ベルリン飛行指令

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評判

ベルリン飛行指令の評価:

4.24/5点 レビュー 38件。 S ランク

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平均点4.24pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全115件 81〜100 5/6ページ
No.35
(4pt)

本当にあったかも知れない物語にロマンがあります。

ゼロ戦でベルリンに行くように飛行指令がでて
そのパイロットを選出していくところから話しが始まり
選ばれたパイロットを応援したくなるような話しです。
さらに本当にこの指令があったかもしれない話のようです。
日本人として誇りに思える戦中のストーリーです。
当時の情景の描写も戦争に関する専門用語も巧みに使われていてよく伝わってきます。
単純に日本からドイツまで現在では1発で飛んでいけますが、
当時の戦闘機では途中で何カ所も経由しながら補給しなくてはならず、
その道のりは長くて険しいところがこの本の内容に厚みを持たせています。
飛行機に興味がなくてもわくわく楽しく読めます。
その逆で飛行機が好きな人は楽しさ倍増請け合いです。
続編とされる「エトロフ発緊急電」も読みたくなりました。
ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス)より
4834230554
No.34
(5pt)

ゼロ戦がベルリンに向けて飛ぶ

太平洋戦争秘話3部作の第1作。
三国同盟を締結直後のドイツからゼロ戦2機の提供依頼を受けた日本は
飛行ルートの確保を図り、そして…。

架空の人物と実在した人物が織りなすストーリーは圧巻。
架空の人物が実在したのではないか、もしかしたら、
史実に残っていない事実があったのではないかと思わせられる。
どこまでが創作部分なのか分からなくなるほど。


3部作に共通する登場人物が、物語に厚みを持たせているので、
本作を面白いと思ったら続編の「エトロフ発緊急電」、
「ストックホルムの密使(上・下)」を続けて読んでください。
主人公は異なりますが、連なったストーリーです。
ベルリン飛行指令 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027038
No.33
(5pt)

ゼロ戦がベルリンに向けて飛ぶ

太平洋戦争秘話3部作の第1作。
三国同盟を締結直後のドイツからゼロ戦2機の提供依頼を受けた日本は
飛行ルートの確保を図り、そして…。

架空の人物と実在した人物が織りなすストーリーは圧巻。
架空の人物が実在したのではないか、もしかしたら、
史実に残っていない事実があったのではないかと思わせられる。
どこまでが創作部分なのか分からなくなるほど。


3部作に共通する登場人物が、物語に厚みを持たせているので、
本作を面白いと思ったら続編の「エトロフ発緊急電」、
「ストックホルムの密使(上・下)」を続けて読んでください。
主人公は異なりますが、連なったストーリーです。
ベルリン飛行指令 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (新潮文庫)より
4101223114
No.32
(5pt)

ゼロ戦がベルリンに向けて飛ぶ

太平洋戦争秘話3部作の第1作。
三国同盟を締結直後のドイツからゼロ戦2機の提供依頼を受けた日本は
飛行ルートの確保を図り、そして…。

架空の人物と実在した人物が織りなすストーリーは圧巻。
架空の人物が実在したのではないか、もしかしたら、
史実に残っていない事実があったのではないかと思わせられる。
どこまでが創作部分なのか分からなくなるほど。


3部作に共通する登場人物が、物語に厚みを持たせているので、
本作を面白いと思ったら続編の「エトロフ発緊急電」、
「ストックホルムの密使(上・下)」を続けて読んでください。
主人公は異なりますが、連なったストーリーです。
ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス)より
4834230554
No.31
(5pt)

佐々木はなぜこの路線を捨てたのか?

佐々木の作品では「エトロフ発緊急電」とともに大好きな一冊。そもそもドイツから潜水艦で当時の最新技術(戦闘機に取り付けたマウザー砲など)が次々と日本にもたらされたのに対して、日本からドイツにもたらされた技術があったろうか?そんなモヤモヤに応える空想小説である。零戦は分解して潜水艦で運べば済むわけで、わざわざリスクの高い空輸をする必要はないわけだが、そこは度外視して楽しめる。最近佐々木は警察小説に流れてしまって、こうした第2大戦中の冒険空想小説を執筆してくれないのが極めて残念でならない。警察小説の方が売れるのかな?
ベルリン飛行指令 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027038
No.30
(5pt)

佐々木はなぜこの路線を捨てたのか?

佐々木の作品では「エトロフ発緊急電」とともに大好きな一冊。そもそもドイツから潜水艦で当時の最新技術(戦闘機に取り付けたマウザー砲など)が次々と日本にもたらされたのに対して、日本からドイツにもたらされた技術があったろうか?そんなモヤモヤに応える空想小説である。零戦は分解して潜水艦で運べば済むわけで、わざわざリスクの高い空輸をする必要はないわけだが、そこは度外視して楽しめる。最近佐々木は警察小説に流れてしまって、こうした第2大戦中の冒険空想小説を執筆してくれないのが極めて残念でならない。警察小説の方が売れるのかな?
ベルリン飛行指令 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (新潮文庫)より
4101223114
No.29
(5pt)

佐々木はなぜこの路線を捨てたのか?

