出口のない海

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出口のない海の評価:

4.22/5点 レビュー 120件。 B ランク

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平均点4.22pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全164件 121〜140 7/9ページ
No.44
(5pt)

一般小説の分野でも、これだけの作品を書ける彼の圧倒的な筆力には、脱帽するしかない

本書は、「警察小説の旗手」、「現在のミステリー・シーンの最前線に立つ作家」といわれる横山秀雄の、畑違いとも思える戦争青春小説だ。私は、警察小説などの分野でも、横山秀雄の人並み外れた筆力の高さを見せ付けられているだけに、本書のような一般小説の分野でも、そこそこの作品は書くだろうとは思っていたのだが、本書は、そんな私の予想を遥かに上回る出来だった。本書は、間違いなく、横山秀雄の代表作の一つに入る作品だと思う。 
本書は、人間魚雷「回天」の搭乗者に選ばれ、あらかじめ死を約束された青年、並木の生きざまや心の揺れなどの描写を通して、戦争というものの持つ理不尽さや、当時の時代の異常さを、読者に強烈に訴え掛けてくる。読んでいて、やり切れなくなってくるほどだ。死を約束された回天隊の中でさえも、「修正」と称して、日常的に繰り返されるリンチ。死への恐怖と、家族を、恋人を、そして国を、自分が命を捨てて守るしかないと言い聞かせる気持ちとの間で、揺れ動く並木の心。そして、出撃前の帰郷時に、恋人、美奈子とは会わないで隊に帰ると決めていた並木が、ホームで美奈子と会い、別れるシーンは、もう、たまらない。男性の読者なら我が身を並木に、女性の読者なら美奈子に置き換え、誰もが目頭を熱くするだろう。 
生きて帰ってきた者に、「生きて帰って、申し訳ない。早く死にたい。死んでみんなのところへ行きたい」と、熱病に浮かされたように思わせてしまうこの時代は、異常としか思えない。しかし、平和な現代に生きる我々が、この時代においても、時代の流れに抗って、今の自分の考えを冷静に貫けると、本当に自信を持って言い切れるだろうか。本書は、ふと、立ち止まって、こうしたことを考えざるを得なくなる作品だ。同じ題材と同じプロットを使っても、誰もが読者にそのような思いを想起させられるものではない。横山秀雄の圧倒的な筆力に、ただただ、脱帽するしかない。 
出口のない海 Amazon書評・レビュー: 出口のない海より
4062124793
No.43
(5pt)

一般小説の分野でも、これだけの作品を書ける彼の圧倒的な筆力には、脱帽するしかない

本書は、「警察小説の旗手」、「現在のミステリー・シーンの最前線に立つ作家」といわれる横山秀雄の、畑違いとも思える戦争青春小説だ。私は、警察小説などの分野でも、横山秀雄の人並み外れた筆力の高さを見せ付けられているだけに、本書のような一般小説の分野でも、そこそこの作品は書くだろうとは思っていたのだが、本書は、そんな私の予想を遥かに上回る出来だった。本書は、間違いなく、横山秀雄の代表作の一つに入る作品だと思う。 
本書は、人間魚雷「回天」の搭乗者に選ばれ、あらかじめ死を約束された青年、並木の生きざまや心の揺れなどの描写を通して、戦争というものの持つ理不尽さや、当時の時代の異常さを、読者に強烈に訴え掛けてくる。読んでいて、やり切れなくなってくるほどだ。死を約束された回天隊の中でさえも、「修正」と称して、日常的に繰り返されるリンチ。死への恐怖と、家族を、恋人を、そして国を、自分が命を捨てて守るしかないと言い聞かせる気持ちとの間で、揺れ動く並木の心。そして、出撃前の帰郷時に、恋人、美奈子とは会わないで隊に帰ると決めていた並木が、ホームで美奈子と会い、別れるシーンは、もう、たまらない。男性の読者なら我が身を並木に、女性の読者なら美奈子に置き換え、誰もが目頭を熱くするだろう。 
生きて帰ってきた者に、「生きて帰って、申し訳ない。早く死にたい。死んでみんなのところへ行きたい」と、熱病に浮かされたように思わせてしまうこの時代は、異常としか思えない。しかし、平和な現代に生きる我々が、この時代においても、時代の流れに抗って、今の自分の考えを冷静に貫けると、本当に自信を持って言い切れるだろうか。本書は、ふと、立ち止まって、こうしたことを考えざるを得なくなる作品だ。同じ題材と同じプロットを使っても、誰もが読者にそのような思いを想起させられるものではない。横山秀雄の圧倒的な筆力に、ただただ、脱帽するしかない。 
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.42
(4pt)

