問題を教えてくれる社会的な興味と、年を経るにつれ難しさを増す家族と共に泣き笑いを繰り返しながら学び人として成長して行く主婦探偵が活躍する、ミステリーの面白さだけではなく人間らしさが味わえる物語に期待して今後もシリーズを楽しみに読み継いで行こうと思います。 | ||||
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