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闇の梯子



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【この小説が収録されている参考書籍】
闇の梯子 (1974年)
新装版 闇の梯子 (文春文庫)

闇の梯子の評価: 3.90/5点 レビュー 10件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.90pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(5pt)

透明な美しさ

三ヶ月ほど前に初めて藤沢周平の小説を読み、それ以来、どっぷりと藤沢周平小説にはまり込んでいます。短編でも長編でも、人の心をじわっとつかんで、なにか透明な美しさの印象を残してゆくーーそんな魅力にはまっています。
この『闇の梯子』は、暗すぎると評する人もいます。ことにこの表題作は、不治の病の床につく妻をかかえて危険な仕事に手をそめてゆく主人公を描いた、暗い作品には違いないのですが、その暗さが不思議な透明感を湛えている。「入墨」にしても、「紅の記憶」にしても、凄惨な出来事を描きながら、そこに透明な旋律が聞こえる。これを文学と言わずして、何を文学と言えましょうか!
新装版 闇の梯子 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 闇の梯子 (文春文庫)より
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No.9:
(5pt)

人生のほろ苦さ

『暗殺の年輪』で直木賞を受賞する前後の、藤沢周平の初期短編集です。
表題作「闇の梯子」の主人公の若妻が病を得て、次第に弱ってゆく様子は作者の実体験を色濃く反映しています。私生活の不幸が作品に暗い色調を落としているのは、著者前期の特徴ともいえますが、人生のほろ苦さの中に柔らかな温かみが流れる藤沢作品の醍醐味が味わえます。
なかでも「父と呼べ」にはホロリとさせられます。
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No.8:
(2pt)

初期は、暗い!

直木賞受賞前後の作。5篇が収まるが、総じて暗い。特に表題作は、彫師職人の身辺に漂う不幸を描くが、最初から最後まで、離れない。読んで、気の晴れを感じることの出来ない小説である。
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No.7:
(1pt)

傷が多数。

傷が多数。残念無念。中古品?
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No.6:
(4pt)

一緒に闇に堕ちて下さい。

闇に堕ちていく人々の物語… 落ち込んでる人には、お勧め出来ません。
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No.5:
(5pt)

やはり面白い

再読、表題作も良いが。最後の紅の記憶も面白いと改めて面白いと思った。
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No.4:
(4pt)

弟子ではなく梯子

藤沢周平氏の初期作品5編を集めた短編集。
初期の作品とはいえ、藤沢周平作品のエッセンスは十分に味わえる。
「父と呼べ」「紅の記憶」が面白かった。

■父と呼べ
大工の徳五郎は、仕事の帰り道事件に出くわして、父親が物盗りで島送りになった子供・寅太を引き取ることになる。
実の子供は悪い道に嵌り込み二度と帰ってこれるかわからない。なついてきていた寅太も実の母親に連れて行かれる。
すっかりさびしくなった家でおかみさんに父(ちゃん)と呼ばせる徳五郎と、ばかばかしいよと言いながら応えるおかみさんの姿が切ない。
■闇の梯子
彫師の清次のもとにかつての兄弟子酉蔵が金の無心にやってきた。
彫師の世界から闇の世界に降りて行ったかつて尊敬していた兄弟子弥之助が頭のかげにちらつき無心されるままに金を渡してしまう。
そうこうしているうちに女房のおたみが死病を患っていることがわかり、清次も薬代のために闇の世界の仕事に手を出していってしまう。
■入墨
姉妹で飲み屋を切り盛りする店に、島帰りの父親が帰ってきた。そこに姉のお島のかつての情夫である乙次郎が帰ってくる。
姉妹の父親の気持は語られず、どんな気持ちで飲んでいたのか、不思議な読後感を持つ作品。
■相模守は無害
藤沢作品にちょくちょく出てくる海坂藩の話だが、珍しく公儀隠密の側からの物語となっている。
明楽箭八郎が十四年の海坂藩での隠密探索を終えて、江戸で見かけたのは失脚、蟄居しているはずの海坂藩家老神山相模守の嫡子・神山彦五郎である。相模守は復活しているのでは?疑問を持ち箭八郎は再度海坂藩に潜入する。
■紅の記憶
麓綱四郎は冷や飯の二男。殿岡甚兵衛の所の加津のもとに婿入りすることになっていた。
ある日、加津から呼び出しを受け、君側の肝・香崎左門についてどう思うかと問われる。殿岡甚兵衛と娘・加津が香崎左門を襲って返り討ちにあったのはそれからしばらくしてのこと。
妻となるはずだった娘のために仇を取る綱四郎の働きに感傷的になると同時にスカッとする。
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No.3:
(5pt)

市井ものもいいが、やはり武家ものは絶品!