正直、かなり重たかった

 まず、映画はがっかりさせられることを嫌というほど知っているので、見ていない。
 作品も、実は気が重かったのだが、何となく日本人の責務として読まなければならないような気がして手にとった。実はかなり前に、別の目的で靖国神社の資料館を訪れた際、回天の本物を見ているのだ。はっきり言って、現代の人間はまず入れまい。私は女性で平均的な体格だが、無理なような気がした。ついでに書くが、ゼロ戦も、下から石を投げても穴があきそうな感じである。
 横山作品は「半落ち」に見られるように、ちょっとお涙ちょうだいな感じがしてあまり好きではないのだが、この作品は違った。悲しみにももちろん引きずられるが、私の場合はそれ以上に、こんなものを考え出した者への怒りの感情が強かった。
 読後、しばらく気が晴れない。
出口のない海 Amazon書評・レビュー: 出口のない海より
4062124793
No.41
(4pt)

映画よりこちら

 映画より原作の方が面白いことは多々あるが、この作品も同様。
 著者の淡々とした表現が、戦争をより身近なものといて想定させる。
 特に後半が良い。空の特攻はよく知られているが、海の特攻「回天」の存在も、もっと知られていいと思う。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.40
(4pt)

「敗戰記念日」に

「人間魚雷・囘天」。
なんといふ、おぞましい響きの言葉だらう。
子供の頃、父から、かういふ兵器があつたとふ話を聞いた。
飛行機で敵艦に突つ込む「神風特別攻撃隊」には、子供心にも、まだ勇壯なイメージがあつた。
しかし、この「囘天」は・・・
主人公の獨白。
「わかつてゐる。俺たちがやるしかない。體を張つて日本を守るしかない。家族を、美奈子を、俺が命を捨てて守るしかない − 。」
數年前、鹿兒島の知覽で、特攻隊の兵士達の手記を讀んだことを思ひ出す。
讀了したのは、あたかも「敗戰記念日」。
いまの平和な日本があるのは彼らのお蔭だといふことを忘れたくない。
英靈の聲なき聲に耳を傾けやう。
そして、いま私たちに出來ることは何かを考へやう。
2006年8月15日読了 
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.39
(5pt)

伝えていくべきこと

神風特攻隊は知っていた私も、人間魚雷「回天」なるものの存在は知りませんでした。
脱出装置なしの海軍特攻隊。その操縦の難しさや、故障の多さから、実戦で効果を挙げることは少なかったようですが、そのことが一旦は「死」を覚悟した人間が本人の意思とは裏腹に生きて帰ってくることとなり、死ぬことのの意味、自分の命の使い方について深く考えるきっかけとなります。
ほんの些細な選択や、行き違いで生死が決まってしまうという展開は、まるでロシアンルーレットのゲームのようで、なぜ「並木」が…、とおもわずにはいられません。
今の時代を生きるすべての若者に読んでもらいたい書です。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.38
(5pt)

あの時代の「空気」を感じます

映画は観ていないのですが、「回天」の物語ということで読みました。
あの時代にも、こんなにも人間味にあふれた物語があったのかと、
というか、あって欲しいと、フィクションと知りつつ、
その暖かさにすがってしまいたい自分を感じながら、読み進めていましたが、
主人公の最後は、「半落ち」に似たすっぽ抜け感を感じてしまいました。
あの時代って、きっとこういうものであったのだろうと、
その「空気」を感じさせてくれる小説です。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.37
(5pt)

