レビュー一覧
egut さんのレビュー一覧
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『日本ホラー小説大賞の読者賞』を受賞している作品。ホラー系の応募作品となりますが、現代ではホラーというより青春ライトミステリの部類です。"都市伝説"要素が一昔前のホラージャンルの扱いになった感覚です。怖さやおどろしさはありません。内容はむしろ男女の恋愛物語が扱われるので、ホラーのレッテルを外して、ティーンエイジャー向けの青春小説として紹介したい作品だと思いました。※版元が同じ角川グループならMW文庫で世に出した方が人気が出そうと感じます。
記憶を扱う作品として、どんな記憶を無くすかで物語の広がりを期待する所ですが、本書は複数のパターンがあれど根底は男女間の恋愛物語。想い人が自分の事を忘れてしまったら。または記憶屋に頼む程、忘れたい記憶とはなんなのか。記憶についての若者の葛藤を描いた作品でした。良い印象としては先に述べた通りティーンエイジャーに好まれそうな物語。悪い印象としては、悩みに共感が得られない。若い人はそういう悩みを抱えてそれで記憶を消す考えに至ってしまうのかと選択肢の少なさを感じた次第。
設定は面白いしミステリ的な仕掛けもありますが、もっと凄い事ができそうなもどかしさを感じます。応募がホラーの賞なので仕掛けを望むのは筋違いなのですが、そう感じてしまう。
結局の所、結論が定まらず曖昧に終わる味になっており、ホラー、ミステリ、恋愛物、どの視点で見ても心に強く残る味がなく浅く終わってしまった読後感でした。文章は読みやすく設定も面白い。映画化含め今後の作品がどのようになっているかは興味があります。
▼以下、ネタバレ感想