■スポンサードリンク
コタロウ さんのレビュー一覧
コタロウさんのページへレビュー数6件
全6件 1~6 1/1ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
高校時代の友人がキリスト教の学校に通っていました。
朝の学校内での掃除時間、教会内の掃除担当になっていた友人はキリスト像を 綺麗にするため雑巾で像をふいていました。 しかしその雑巾でふくという行為をシスターに見咎められ、友人は停学になってしまいました。 真面目に良かれと思ってやった事なのに処分を受けた友人は当時この件に納得できなかったそうです。 「ラットマン」を読んで友人が経験したこの停学の件を思い出しました。 こちらが持つ掃除に対する固定観念と宗教系学校ならではの規則、縛りによる認識の違いに、この話を聞いた当時は 大笑いしつつも釈然としないものが自分の中に残ったものでした。 個人レベルでの先入観、思い込みは程度の差はあれど時に悲劇(喜劇)を生むのだと改めて思いました。 内容やニュアンスなど全然違いますが、なぜか読了してこの昔話を思い出してしまいました~ 肝心の小説自体は、どんでん返しが自分好みでとても素晴らしい作品でした! |
||||
|
||||
|
|
||||
【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
|
||||
---|---|---|---|---|
しばらく読書から離れていたので久々の読了です!
至る所に作者のミステリ愛が溢れており大いに堪能させて頂きました。 1、2などの章仕立てではなく幕間の見出しで今後の展開が示唆されるという、非常に読み手を くすぐる構成で面白いです。 トリック自体は地味な印象で派手さは無いのですが、キャラクター個々が立っており飽きずに 読み進める事が出来ました。(特にワトソン役はボヤキ節も秀逸でポイント高いです。) クライマックスのどんでん返しは「なぁに~!」と一瞬呆気にとられますが、見事な伏線が 前半に張られていた事に気づき降参。本当にフェアに展開されているので作者の力量に舌を巻きます。 この作品に限っては映像化も出来るのではないかと思うのですがどうでしょうか? とにかく作者のミステリ愛が心地よく、こちらも嬉しくなってしまう一作でした~ |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
本屋にて即購入。
御手洗潔シリーズを手に取るつもりが、ゆるいキャラクターのジャケ(失礼!)に引き寄せられました。 前から気になっていた作品ではあったのですが、最近復刊したのか本屋さんでも大きくコーナーを設けてありました。 約二百数十ページの短い小説で、集中して読めば3時間ぐらいであっという間に読めてしまう本作。 宗教団体の後継者問題とその教団が流布する経典の謎に怪しい3人組が巻き込まれていく様をテンポよく描いており ページを捲る手を止められませんでした。 細かな伏線を回収するクライマックスのまとめ方は無難な展開と言えるかもしれませんが、ラストで明かされる大仕掛けは それら全てを吹き飛ばす程のインパクトを持っています。 こういう仕掛け大好きです! あまり書くとネタばれになってしまうのですが、倉阪鬼一郎氏のある作品はこのネタを更に発展させたものなんですね。 やっぱり読書はやめられないです。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
冒頭の一文から作品世界に引き込まれます。
古典ですが古さを感じさせない展開、タイムリミット系の走りだという事ですが 今読んでも面白い! 妻殺しの容疑をかけられた夫。妻が殺害された時間にバーで初対面の女と過ごして いたと主張するものの、その女が見つからない。女と過ごしたバー、レストラン、劇場に 警察と赴き女の存在を立証しようとするが、誰もそんな女は見ていないと証言する。 結果アリバイを証明できず裁判で有罪になり死刑を待つ身となる夫。 死刑執行前に夫を救うべく親友の一人が女を探し奔走する。 果たして幻の女は見つかるのか?・・・というお話。 正直クライマックスは油断してました。 読んでいる間は、女が見つかるのかに焦点がいってしまっており、まさかの どんでん返しにはビックリ。勘の良い方は分かるでしょうが自分はまだまだです。 訳者の力も大きいでしょうがエスプリの効いた文章も味わい深く 良い読書時間を過ごさせてもらいました~ |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
あれは私が社会人になり一人暮らしを始めたばかりの頃だったと思います。
夜10時頃、携帯に母から電話が。 週末の実家での親戚の集まりの件や最近どうかなどの内容でした。 翌日の仕事の件で頭が一杯だった私は、母の話にもどこか上の空で適当な相槌を返しておりました。 そろそろ電話を切る口実を見出そうとした頃、母の声が興奮を帯びたものに変わりました。 「そうそう、この前ね島田先生とカラオケに行って来たのよぉ」 母ご贔屓のミステリ作家、島田荘司のファンクラブの集いの後、ご本人とカラオケに繰り出したとの内容でした。 「歌がプロ並みに上手くて感動したわよ~」 そう興奮気味に話す母と、早く電話を切りたい私の温度差は激しく、その話に対する当時の私の返事は 「あ、そう」 という素っ気ないものになってしまいました。 さて「斜め屋敷の犯罪」です。 本格ミステリとしての舞台装置、キャラクター、トリック等まさに島田荘司というエッセンスが凝縮された作品でした。 後半に登場する御手洗潔の描写も面白く、総体的に島田荘司という作家を理解するうえでも重要な1本ではないかと思われます。 今、あの時と同じ内容の会話を母としていたらこう云うでしょう。 「母ちゃん、ズルい。うらやましいな!!」 と。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
最近書店での露出が多く、また文庫帯の大袈裟な煽り文句に乗せられ購入しました。
決してアッと驚く結末では無かったけれども、時代背景や連作ひとつひとつの話は魅力的で引き込まれました。 読了して残るのはトリック云々ではなく、時代に抗い生きる人々の姿と、現代と過去の対比で浮彫になる苦悩とそこからの決別。 世界観含めミステリとしても正統派で良い読後感に包まれました。 個人的なお気に入りに。 |
||||
|
||||
|