国境の南、太陽の西

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評判

国境の南、太陽の西の評価:

4.22/5点 レビュー 233件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.22pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全375件 161〜180 9/19ページ
No.215
(4pt)

もやもや感がよいです

何度も読みこなして、自分なりの読後感覚をなんとなくつかめてきた。インパクトのある作品です。
1,2回読んだときは、自分を満たしてくれる(と感じている)初恋の人に20年後に出会い、すべてを投げ打って溺れかかったものの、結局喪失していくストーリーやその描写のインパクトの強さに浸ってしまい、島本さん命って感じで。年甲斐もなく島本さんの美しさを思い浮かべる読後感。
でも何度か読んこんでいくうちに、2つの出来事を通して島本さんの印象が徐々に消えていく後半最後部の雰囲気に着目できるようになった。
もやもや感を強引に言葉にすると、村上さんは、その意図の有無はわからないけど(結論ありきで書かないとどこかで読んだ)国境の南≒満たされる夢が存在するあっちの世界、太陽の西≒中間がない虚無のみが存在するあっちの世界であり、結局、人間はその現実、営みを通して国境の南を追い求めるものの、知らぬ間にあるいは意図的に太陽の西にたどり着く、でもどんなに封印しても国境の南を追い求める疼きはやってくる、という感じを表現しているのではと。
でも村上さんの作品全体に言えるけど、自分個人的には虚無として表現されたことが神の存在に近い気がしてならない。
たとえば、最後部の「広大な海に誰に知られることもなく密やかに降る雨」なんていうフレーズからは虚無より、神がかった雰囲気を(神の存在)感じ取ってしまうけど。表裏一体なのかな。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.214
(4pt)

もやもや感がよいです

何度も読みこなして、自分なりの読後感覚をなんとなくつかめてきた。インパクトのある作品です。
1,2回読んだときは、自分を満たしてくれる(と感じている)初恋の人に20年後に出会い、すべてを投げ打って溺れかかったものの、結局喪失していくストーリーやその描写のインパクトの強さに浸ってしまい、島本さん命って感じで。年甲斐もなく島本さんの美しさを思い浮かべる読後感。
でも何度か読んこんでいくうちに、2つの出来事を通して島本さんの印象が徐々に消えていく後半最後部の雰囲気に着目できるようになった。
もやもや感を強引に言葉にすると、村上さんは、その意図の有無はわからないけど(結論ありきで書かないとどこかで読んだ)国境の南≒満たされる夢が存在するあっちの世界、太陽の西≒中間がない虚無のみが存在するあっちの世界であり、結局、人間はその現実、営みを通して国境の南を追い求めるものの、知らぬ間にあるいは意図的に太陽の西にたどり着く、でもどんなに封印しても国境の南を追い求める疼きはやってくる、という感じを表現しているのではと。
でも村上さんの作品全体に言えるけど、自分個人的には虚無として表現されたことが神の存在に近い気がしてならない。
たとえば、最後部の「広大な海に誰に知られることもなく密やかに降る雨」なんていうフレーズからは虚無より、神がかった雰囲気を(神の存在)感じ取ってしまうけど。表裏一体なのかな。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.213
(5pt)

すごく切ない話でした

アマゾンの評価がよかったので、書店で購入して読みました。
不倫がテーマの本をずっと読みたいと思っていて
たどり着いたのがこの作品。
村上春樹の本を読むのは初めてでした。
読み始めると、独特な文体であっという間に読破。
続きが気になってしまい、すべて読んでしまいました。

まだ10代の私には理解しきれない「大人の世界」でしたが
ものすごく切ない話でした。
村上春樹の惹きつける文章の書き方。
また、彼の本を読みたいと思いました。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.212
(5pt)

数年後にもう一度読んでみたいです。

「忘れられないヒト」「再会」というキーワードで検索し、この作品に出会いました。
大変読みやすく止めることができずに一気に読了しました。
10代のころに触れた村上春樹さんの作品の印象を覆し、文章の技巧の素晴らしさに圧巻
しました。

主人公と島本さんは小学校時代の友人。
互いに当時少なかった一人っ子としての欠落感を互いに埋めあうように色々な話をしたり、音楽を聴いたり、多くの時間を過ごした。
中学以降は疎遠になっていたが37歳で再会。
そしてふたりは・・・

37歳の主人公には大切な家庭があります。
その家族を愛していて、絶対に離したくないということはわかっていても・・・
島本さんのことで頭がいっぱいになっていく様子、気持ちの動きが、
上手に描写されています。

読み終えると、
当然のようなモラル、を超えた誰かを想う気持ちの切なさ、素晴らしさを痛感します。
様々な人生のタイミングにより、大切な人を大切と気づくタイミングが必ずしも道義にもとるわけではないと思います。
良い悪いではなく、こんなにも心を占拠される人に出会えた奇跡、その思いを無視するのは愚かしいかもしれません。
主人公は島本さんへの想いをきちんと自分なりに整理しながら受け入れているのが好感もてました。