佐々木の作品では「エトロフ発緊急電」とともに大好きな一冊。そもそもドイツから潜水艦で当時の最新技術(戦闘機に取り付けたマウザー砲など)が次々と日本にもたらされたのに対して、日本からドイツにもたらされた技術があったろうか?そんなモヤモヤに応える空想小説である。零戦は分解して潜水艦で運べば済むわけで、わざわざリスクの高い空輸をする必要はないわけだが、そこは度外視して楽しめる。最近佐々木は警察小説に流れてしまって、こうした第2大戦中の冒険空想小説を執筆してくれないのが極めて残念でならない。警察小説の方が売れるのかな?
ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス)より
4834230554
No.28
(4pt)

無名エースパイロットの生き様

日本とドイツが軍事同盟を結んだ頃,ゼロ戦が日本からドイツまで飛行できたことは
驚きだ.ゼロ戦に積まれたレシプロタイプのエンジンは,原理的に言って現代のエン
ジンとあまり変わらないだろう.
しかし,当時の技術でそれだけの距離を飛ばすには,パイロットの知識も必要だ.内
燃機関や空気力学などの知識だ.
戦争末期,日本やドイツが若い兵士を特攻させていたとき,航空隊の教官として安藤
大尉が言う.「私が教えるのは空を飛び,帰ってくる技術や知識だ.特攻をするため
じゃない」
あの狂った時代に,自分の信念を曲げずに生きるというのは大変なことだったろう.
ベルリン飛行指令 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027038
No.27
(4pt)

無名エースパイロットの生き様

日本とドイツが軍事同盟を結んだ頃,ゼロ戦が日本からドイツまで飛行できたことは
驚きだ.ゼロ戦に積まれたレシプロタイプのエンジンは,原理的に言って現代のエン
ジンとあまり変わらないだろう.
しかし,当時の技術でそれだけの距離を飛ばすには,パイロットの知識も必要だ.内
燃機関や空気力学などの知識だ.
戦争末期,日本やドイツが若い兵士を特攻させていたとき,航空隊の教官として安藤
大尉が言う.「私が教えるのは空を飛び,帰ってくる技術や知識だ.特攻をするため
じゃない」
あの狂った時代に,自分の信念を曲げずに生きるというのは大変なことだったろう.
ベルリン飛行指令 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (新潮文庫)より
4101223114
No.26
(4pt)

無名エースパイロットの生き様

日本とドイツが軍事同盟を結んだ頃,ゼロ戦が日本からドイツまで飛行できたことは
驚きだ.ゼロ戦に積まれたレシプロタイプのエンジンは,原理的に言って現代のエン
ジンとあまり変わらないだろう.
しかし,当時の技術でそれだけの距離を飛ばすには,パイロットの知識も必要だ.内
燃機関や空気力学などの知識だ.
戦争末期,日本やドイツが若い兵士を特攻させていたとき,航空隊の教官として安藤
大尉が言う.「私が教えるのは空を飛び,帰ってくる技術や知識だ.特攻をするため
じゃない」
あの狂った時代に,自分の信念を曲げずに生きるというのは大変なことだったろう.
ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス)より
4834230554
No.25
(5pt)

はまった!

作者には大変失礼ながら、飛行機での移動間の暇つぶしに何かないかな〜と空港の書店を探していて「まあこれでいいか・・・」程度の認識で買ったこの本。読み始めから一気にはまりました。あらすじは他の人のレビュー等にありますので省きますが、「それで次はどうなるの・・」と久しぶりに先へ先へと読み進みたくなる作品でした。この作者の他の作品も読んでみようと思います
ベルリン飛行指令 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027038
No.24
(5pt)

はまった!

作者には大変失礼ながら、飛行機での移動間の暇つぶしに何かないかな〜と空港の書店を探していて「まあこれでいいか・・・」程度の認識で買ったこの本。読み始めから一気にはまりました。あらすじは他の人のレビュー等にありますので省きますが、「それで次はどうなるの・・」と久しぶりに先へ先へと読み進みたくなる作品でした。この作者の他の作品も読んでみようと思います
ベルリン飛行指令 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (新潮文庫)より
4101223114
No.23
(5pt)

はまった!

