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361 復讐する男
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361 復讐する男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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父親を殺害した者への復讐ドラマ。 真のハードボイルド小説。 | ||||
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アメリカ犯罪小説界の巨匠ウェストレイクがユーモア路線に作風を変化させる前のバイオレンス色の濃い非情な世界を描いた長編第3作です。ほんの些細な事ですが1978年にハヤカワ・ミステリ文庫の一冊として出版された本書には、カバーだけに「復讐する男」の副題が書かれていて本体には一切の記載がなく、こういう事もまあ珍しいのではないかなと思いますね。 過酷な3年間の軍隊生活を終えてニューヨークに着いたレイ・ケリーは久し振りに父と再会して涙するのだったが、故郷へと向かう車に乗っていた二人が何者かに狙撃され父は即死、息子は何とか生き残った物の片目を失うという予想もしなかった災厄に見舞われる。ケリーは正体不明の冷酷な殺人者に復讐すべく父親の過去を調査し始めるのだった。 第1作「やとわれた男」では犯罪組織の小悪党、第2作「殺しあい」では私立探偵がそれぞれに主人公として事件に巻き込まれる物語を書いた著者ですが、今回は軍隊上がりの素人の若者が警察の手を借りずに個人的な遺恨を晴らそうと誓って復讐の鬼と化す極めて狭い世界のストーリーを構築されていますね。同じ頃に妻が車にはねられて死んだ兄のビルと行動を共にする内に、父が昔弁護士をしていた事実を突き止め過去の依頼人だった暗黒街の大立者エディー・カップが刑務所から長い刑期の果てに出所しようとしている情報を得てやがて事件は大きく動き始めます。本書の展開により導かれる帰結から思い浮かぶ2つのことわざを並べて表したら「血は水よりも濃し」でなく「産みの親より育ての親」となりそうですが、そこは欺瞞とからくりと仕掛けに満ちたミステリーの世界ですから真相はそんなに単純な話ではありませんね。でも肝心なのは如何なる事情があろうとも(例え血の繋がりがあっても)「悪党は許す訳には行かない」という厳然たる事実なのですね。悲願の復讐を遂げてすっかり脱け殻と化した彼が目的を失って次の人生をどう生きていくのか語られる事はなく全く知る術はありませんがとても興味がありますね。最後に殺人は絶対に許されるべき事ではないですが、それが正義から出た行為であれば寛容に許容してあげて彼を警察からかくまい手助けする人々がいてくれる事実に確かな人情を感じて大きな安らぎを感じましたね。 | ||||
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久々に故郷に帰ってきた男が親を殺され調査を開始するが・・・というお話。 短いながらも錯綜するプロットに翻弄されつつそれでいながらあまり複雑にならず一日で読める読み捨てペーパーバックの王道を行くクライム・ノヴェルの秀作。読んでる間は面白いけど読み終わるとあまり覚えていないという娯楽小説の真骨頂を体現している小説。そういう話ではあるけれど二読三読出来ると思わせる、推理小説としても明晰に構成された巧緻さに唸るサスペンス。 はっきり言って後の悪党パーカーのシリーズやミッチ・トビンのシリーズに比べると習作かもしれないと思いますが、これはこれで良く出来ていると感じました。主人公の非情さも後の作品へのひな形になったと思われるのでこの人の履歴の中では重要だと感慨を抱きました。推理小説としてこの時点でほぼ完成していたのが覗われて興味深い。多分ハメットやポール・ケイン、リー・ブラケットのクライム・ノヴェルやハードボイルドに深い影響を受けたと思しい作品。題名の「361」とは「殺すこと」を意味するそう。お暇なら読まれたい。 | ||||
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父を殺され自らも片目を失った男レイ・ケリーが復讐の為,単身マフィアに挑んでいく。ストレートなハードボイルドアクション。 「やとわれた男」「殺しあい」と快調なデビューを飾ったウェストレイクの第3作だが,ワンパターンにはまり珍しく平凡。この出版社にしては珍しく解説も訳者あとがきもない不親切さもあいまって点が辛くなった。 | ||||
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