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shoukk さんのレビュー一覧

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書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.29pt

レビュー数7

全7件 1~7 1/1ページ

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No.7:
(4pt)

「嘘と本当」

他の人もレビューに記しているように、ミステリーではなく何か別のもの、サスペンスものとしてでも読めば、それなりに楽しめるのかも知れない。しかし。
何より違和感があるのは、話の重要なファクターとして「嘘と本当」という問題があるのに、主人公も作者も、「真実かどうかを証明する」ということに対してあまりに淡泊に思える点だ。

▼以下、ネタバレ感想
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うそつき、うそつき
清水杜氏彦うそつき、うそつき についてのレビュー
No.6: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

突っ込みどころ満載の作風

相変わらずと言うか、とにかく警察の人を無能か悪意を持っているかにしなければ気が済まない、作者さんですね。作家にとって、楽でいいんでしょうね。初動の警察を無能にして、後から出てくる名探偵役を引き立たせる書き方は。
とにかくも、最初に考えられていた事件の解釈を手段を選ばず最後に逆転させる、そんなストーリーが好きな人には、満足してもらえる短編集だと思います。
主人公は、警察官として取り返しのつかない大失態を犯した後で異動を命じられて、「なぜですか」と素で返す、なかなか凄い神経の持ち主。そういうキャラクターに感情移入できる読者は、ストレスなく読むことができると思います。
誉めているかけなしているかわからない表現をしていますが。この作者の短編集を読むのも三冊目、突っ込みどころ満載の作風が、大好きです。もっとナンセンスなエセミステリだと、突っ込む気も起きませんので。


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赤い博物館 (文春文庫)
大山誠一郎赤い博物館 についてのレビュー
No.5: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

最後まで読んで

東京創元社が新たに発信する「エディターズ・チョイス!」の第一回刊行作品で、紙の書籍の発売までの先行配信キャンペーンとして電子書籍版が500円だということで、購入しました。初見の作家の作品で不安はあったのですが、編集者の方の絶讃に賭けるつもりで。結果、買って損はなかったと思います。
「エディターズ・チョイス!」とは「新人賞を経由しないデビューのかたち」だそうですが、新人賞をとってデビューしている一部の作家より、文章はうまくて安心して読んでいくことができます。最後まで読むと、作者が文章の隅々まで配慮して書いていることがよく判ります。近年、こういう目的のためだけに文章を練り上げる傾向がミステリー界に増殖していることには、賛否それぞれあると思いますが、過去の結果を見る限りある程度の数の批評家に絶讃されそうな気がします。
脇役の人物たちの造形がありきたりなのが残念ですが、とりあえず主役二人のキャラクターは十分魅力的に表現されています。
もしかすると、(私のように)変にこだわりを含んだ期待を持って読み始めた読者は、途中で期待外れと断じて投げ出したい思いにとらわれるかも知れませんが、最後まで読んで損はないです。
ゴースト≠ノイズ(リダクション) (創元推理文庫)
十市社ゴースト≠ノイズ(リダクション) についてのレビュー
No.4: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

読み応えあり

名人芸というか、安定した筆致は、さすがだと思います。ミステリーとして十分楽しめ、読み応えもあります。
それでも何か散漫な印象が残る。何かとじっくり考えてみたら、いろいろ盛り込みすぎて、読者として同情する対象が多すぎて、落ち着かないんですね。最初に同情していた対象が後からはそうでもなくなる、最後の方で同情すべき対象が何だか唐突に登場して、呆気にとられるうちに終わってしまうという感じ。

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麒麟の翼 (講談社文庫)
東野圭吾麒麟の翼 についてのレビュー
No.3: 13人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(1pt)

非常識

店の人に説明もせず承諾もとらず、無銭飲食で店を飛び出して、そのまま一週間知らんふり。その後店を訪ねて「店員である彼女にわざわざ素性を明かす義理はなかったはずだ。」とぬけぬけと述懐する非常識人が語り手。
たいした根拠もなく、いきなり初対面の客の名前をほぼ決めつける店員が、ヒロイン。
えーと……。
どこが鮮やか? どこが聡明?

何より、中学生あたりがこれを読んで、飲食店で財布を忘れた場合、こういう行動をとればいいんだと思い込んでしまったら、どうしてくれるんだろう。

私の読み方がまちがっているのでしょうか。
これがマンガ「クレヨンしんちゃん」あたりのように、登場人物の非常識さを笑って楽しむギャグ小説というなら、別に何も言うことはないのですが。


珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
No.2: 17人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(3pt)

明日の空の感想


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明日の空
貫井徳郎明日の空 についてのレビュー
No.1: 21人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

密室蒐集家の感想

作者のこだわりぶりがマニアにとっては微笑ましい、好感の持てる短編集だと思います。

しかしこの作者の「警察官がこんな初歩的な確認漏れをするか?」と突っ込みたくなる設定は、前作と変わらず。突っ込んだ方が負けなんだろうか。
ということで、偶然が多すぎるとか、証人への名前や服装の確認がどうかとかについては、誰もが気がつくところなので触れないことにします。

今回の大きな趣向は、それぞれの短編で時代が異なる点です。こうした設定をするからには、作者は十分時代考証をした末だと思うのですが、いくつかつまらない点で引っかかるところがあります。

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密室蒐集家 (ミステリー・リーグ)
大山誠一郎密室蒐集家 についてのレビュー