作者には大変失礼ながら、飛行機での移動間の暇つぶしに何かないかな〜と空港の書店を探していて「まあこれでいいか・・・」程度の認識で買ったこの本。読み始めから一気にはまりました。あらすじは他の人のレビュー等にありますので省きますが、「それで次はどうなるの・・」と久しぶりに先へ先へと読み進みたくなる作品でした。この作者の他の作品も読んでみようと思います
ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス)より
4834230554
No.22
(4pt)

壮大なる愚行を背景に、清冽な人物像が浮かび上がる

文句なく面白い娯楽小説。舞台は1940年、第二次大戦が世界に拡散しようとする時代の緊張感を背景に、三国同盟成立前後の短い時間軸の中で緊迫したドラマが展開される。
題材となったゼロ戦のベルリン空輸が史実かどうかはともかく、筆者が取り上げた各地の情勢はそれぞれ迫真であり、ストーリーに厚みを持たせている。描き出される人物はそれぞれ実在人物を味付けしたもののようだが、日本海軍の軍人も、インド独立の志士も、野心溢れるイラクの将軍も、そしてヒトラーの部下ですら、それぞれが真剣な眼差しで何かを成し遂げようとしており、第二次大戦という壮大なる愚行を背景に、清冽な人物像が見事に浮かび上がっていると思う。
ゼロ戦は驚異的な航続力と戦闘能力で一時アジア・太平洋を席巻したが、防御に弱く、結局は多くのパイロットの命を犠牲にした。この小説は単なるゼロ戦礼賛に陥ることなく、最後にドイツ軍のレポートという形でゼロ戦の弱点もビシッと指摘しているところも好感。
自分にとって佐々木譲は初めて。20年も前にこれほどの本を書いた人がいまさら直木賞か、という疑問は残る。ただ文学界の慣行はさておき、ストーリーの面白さと筆力の高さを素直に称賛したい。
ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス)より
4834230554
No.21
(4pt)

壮大なる愚行を背景に、清冽な人物像が浮かび上がる

文句なく面白い娯楽小説。舞台は1940年、第二次大戦が世界に拡散しようとする時代の緊張感を背景に、三国同盟成立前後の短い時間軸の中で緊迫したドラマが展開される。
題材となったゼロ戦のベルリン空輸が史実かどうかはともかく、筆者が取り上げた各地の情勢はそれぞれ迫真であり、ストーリーに厚みを持たせている。描き出される人物はそれぞれ実在人物を味付けしたもののようだが、日本海軍の軍人も、インド独立の志士も、野心溢れるイラクの将軍も、そしてヒトラーの部下ですら、それぞれが真剣な眼差しで何かを成し遂げようとしており、第二次大戦という壮大なる愚行を背景に、清冽な人物像が見事に浮かび上がっていると思う。
ゼロ戦は驚異的な航続力と戦闘能力で一時アジア・太平洋を席巻したが、防御に弱く、結局は多くのパイロットの命を犠牲にした。この小説は単なるゼロ戦礼賛に陥ることなく、最後にドイツ軍のレポートという形でゼロ戦の弱点もビシッと指摘しているところも好感。
自分にとって佐々木譲は初めて。20年も前にこれほどの本を書いた人がいまさら直木賞か、という疑問は残る。ただ文学界の慣行はさておき、ストーリーの面白さと筆力の高さを素直に称賛したい。
ベルリン飛行指令 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027038
No.20
(4pt)

壮大なる愚行を背景に、清冽な人物像が浮かび上がる

文句なく面白い娯楽小説。舞台は1940年、第二次大戦が世界に拡散しようとする時代の緊張感を背景に、三国同盟成立前後の短い時間軸の中で緊迫したドラマが展開される。
題材となったゼロ戦のベルリン空輸が史実かどうかはともかく、筆者が取り上げた各地の情勢はそれぞれ迫真であり、ストーリーに厚みを持たせている。描き出される人物はそれぞれ実在人物を味付けしたもののようだが、日本海軍の軍人も、インド独立の志士も、野心溢れるイラクの将軍も、そしてヒトラーの部下ですら、それぞれが真剣な眼差しで何かを成し遂げようとしており、第二次大戦という壮大なる愚行を背景に、清冽な人物像が見事に浮かび上がっていると思う。
ゼロ戦は驚異的な航続力と戦闘能力で一時アジア・太平洋を席巻したが、防御に弱く、結局は多くのパイロットの命を犠牲にした。この小説は単なるゼロ戦礼賛に陥ることなく、最後にドイツ軍のレポートという形でゼロ戦の弱点もビシッと指摘しているところも好感。
自分にとって佐々木譲は初めて。20年も前にこれほどの本を書いた人がいまさら直木賞か、という疑問は残る。ただ文学界の慣行はさておき、ストーリーの面白さと筆力の高さを素直に称賛したい。
ベルリン飛行指令 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (新潮文庫)より
4101223114
No.19
(4pt)