40代になった今、懐かしい人、忘れられないヒト私も、もちろんいます。
この作品はまた数年後に読み、どんな感想を抱くのか楽しみな作品です。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.211
(5pt)

誰でもあこがれるような生活かもしれない

おしゃれな経営者って誰でもあこがれるような生活かもしれない
そう思いつつ
教科書出版社でも十分幸せだよなとかも考えて
今の時代ならどちらでも負け組みではない恵まれた人の悩みっぽくて
贅沢な悩みなのかも…
とか気になった。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.210
(5pt)

すごく切ない話でした

アマゾンの評価がよかったので、書店で購入して読みました。
不倫がテーマの本をずっと読みたいと思っていて
たどり着いたのがこの作品。
村上春樹の本を読むのは初めてでした。
読み始めると、独特な文体であっという間に読破。
続きが気になってしまい、すべて読んでしまいました。

まだ10代の私には理解しきれない「大人の世界」でしたが
ものすごく切ない話でした。
村上春樹の惹きつける文章の書き方。
また、彼の本を読みたいと思いました。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.209
(5pt)

数年後にもう一度読んでみたいです。

「忘れられないヒト」「再会」というキーワードで検索し、この作品に出会いました。
大変読みやすく止めることができずに一気に読了しました。
10代のころに触れた村上春樹さんの作品の印象を覆し、文章の技巧の素晴らしさに圧巻
しました。

主人公と島本さんは小学校時代の友人。
互いに当時少なかった一人っ子としての欠落感を互いに埋めあうように色々な話をしたり、音楽を聴いたり、多くの時間を過ごした。
中学以降は疎遠になっていたが37歳で再会。
そしてふたりは・・・

37歳の主人公には大切な家庭があります。
その家族を愛していて、絶対に離したくないということはわかっていても・・・
島本さんのことで頭がいっぱいになっていく様子、気持ちの動きが、
上手に描写されています。

読み終えると、
当然のようなモラル、を超えた誰かを想う気持ちの切なさ、素晴らしさを痛感します。
様々な人生のタイミングにより、大切な人を大切と気づくタイミングが必ずしも道義にもとるわけではないと思います。
良い悪いではなく、こんなにも心を占拠される人に出会えた奇跡、その思いを無視するのは愚かしいかもしれません。
主人公は島本さんへの想いをきちんと自分なりに整理しながら受け入れているのが好感もてました。

40代になった今、懐かしい人、忘れられないヒト私も、もちろんいます。
この作品はまた数年後に読み、どんな感想を抱くのか楽しみな作品です。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.208
(5pt)

誰でもあこがれるような生活かもしれない

おしゃれな経営者って誰でもあこがれるような生活かもしれない
そう思いつつ
教科書出版社でも十分幸せだよなとかも考えて
今の時代ならどちらでも負け組みではない恵まれた人の悩みっぽくて
贅沢な悩みなのかも…
とか気になった。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.207
(5pt)

評価とおり

評価とおり綺麗な商品でした。^_^評価とおり綺麗な商品でした。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.206
(4pt)

理屈では解決できない問題がそこにはある

今回の “僕”は少年時代の終わり頃、12歳からはじまる。思春期を経て、37歳の中年の僕へ・・・。
人間のもつ本能(動物的欲求、野獣性、利己主義)と理性(いたわり、人間性、知性)の葛藤を描いています。
だれも傷つけたくないが、正直に生きると避けられないときもある。
男性が読むのと、女性が読むのとではかなり受け止め方に違いがでるかもしれません。特に夫の浮気を経験したことのある女性では“嫌悪感”なるものが生じるかもしれません。あくまでもフィクションであり、人それぞれ感性が異なるので、評価も分かれると思います。初恋の女性を思う男性の内面をハルキ流のタッチで描き、とても楽しむことができました。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.205
(4pt)

