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shoukk さんのレビュー一覧

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レビュー数3

全3件 1~3 1/1ページ

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No.3: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

突っ込みどころ満載の作風

相変わらずと言うか、とにかく警察の人を無能か悪意を持っているかにしなければ気が済まない、作者さんですね。作家にとって、楽でいいんでしょうね。初動の警察を無能にして、後から出てくる名探偵役を引き立たせる書き方は。
とにかくも、最初に考えられていた事件の解釈を手段を選ばず最後に逆転させる、そんなストーリーが好きな人には、満足してもらえる短編集だと思います。
主人公は、警察官として取り返しのつかない大失態を犯した後で異動を命じられて、「なぜですか」と素で返す、なかなか凄い神経の持ち主。そういうキャラクターに感情移入できる読者は、ストレスなく読むことができると思います。
誉めているかけなしているかわからない表現をしていますが。この作者の短編集を読むのも三冊目、突っ込みどころ満載の作風が、大好きです。もっとナンセンスなエセミステリだと、突っ込む気も起きませんので。


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赤い博物館 (文春文庫)
大山誠一郎赤い博物館 についてのレビュー
No.2: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

最後まで読んで

東京創元社が新たに発信する「エディターズ・チョイス!」の第一回刊行作品で、紙の書籍の発売までの先行配信キャンペーンとして電子書籍版が500円だということで、購入しました。初見の作家の作品で不安はあったのですが、編集者の方の絶讃に賭けるつもりで。結果、買って損はなかったと思います。
「エディターズ・チョイス!」とは「新人賞を経由しないデビューのかたち」だそうですが、新人賞をとってデビューしている一部の作家より、文章はうまくて安心して読んでいくことができます。最後まで読むと、作者が文章の隅々まで配慮して書いていることがよく判ります。近年、こういう目的のためだけに文章を練り上げる傾向がミステリー界に増殖していることには、賛否それぞれあると思いますが、過去の結果を見る限りある程度の数の批評家に絶讃されそうな気がします。
脇役の人物たちの造形がありきたりなのが残念ですが、とりあえず主役二人のキャラクターは十分魅力的に表現されています。
もしかすると、(私のように)変にこだわりを含んだ期待を持って読み始めた読者は、途中で期待外れと断じて投げ出したい思いにとらわれるかも知れませんが、最後まで読んで損はないです。
ゴースト≠ノイズ(リダクション) (創元推理文庫)
十市社ゴースト≠ノイズ(リダクション) についてのレビュー
No.1: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

読み応えあり

名人芸というか、安定した筆致は、さすがだと思います。ミステリーとして十分楽しめ、読み応えもあります。
それでも何か散漫な印象が残る。何かとじっくり考えてみたら、いろいろ盛り込みすぎて、読者として同情する対象が多すぎて、落ち着かないんですね。最初に同情していた対象が後からはそうでもなくなる、最後の方で同情すべき対象が何だか唐突に登場して、呆気にとられるうちに終わってしまうという感じ。

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