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No.14
野良犬の値段
百田尚樹
映像化は不可能、けれど映像向きのサスペンス群像劇
No.13
ロスト・ケア
葉真中顕
介護の過酷さとミステリを融合させた模範作
No.12
明日なき暴走(ディレクターズ・カット)
歌野晶午
テレビ業界への痛烈な皮肉が込められた風刺小説
No.11
重力ピエロ
伊坂幸太郎
テーマは遺伝子と家族の絆
No.10
ベンスン殺人事件
ヴァン・ダイン
心理分析により犯人を導く斬新な推理手法、、、なのだけど
No.9
黒いトランク
鮎川哲也
トランクの行方とアリバイ崩し〜論理を突き詰めた究極のパズル小説
No.8
八月の博物館
瀬名秀明
作者の苦悩が伝わってくる難解小説
No.7
龍神の雨
道尾秀介
異常者はどこにいる?
No.6
介護士K
久坂部羊
老いの苦しみ 理想論vs現場の声
No.5
ブルータスの心臓-完全犯罪殺人リレー
東野圭吾
序盤は『キングを探せ』を想起させるパズル小説
No.4
満願
米澤穂信
文学的でミステリアス、豪華な短編集
No.3
吸血の家
二階堂黎人
作者のミステリ愛が窺える怪奇ミステリ
No.2
キングを探せ
法月綸太郎
予定調和で終わらないカードマジック
No.1
火曜クラブ
アガサ・クリスティ
短めの話を13個収録した豪華な短編集・・・
二時間ドラマの脚本を読んでいる気分で、年末年始年始に読むのにうってつけの作品だと思います。ですが、本作は、絶対に映像化は不可能でしょう。メディアへの皮肉満載なところもありますが、とあるショッキングな内容や暴力的な描写があり、表現規制の厳しい今のテレビには、受け入れられない内容を含んでいます。
ショッキングな死体が発見されるシーンがあります。この誘拐サイトが悪戯ではないことを証明させるためかと思いきや、そこには深い犯人側の計算があります。なので必要不可欠な描写で、ミステリ要素があります。"○○○の論理"の答としては、少し陳腐な印象を持ちましたが、、、。
本作を読みながら、ドラマでありますが、相棒の『ピエロ』という作品を思いだしました。そちらの作品も誘拐劇を扱っており、かつ、ホームレスの物語も関係します。また、もう一つ、なぜ、誘拐した人物の一人を映像に映さなかったかという謎が、本作と似ている気がしました。もちろん、その答はまったく違いますが。『ピエロ』を観て楽しめた方は、本作にも満足できるかもしれません。
(ピエロの方は主人公の警部が優秀で、手に汗握る攻防戦という面で軍配が上がりますが、、、。ちなみに脚本は太田愛で、馴染みのある方もいると思います。)
本作の魅力は、なんといってもホームレスのバックグラウンドと群像劇です。ホームレスたちには、めいめいホームレスになってしまった悲劇的な出来事があり、同情を感じます。
また、この作品には数多くの人物が登場する群像劇で、それぞれの立場からの考え、台詞にリアリティがあり、感心しました。
一方で地の文には魅力が薄く、余計な登場人物も多かった印象です。
強引な展開も幾つか散見されます。細かい箇所も緻密に描けていたら完璧だったと思います。