一気に読ませて、あとあじ深し

村上春樹の本で、読んだのはまだ二冊目(一冊目は「風の歌を聴け」)だが、すぐにぐいぐいと引き込まれて、一気に読んでしまった。
 最初の半分くらいまでは、とても気軽に読めたし、「風の歌を聴け」の延長線上の作品のような、ポップでおしゃれな小説、という印象を受けた。
 この作品を読んでいて、あらゆる箇所で、私自身の青春時代を思い出したし、青春時代から青年期にかけて私自身の身に起こったことや、出会ってきた人ですでに忘れてしまっていたような出来事や、人々を思い出しながら読んでいた。
 この作品には、私自身の青春時代の体験がかなり重なっりあっているような気がして、私自身の人生をも深く回想させられた。
 そういう意味で、とても懐かしさのこもったような作品であった。
 時代背景もそういう時代を思い出させるものだったのだとおもう。
 そして、後半からは、何かミステリーを読んでいるような不思議な幻想感が漂い始めた。
 そして、どんどん、怖いお話の印象が強まってきた。
 次に何が起こるのか、怖いもの見たさで、眠るのも忘れてページをめくっていた。
 最後に徹底的に怖いことが起こるに違いない・・・と思いながら、そして、主人公の身勝手さにかなりがっかりしながら、最後の展開を待った。
 結局、決定的に怖いことは起こらなかったものの、最後の最後で、ん?
 なぜ? なにこれ?
 と、考えさせられて答えを探している。
 作者は、このミステリーの答えは、読者自身が探して、自分で見つけてくれ、
 と言っているのかもしれない。
 答えを出すことはそれぞれに任されているのかもしれないが、いろいろと考えさせられるという意味で、最後の終わり方はすごい。
 後半の4分の1くらいは、主人公の葛藤もよく描かれていて、それらにも共感させられた。
 一番よかったのは、主人公が妻に声を荒げて初めて、義父のやり方に対して、自分自身を出せて、抵抗をしたところかとおもう。

国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.204
(5pt)

評価とおり

評価とおり綺麗な商品でした。^_^評価とおり綺麗な商品でした。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.203
(4pt)

理屈では解決できない問題がそこにはある

今回の “僕”は少年時代の終わり頃、12歳からはじまる。思春期を経て、37歳の中年の僕へ・・・。
人間のもつ本能(動物的欲求、野獣性、利己主義)と理性(いたわり、人間性、知性)の葛藤を描いています。
だれも傷つけたくないが、正直に生きると避けられないときもある。
男性が読むのと、女性が読むのとではかなり受け止め方に違いがでるかもしれません。特に夫の浮気を経験したことのある女性では“嫌悪感”なるものが生じるかもしれません。あくまでもフィクションであり、人それぞれ感性が異なるので、評価も分かれると思います。初恋の女性を思う男性の内面をハルキ流のタッチで描き、とても楽しむことができました。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.202
(4pt)

一気に読ませて、あとあじ深し

村上春樹の本で、読んだのはまだ二冊目(一冊目は「風の歌を聴け」)だが、すぐにぐいぐいと引き込まれて、一気に読んでしまった。
 最初の半分くらいまでは、とても気軽に読めたし、「風の歌を聴け」の延長線上の作品のような、ポップでおしゃれな小説、という印象を受けた。
 この作品を読んでいて、あらゆる箇所で、私自身の青春時代を思い出したし、青春時代から青年期にかけて私自身の身に起こったことや、出会ってきた人ですでに忘れてしまっていたような出来事や、人々を思い出しながら読んでいた。
 この作品には、私自身の青春時代の体験がかなり重なっりあっているような気がして、私自身の人生をも深く回想させられた。
 そういう意味で、とても懐かしさのこもったような作品であった。
 時代背景もそういう時代を思い出させるものだったのだとおもう。
 そして、後半からは、何かミステリーを読んでいるような不思議な幻想感が漂い始めた。
 そして、どんどん、怖いお話の印象が強まってきた。
 次に何が起こるのか、怖いもの見たさで、眠るのも忘れてページをめくっていた。
 最後に徹底的に怖いことが起こるに違いない・・・と思いながら、そして、主人公の身勝手さにかなりがっかりしながら、最後の展開を待った。
 結局、決定的に怖いことは起こらなかったものの、最後の最後で、ん?
 なぜ? なにこれ?
 と、考えさせられて答えを探している。
 作者は、このミステリーの答えは、読者自身が探して、自分で見つけてくれ、
 と言っているのかもしれない。
 答えを出すことはそれぞれに任されているのかもしれないが、いろいろと考えさせられるという意味で、最後の終わり方はすごい。
 後半の4分の1くらいは、主人公の葛藤もよく描かれていて、それらにも共感させられた。
 一番よかったのは、主人公が妻に声を荒げて初めて、義父のやり方に対して、自分自身を出せて、抵抗をしたところかとおもう。

国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.201
(4pt)

国境の南、太陽の西

帯はなかったがカバー、本体に擦り傷、折れ傷、日焼け、汚れ等もなく満足した。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.200
(5pt)

迅速対応

今回初めて中古本の注文です!
梱包も丁寧でしたし、何よりあの安さ・・ビックリです!
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.199
(4pt)