■「父と呼べ」:
貧しき父・子の父が、盗みを働き島送りなる。残った幼子を、子のない老夫婦が養う。口をきかぬ子が「父(チャン)」と呼ぶようになった途端、母と名乗る女が現われ・・・・
非常に悲しい話である。最後泣けます。

■「闇の梯子」:
似合いの若夫婦が、妻の病が発端で闇に落ちていく・・
藤沢作品には珍しい「結末のない小説」は、非常に悲しい。読み終わった後、かなり暗くなります。覚悟のほどを

■「入墨」:
これは、別の短編集に入っていた作品。人情ものだが最後非常に清清しい。
娘を売った悪い親も、最後は娘二人の為に老いた刀を振るう。気持ちが良いい。
小説の最後はこうでなきゃ!

■ 「相模守は無害」:
藤沢作品の、「市井の人情もの」もいいが、やはり「侍もの」は絶品!
城に忍び入り、寝ている殿の口をふさいで一言。この言葉に拙者痺れた。
「よくも公儀隠密をおなぶりなされた」
実に気持ちが良い!すっきり!!

■「紅の記憶」:
非常に良く出来た作品である。面白い!侍の心に隠した喜・怒・哀・楽が何とも哀しいが心地よい。
長男とは、生まれた時から全てにおいて差別される「武家の次男坊」は、肩身が狭い。夢は美人の独り娘の婿だが話が来たのは・・・。しかし、一旦婿の話しが決まった限りは、婚姻が整わなくとも既に妻と義父。その仇を討つ。200石の婿になり損ねた「剣の立つ次男坊」が暴れる!
武家の家の小さな妹:登和ちゃんと主人公の次兄とのやり取りが非常に面白くほほえましい。また、当時の武家の子としての躾も伺える。ひとり娘との婿の話、敵討ち、次男のやんちゃぶり、長男の狼狽振り等面白み満載!

*前半の2作は暗く悲しいが、残りの3作は痛快である。
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No.2:
(4pt)

表題作以外も良い

藤沢周平氏の初期の作品を集めた短編集との事なので、イメージ的に重く暗い感じの作品ばかりが収録されているのではと思っていましたが、闇の梯子以外の作品はその様な雰囲気では無く、所謂市井の人情物であったり、藤沢作品お馴染みの海坂藩が登場する「相模守は無害」やストーリー全体のイメージから、平四郎活人剣や用心棒日月抄と自分は少しダブらせて読み進めた「紅の記憶」など、後々の藤沢作品の原点の様な作品群ではないかと感じました。まだ藤沢作品を読んだ事が無いとゆう方はこの短編集から始めてみるのも良いかと思います。
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No.1:
(4pt)

入墨

闇の梯子は、やくざ者になってしまった兄のことを心のどこかで気にしながら、生きている職人が主人公です。知り合いの職人が兄と似ているどうしようもない男であると気づくのですが、その横顔に寂しさと空しさの影を見出し、そこに兄への愛情に似た感情を覚え、男は金を貸してしまいます。そして、家庭は女房の病によって暗いものになり、自分自身もいつしか危険な仕事に手を出し始めます。そのときにふっと部屋の脇を見ると、そこには兄と知り合いが降りていった梯子が見えるような気がする。そんなお話です。やくざ者にまとわりつく寂しさと空しさの影、また人生のどうしようもない因果について考えさせられる作品だと思います。
入墨は色々な短編集に組み込まれている話で、これも心に残ります。昔自分を捨てた父が戻ってくるが、最後の最後までほとんど口をききません。だから、何を考えているかはわからないのですが、それでも最後の最後で父親の気持ちの欠片が見えるような…。言葉がないからこそ気持ちが見えることもがあるのだろうなと思いました。
新装版 闇の梯子 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 闇の梯子 (文春文庫)より
4167192519

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