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natemuy さんのレビュー一覧

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書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.83pt

レビュー数6

全6件 1~6 1/1ページ

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No.6: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ナンセンス文学×ミステリー

私は不思議の国のアリスについての予備知識が全くなかったので、wikiとディズニーの映画で予習して読みました。やはり、アリスの知識がある程度あった方が楽しめると思いますね。この小説を読んだことで、普段ミステリーばかり読んでる私には馴染みのない、シュルレアリスムやナンセンス文学の一端に触れることができて、新鮮な体験でした。

ミステリとしての構成もこの世界観ならではでした。でも、ちゃんと本格してるんですよね。個人的には、いわゆる変格ミステリーとかではなく、むしろミステリーの質としては本格ど真ん中って感じ。改めて本格ミステリーの守備範囲の広さを認識させられました。
本格ミステリーの定番を読んだことがある方は、チャレンジしても面白いと思います。逆に本格ミステリーが合わない人には、この作品の奥深さというか、価値は感じにくいかもしれないです。

あと、序盤の探偵と助手が出会うシーンは鳥肌ものでした。このシーンの見せ方はかなり評価高いです。
アリス殺し (創元推理文庫)
小林泰三アリス殺し についてのレビュー
No.5: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

聖女の毒杯 その可能性はすでに考えたの感想

前作は推理合戦というより1on1のバトル、また事件は過去のものを取り扱っているため探偵たちは直接関与しているわけではなく、サスペンス的な臨場感にかける部分がありました。
一方、今回は容疑者?たちによるまさしく推理合戦。前作が論理否定を純粋に楽しむ作品であったのに対して、今作はサスペンス的な読み応えも存分にあります。
ただ後半の展開はなんとも…
ミステリーとしてプラスαの工夫をしているのはわかります。これはこれで楽しめましたが、個人的にちょっと求めてるものとはちがったかな…
全体の評価としてはとてもいいです。次回作が楽しみです。
聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた (講談社文庫)
No.4:
(8pt)

その可能性はすでに考えたの感想

山奥のカルト宗教団体で起こった集団自殺、不可解かつ非現実的な状況。そして、その謎に対して様々な推理を披露するそれぞれの探偵。
こういうのすごい好きです。結構、突飛な推理もあったりするのですが、現場の見取り図とわかりやすい説明によってどれもスムーズにイメージできて、多重解決をとても楽しめました。

マイナスな点はやはりキャラクター。アニメっぽい記号的なキャラクターが多かったので、この人物造形は好みがわかれそうなところ。
とはいえ、キャラクターの癖が強いのはそれぞれの探偵だけで、事件の当事者はまともに描かれているので、ミステリー的には問題ないです。
その可能性はすでに考えた (講談社文庫)
井上真偽その可能性はすでに考えた についてのレビュー
No.3: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

可能性は非常に感じる

Amazon等のレビューを読むと賛否両論といったところ。酷評している方もいるが、ミステリーとしてのクォリティはある程度保たれていると思う。
良かった点としては後半の疾走感。先が気になる展開が続き、最後の方は一気に読んでしまいました。
登場人物のキャラクター的な魅力がいまいち足りなかったのが残念。ただし、これは個人的な嗜好の問題の範囲だと思います。
傑作とまでは言えなくとも、単なる謎の提示とその解決を描くに留まらず、探偵とは何か、ワトソンとは何かと、ある種の哲学的問題にも挑戦した意欲作であり、良作と言って良いと思います。まだまだ伸びしろを感じるし、引き出しも多くありそう。次の作品が楽しみです。


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紅蓮館の殺人 (講談社タイガ)
阿津川辰海紅蓮館の殺人 についてのレビュー
No.2: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

とにかく読んでみて!

刀城言耶シリーズの中でも最高傑作と評されることの多い本書。
まず、シリーズ通していえることですが、戦後の田舎のいかにもな世界観、雰囲気が非常に良いです。世界観は古めかしいわりに読みやすいんですよね。他の著者にもこの時代を舞台とする名作は多いですが、その中でも読みやすさは群を抜いてますね。
この作品に関しては多くのことは語らず、とにかく読んでほしいの一言です。

ただし、この作品はシリーズ3作目なのですが、個人的にはぜひ1、2作目を読んだ後に読んでもらったほうがいいと思います。理由は語れませんが、このシリーズは作品によって極端にクオリティが落ちるということもないので、厭魅の如き憑くものと凶鳥の如き忌むものを読んでからでも遅くないです。裏を返せば厭魅の如き〜が合わなかった人は本作も合わない可能性が高いと思います。


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首無の如き祟るもの (講談社文庫)
三津田信三首無の如き祟るもの についてのレビュー
No.1: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

万人に薦めやすい秀作

今邑彩作品は初めて読みました。
これこそ本格ミステリの王道という感じで非常に好感のもてる作品。
読みやすさもさることながら、ミステリー的な部分でも満足できると思うので、ミステリー初心者から中級者まで幅広い人に薦められます。
個人的に巻頭に館の見取り図と登場人物の家系図が載っているだけでワクワクします。
ミステリを読んだことない人にも薦めやすいし、ミステリ好きもこういう作品を好んでいる人は多いと思います。
金雀枝荘の殺人 (中公文庫)
今邑彩金雀枝荘の殺人 についてのレビュー