小皇帝は、庇を借りて母屋を取る

最も村上春樹らしい1冊は、多分これかもしれない。相変わらず、私は好きになれないが、作者の個性がよく結晶した作品だと思う。1人っ子、という観点を最初に持ってきて、自分が特殊な存在で、なにかが欠落している、と主人公は思う。1951年生まれというから、これはなかなか上手い設定だ。孤独感のお膳立てが出来ている。そして、現代。中国をはじめ、1人っ子が多くなり、主人公に共感しやすい人々が世界中に溢れている。当初、例外的な少数者だったはずの主人公が、いつの間にか多数派の一員になっている。村上春樹が、現在世界で読まれていることと見事に符合する。内容もわかりやすい。1人っ子は、概して甘やかされてわがままに育つ。主人公も不本意ながらそれを自覚している。そして、村上春樹の小説では、いつものように独特の世界観が展開する。甘やかされたわがままな小説だ。そこには、サマセット・モームが「人間の絆」等で描いたような、人間存在の不可解さや、異性の吸引力に対する痛ましい心理の葛藤はない。見事なまでに欠落している。主人公は、生活に困る様子もなく、おしゃれでいつも女の子にもてる。無意味にセックスをして、自身の性器の状態にしか関心を示さない。何の苦労もないような時間を過ごしながら、孤独感や喪失感を楽しんでいる。そして、「みんないろんな生き方をする。いろんな死に方をする。でもそれはたいしたことじゃないんだ。あとには砂漠だけが残るんだ。本当に生きているのは砂漠だけなんだ」というセリフが繰り返し出てくる。この乾いた感性と、ぬるぬるとした性描写。好き嫌いが分かれるところだ。仏教の話でもするのであれば、私も共感するかもしれないが、村上春樹は宗教をバカにしている。ドストエフスキーやカフカの話をするときも、一番大事なキリスト教の視点を無視する。日本人らしいところではあるが、私には、村上春樹にかつて小説の神様ともてはやされた志賀直哉と通じるものが感じられてならない。志賀直哉は文章が上手かった。自分本位だった。世界の苦悩なんかには関心がなかった。世間をバカにした。自分の身近な出来事を重大な出来事のように書いてみせた。それでも、書いた小説はよく売れた。そんな志賀直哉を、晩年の太宰治が糾弾した。あんたには苦悩がない。
国境の南、太陽の西 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)より
4062630869
No.198
(4pt)

国境の南、太陽の西

帯はなかったがカバー、本体に擦り傷、折れ傷、日焼け、汚れ等もなく満足した。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.197
(5pt)

迅速対応

今回初めて中古本の注文です!
梱包も丁寧でしたし、何よりあの安さ・・ビックリです!
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817
No.196
(4pt)

小皇帝は、庇を借りて母屋を取る

最も村上春樹らしい1冊は、多分これかもしれない。相変わらず、私は好きになれないが、作者の個性がよく結晶した作品だと思う。1人っ子、という観点を最初に持ってきて、自分が特殊な存在で、なにかが欠落している、と主人公は思う。1951年生まれというから、これはなかなか上手い設定だ。孤独感のお膳立てが出来ている。そして、現代。中国をはじめ、1人っ子が多くなり、主人公に共感しやすい人々が世界中に溢れている。当初、例外的な少数者だったはずの主人公が、いつの間にか多数派の一員になっている。村上春樹が、現在世界で読まれていることと見事に符合する。内容もわかりやすい。1人っ子は、概して甘やかされてわがままに育つ。主人公も不本意ながらそれを自覚している。そして、村上春樹の小説では、いつものように独特の世界観が展開する。甘やかされたわがままな小説だ。そこには、サマセット・モームが「人間の絆」等で描いたような、人間存在の不可解さや、異性の吸引力に対する痛ましい心理の葛藤はない。見事なまでに欠落している。主人公は、生活に困る様子もなく、おしゃれでいつも女の子にもてる。無意味にセックスをして、自身の性器の状態にしか関心を示さない。何の苦労もないような時間を過ごしながら、孤独感や喪失感を楽しんでいる。そして、「みんないろんな生き方をする。いろんな死に方をする。でもそれはたいしたことじゃないんだ。あとには砂漠だけが残るんだ。本当に生きているのは砂漠だけなんだ」というセリフが繰り返し出てくる。この乾いた感性と、ぬるぬるとした性描写。好き嫌いが分かれるところだ。仏教の話でもするのであれば、私も共感するかもしれないが、村上春樹は宗教をバカにしている。ドストエフスキーやカフカの話をするときも、一番大事なキリスト教の視点を無視する。日本人らしいところではあるが、私には、村上春樹にかつて小説の神様ともてはやされた志賀直哉と通じるものが感じられてならない。志賀直哉は文章が上手かった。自分本位だった。世界の苦悩なんかには関心がなかった。世間をバカにした。自分の身近な出来事を重大な出来事のように書いてみせた。それでも、書いた小説はよく売れた。そんな志賀直哉を、晩年の太宰治が糾弾した。あんたには苦悩がない。
国境の南、太陽の西 Amazon書評・レビュー: 国境の南、太陽の西より
4062060817