日本の歴史の真実回顧

決して明かされることのなかった悲劇・・。
人間魚雷。こんなことがこの100年のうちにあったなんて、今の日本では信じられない。
教科書での歴史認識の甘さを痛感する一冊。
小説らしく、主人公の生き様、恋愛模様も含めて描いているところが、読者を暗い気持ちにさせない横山さんらしさ。
重たくならずに、衝撃の歴史認識を与えてくれます。
日本人だけでなく、同じ世界の若い人にこそ読んで欲しい1冊。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.36
(5pt)

映像化は至難のワザです

第2次大戦中の人間魚雷兵器「回天」にまつわるフィクション・ノベルです。
淡々と物語りは綴られ、
特に「大泣き」したり、ドラマティックな展開があったり、
つくづく考えさせられたり、絶望的な気分になったりしません。
文字数も少なめで、1日で読みきる事も可能です。
とっつき易い、戦争小説モノ、と言えます。
でも、なぜか「心に響く」のです・・・
読み終わると、なぜか忘れられない「力がある」のです・・・
横山さんの筆力なのでしょう。
優れた短編を多く書き、根はジャーナリストだった著者の小説家としての能力が、
この作品を凡庸なモノではなく、
なぜか「心を打つ」作品に昇華させてしまうのだと思います。
まるで「シナリオ」の様な文体なのですが、
実際に映像化して、この内容を伝えるのは至難のワザであると思います。
映画をご覧になられて、本書に興味を持たれた方がいらっしゃったら、
是非、ご一読ください。
「一生心に残る」作品として、刻まれると思います。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.35
(5pt)

最後は、思わず涙!!!

最初、映画化してるけどどんな話なのかなーっと思い、買ったのですが・・・・ものすごく泣けます!!。この人達のおかげで、今のような暮らし等ができていると思うと感謝なのですがこの様な人達に生きていてほしいと思わせられます。すごく感動的で良い本なので読んで頂きたいです。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.34
(4pt)

著者の短編が好きです

一連の警察小説で著者のファンになり、ミステリーでないと知りつつ手にとってみました。
私も「回天」の存在を知らなかったので興味深く一気に読めました。後半の死を前にした登場人物達の心理描写に圧倒されました。
 が、「陰の季節」等のミステリーの短編が著者の持ち味だと思うので星4つとしました。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.33
(4pt)

悪い作品ではないが・・・

警察小説からはなれ、作者がどの様な作品を描くのか?期待と不安を持って読み始めた。
最初の80ページぐらいは後悔した。しかし、「回天」と「美奈子」が出てきてからは、物語に引き込まれ、息つく暇もなく最後まで読むこととなった。
「特殊兵器」とは名ばかりの兵器に乗り込み、「負けることが分かっている」戦争に立ち向かう。その世界観には圧倒された。
しかし、たとえば作者の他の作品と比較した場合どうだろうか?「クライマーズ・ハイ」より感動するだろうか?
また、戦争小説としてみた場合、たとえば「終戦のローレライ」を超える迫力をもち、メッセージを伝えているだろうか?私にとって、いずれも「ノー」であった。
よい作品だとは思うが、友人にすすめたくなるほどの作品ではなかった。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.32
(4pt)

死を覚悟するとはどういうことか

 甲子園の優勝投手の並木は、肘の故障で大学野球ではほとんど投げていない。だが、諦めずにリハビリをし、魔球を投げると宣言する。並木が求めた魔球とは、いままでにない変化を見せる新しい変化球のことだ。
 折しも、日本は真珠湾を攻撃し、大平洋戦争へと突入。やがて大学野球は閉鎖、大学生も召集され、並木は海軍に志願する。劣勢の巻き返しを図る海軍は神潮特攻隊の人間魚雷「回天」を考案。回天の搭乗員に野球部マネージャーの小畑が志願したと思い込んでしまった並木は、自分も志願することしたのだが…。
 果たして魔球は完成するのか? 並木が辿った末路とは!?
 出撃日が決定し、死が決められた上での数日間、前夜の送別会、出陣での心理状態とはどういったものなのか。死を突き付けられ狂態していく様、生と死を行き来する心理状態は壮絶なもので、攻撃海域に向う潜水艦の場面を読んでいるときには呼吸をするのを忘れるほどだった。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.31
(5pt)