いわゆる架空戦記物とは一線を画す

 緻密に積み積み上げられたディティールの数々が、荒唐無稽な話に十二分の説得力を与えている。実際に零戦が飛行を始めるのは最後の三分の一ほどにすぎない。そこまでの三分の二は、いったいなぜ零戦がベルリンまで飛ぶことになるのか、登場人物たちがどんな思惑でそれを考え、関わり、行動したかを描くことに費やされている。その構造体の完成度にこそこの作品の重みがあるのであり、その意味でいわゆる架空戦記物とは完全に一線を画す(当たり前だが)。
 特にパイロットと妹、そして妹の恋人となる海軍省の役人の三人の人物造形が見事で、彼らがこの後、本作と共に“第二次大戦三部作”と呼ばれる『エトロフ発緊急電』『ストックホルムからの密使』でも活躍するのが納得できる。これらの続編がいずれも何らかの授賞をしているのに比べ、無冠の本作は佐々木譲作品の中でもどちらかというと顧みられることが少ないように思うが、今回の佐々木さんの直木賞授賞を機に再評価されればうれしい。特に飛行機好きなら!
ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス)より
4834230554
No.18
(4pt)

いわゆる架空戦記物とは一線を画す

 緻密に積み積み上げられたディティールの数々が、荒唐無稽な話に十二分の説得力を与えている。実際に零戦が飛行を始めるのは最後の三分の一ほどにすぎない。そこまでの三分の二は、いったいなぜ零戦がベルリンまで飛ぶことになるのか、登場人物たちがどんな思惑でそれを考え、関わり、行動したかを描くことに費やされている。その構造体の完成度にこそこの作品の重みがあるのであり、その意味でいわゆる架空戦記物とは完全に一線を画す(当たり前だが)。
 特にパイロットと妹、そして妹の恋人となる海軍省の役人の三人の人物造形が見事で、彼らがこの後、本作と共に“第二次大戦三部作”と呼ばれる『エトロフ発緊急電』『ストックホルムからの密使』でも活躍するのが納得できる。これらの続編がいずれも何らかの授賞をしているのに比べ、無冠の本作は佐々木譲作品の中でもどちらかというと顧みられることが少ないように思うが、今回の佐々木さんの直木賞授賞を機に再評価されればうれしい。特に飛行機好きなら!
ベルリン飛行指令 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027038
No.17
(4pt)

いわゆる架空戦記物とは一線を画す

 緻密に積み積み上げられたディティールの数々が、荒唐無稽な話に十二分の説得力を与えている。実際に零戦が飛行を始めるのは最後の三分の一ほどにすぎない。そこまでの三分の二は、いったいなぜ零戦がベルリンまで飛ぶことになるのか、登場人物たちがどんな思惑でそれを考え、関わり、行動したかを描くことに費やされている。その構造体の完成度にこそこの作品の重みがあるのであり、その意味でいわゆる架空戦記物とは完全に一線を画す(当たり前だが)。
 特にパイロットと妹、そして妹の恋人となる海軍省の役人の三人の人物造形が見事で、彼らがこの後、本作と共に“第二次大戦三部作”と呼ばれる『エトロフ発緊急電』『ストックホルムからの密使』でも活躍するのが納得できる。これらの続編がいずれも何らかの授賞をしているのに比べ、無冠の本作は佐々木譲作品の中でもどちらかというと顧みられることが少ないように思うが、今回の佐々木さんの直木賞授賞を機に再評価されればうれしい。特に飛行機好きなら!
ベルリン飛行指令 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (新潮文庫)より
4101223114
No.16
(4pt)

楽しめる!旅行通勤の友!

じつは、相棒(女性)からポン、と渡された。面白いってよ、と。それほどの期待はせずに読み始め、最後には喝采した。魅力は、安藤と乾、あるいはジム、グラーフといった「空」に魅せられた男たちの描写だ。蛇足ながら評者も二、三度セスナ機、あるいはそれよりやや大型の双発プロペラ機の操縦桿を握ったことがあるが、大空を飛ぶということは、或る意味「究極の自由」を感じる体験だ。主人公の「安藤」。ニヒルなダンディズムただよう「安藤」には横浜が似合い、上海が似合う。ハードボイルド小説、あるいは冒険小説といっても、フォーサイスやラドラムなどとは全く趣が異なる。和風の味付けというべきか、どこかに細やかな情緒がただよう。そこをどう思うかは読者次第だ。ただ、僚友「乾」がイラクを越えたあたりで戦闘に巻き込まれ、失踪したあたりから最後にかけて、ややボリューム感の不足を否めない。「分量規制」でもあったのか。やや、竜頭蛇尾。それにしても楽しめる本。旅行や通勤の友、としては満点である。
ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス) Amazon書評・レビュー: ベルリン飛行指令 (ホームミステリーコミックス)より
4834230554