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No.7
変身
東野圭吾
SF×ホラー 設定はベタだけど文章に惹き込まれました
No.6
方舟
夕木春央
新しい形のクローズドサークル・ミステリ
No.5
リバース
湊かなえ
殺意なき殺人。さり気なく描かれた描写に伏線あり
No.4
同姓同名
下村敦史
一筋縄ではいかない挑戦的作品
No.3
ロスト・ケア
葉真中顕
介護の過酷さとミステリを融合させた模範作
No.2
重力ピエロ
伊坂幸太郎
テーマは遺伝子と家族の絆
No.1
キングを探せ
法月綸太郎
予定調和で終わらないカードマジック
『変身』というタイトルですが、某作品と異なり主人公の姿形は変わりません。変わるのは性格と嗜好。かつては絵を描くのが好きだったはずが絵に興味を失い、乱暴な男に変容するのです。徐々に性格が変わっていく描写や、残虐な描写など、とても惹き込まれました。初めて読んだたとき、とても怖い内容と思いました。今回再読したときも感想は同じで、東野圭吾の全作品のうち半分くらい読んできたなかで、ホラー要素がピカイチだと思いました。
要素としてはSF2:ミステリー1:ホラー7といった感じです。メインは成瀬に何が起こったのかという謎を基に物語が進行しますが、種明かしの前に察する読者は多いと思います。同氏の『分身』同様、わかりやすい謎だなと思いました。分身同様、科学者の好奇心が恐ろしい事態を招く物語です。
本作は初期に出版されたもので、今と比べると後半の荒削りな描写が少し目立ちました。完全に異常犯罪者となった青年の逃避行がドタバタしていて、最後の最後まで丹念に描写してほしかったのがマイナスポイントでした。
文章力はさすがで、特に主人公の思考が変容していくさまや、一人称の変化など、高ポイントな面も多いです。
作者の関心事である脳の原点だろう本作、久しぶりに怖さを堪能できてお勧めです。