心が痛む

戦争映画や、特に特攻隊の本などを読むたびに思います。
近いうちに必ず死ぬと分かって生きるって
どんな気持ちなんだろう。
毎日死ぬ為の訓練をして、
自分の夢も好きな人との未来も全て諦めなければならないって。
主人公は、死ぬ理由を探します。
お国の為、好きな人を守る為、友の敵をとるため・・・。
建前の理由はたくさん見つかるけど、
主人公が見つけた自分なりの理由を知った時、
胸がつまりました。
感動とか辛いとかじゃなくて、
しばらくは何も考えられないくらい心が痛みました。
忘れてはいけない事実だと思いました。
出口のない海 Amazon書評・レビュー: 出口のない海より
4062124793
No.30
(4pt)

あまりに哀しい時代のできごと

第二次大戦中,つまり戦争を扱った作品なのですが,
派手や,血なまぐさい戦闘の場面などはいっさいなく,
『死』へ向かう特攻隊員の心理や成長が描かれています.
しかしそれが,明日にも出撃しなければならない恐怖感や,
暗くて深い海から出撃する,圧迫感や緊張感を強くさせます.
そんな中,狭い艦内で『そのとき』を待つ心境は想像もできず,
『出口のない海』へ深い想いを落とす主人公には胸が詰まります.
また,ちょっと予想外のラストもとても不運でつらく,
それでも絶望と恐怖の中,残された人たちを想う姿に….
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.29
(4pt)

戦争とは何か…

 戦争は同じ戦争の時代に生きても、実際に敵と戦ったり、防空壕で過ごしたり、様々であるから、共通した戦争観を持つことはきわめて困難である。
 本書は回天の特攻隊員の主人公を中心に、物語が展開する。主人公は大学の野球部に所属していて、その日々の平穏な大学生活と激しい戦争が対照的で戦争が際立って感じた。回天についても良くわかるように書かれている。
 私が、一番印象に残った箇所は「国や両親のために、敵艦に突っ込むのではなく、「回天」を後世に伝えていくため」というところである。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.28
(4pt)

いたたまれない

甲子園優勝投手であるにもかかわらず、その後訓練中の怪我もあり投げられなくなる、ちょっとした誤解がもとで特攻を志願せざるを得ない状況に追い込まれる、敵陣に攻めるはずがそれができなくなる、なんと不運な人生であったろうか。いたたまれない思いを起こさせるに十二分だ。
出口のない海 Amazon書評・レビュー: 出口のない海より
4062124793
No.27
(5pt)

じっくりと一気に

ひたすら戦争批判を終始わめき散らすようなことはせず、
タイムスリップなど奇抜な設定の人物を登場させるようなこともせず。
この作品の中で著者は、
“戦争”と“平和” “夢”と“現実”を、その狭間で悩み苦しむ主人公達を通して
丁寧に且つ冷静に描いている。
しかし、冷静だといってもストーリー性に欠けることなく、そこに著者の力量が窺える。
私は、特攻兵やその周りの人たちの気持ちや年齢を考えると
そのあまりにも若すぎる登場人物達の苦しみに涙が止まらなかった。
是非、手にとって時間のあるときにじっくりと一気に読んでほしい。
著者の、若者達を包み込むような“想い”を感じられると思います。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.26
(5pt)

潔さが印象的

人間魚雷で特攻という、堪え難い運命に翻弄されながらも、いつも潔く、力強く生きた主人公とまわりの青年たちに、戦争ものでありながらも爽やかさをかんじた一冊でした。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622
No.25
(5pt)

回天は後世に伝えられているか

特攻といえばゼロ戦による体当たりと思いがちだが
「剣」「橘花」「桜花」「震洋」「伏龍」そして「回天」と
よくもこれだけ考え出したなと驚くような特攻兵器があった。
魚雷に操縦席を取り付けただけの”人間魚雷”回天と
青春を散らしていった若者達を描くドラマだが、
さすが横山秀夫、最後まで飽きずに読ませてくれる。
どうしてもこの手の物語は
気持ちが暗くなって読み進めるのが辛くなってくるものだが
一流の作家にかかるとこうなるのか、と感心。
主人公が「回天を後世に伝えたい」というセリフがあるが
著者はそれを見事に果たしたといえるだろう。
出口のない海 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 出口のない海 (講談社文庫)より
4062754622