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(短編集)

星への旅



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【この小説が収録されている参考書籍】
星への旅 (新潮文庫)

星への旅の評価: 4.18/5点 レビュー 28件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.18pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全28件 1~20 1/2ページ
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No.28:
(5pt)

死の心理

やや気が滅入るが、とても考えさせられた。誰でも心の何処かにあること。
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4101117020
No.27:
(5pt)

良品
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4101117020
No.26:
(2pt)

この作品で直木賞??

吉村氏の初期短編小説類は、自身のご経験から「死」に焦点を当てた暗い作品が多いように感じますが、何か元気を貰おうという気持ちで読み始めると後悔します。
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No.25:
(4pt)

くっきりと冴えた文章、冷徹な観察眼に、ぞくぞくした短篇群です。

人間の心の奥に潜むものを、冴えた観察眼によってあぶり出していく短篇群。
切れ味鋭い、乾いた文章も印象的。作品によっては、剥き出しの刃(やいば)のような切れの良さを感じました。

収録された六篇ならびに初出年月、掲載誌は、次のとおり。
★ 鉄橋──1958年7月『文学者』
★ 少女架刑──1959年10月『文学者』
★ 透明標本──1961年9月『文学者』
★ 石の微笑──1962年4月『文學界』
★ 星への旅──1966年8月『展望』
★ 白い道──1967年10月『季刊芸術』

なかでも印象に残ったのは、次の三篇。
❇️ 少女架刑‥‥‥眼前の光景を見つめる〈私〉が、死者となった十六歳の少女というところに、まず、驚きました。そして、解剖され、切り刻まれてゆく自分の体をじっと見つめるしかない〈私〉の眼差し。カーンと響く、澄んだ音を思わせる佳品です。

❇️ 透明標本‥‥‥人生への屈折した思い、ひたひたと胸に迫るもの哀しさ。松本清張の初期短篇の味わいに通じる趣を感じました。病院で死体を処理する「バラシ」という職業も、非常に印象に残ります。

❇️ 星への旅‥‥‥自殺の旅に出る少年少女を描いた短篇。主人公・圭一の心に去来する虚無感、倦怠感や、漠然とした〈死〉への誘惑めいた気持ちなど、現代にも通じる作品だと思います。〈死〉のデッドラインが迫ってくるラストのスリリングな感触も、忘れがたいです。
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4101117020
No.24:
(5pt)

死をメインテーマとした6篇の短編集です。

ドキュメンタリーを得意とする吉村氏ですが、その片鱗がここでも現れており、丁寧な描写で非常に読みやすく理解し易いです。テーマとしては重いのですが、淡々とした描写がかえってスッと入ってくる気がします。
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No.23:
(5pt)

吉村昭、恐るべし

ここ数ヶ月、吉村昭の歴史小説を立て続けに読んでいる。

デビュー当時の短編集ということで読んでみた。まず、歴史小説とは全く違う作風で、

メルヘンチックでもあり、ホラーでもあり、構想は突飛で文も美しく、深さも感じられ、吉村昭の文才に

改めて驚嘆した。いやあ只者ではない。三島由紀夫や安部公房にも引けをとらないのではないか。

『鉄橋』では、ある事故についての第三者の見方(格下ボクサーに負け、目を負傷し悲観から自殺)と、

当人のみが知っている事実(目は完治し、むしろ異常に視力感性が研ぎ澄まされていた)が全く違っており、

中途半端は知識では、本質には全く迫れないことどころか的外れになることを改めて感じた。

のちの歴史小説の描くにあたっての、真実に迫るための極めて緻密な取材活動は、

この辺りからつながっているのだろうか。

『少女架刑』にしても、視点の異常さに驚く。

全短編通して、登場人物はみんな不幸で、死というものを身近にしかも軽いものに感じさせる。

その裏返しとして、死を意識しながら、いかに生きるか、が問われている気がした。
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No.22:
(5pt)

死へのひめやかな親和

本書所収の「鉄橋」、「少女架刑」、「透明標本」、「星への旅」の著者の4つの初期短篇については、別の出版社の文庫(中公文庫など)にも収められていて、評者はそちらのほうでレビューを書いているので、ここでは本書にしか載録されていない残りの2篇についてのみ書かせていただきます。

 「石の微笑」(1962年)も初期短篇に入るものですが、墓地近くの住まいとか縊れた死体といった著者の初期の小説的モチーフがあらわれています。それらと、子どもが出来ない体だとわかって婚家から離縁させられ、いまは孤児院に寄附するために幼児服を毎日縫いつづける主人公の姉の奇妙な偏執や再会した幼時の友人に誘われておこなう佐渡の荒れ果てた土地に打ち捨てられた石仏の収集などのエピソードとあわせ、物語はいまにもなにかが起こりそうな気味悪さ、あえていえば死のにおいがひたひたと迫ってくるような不気味な気配をただよわせ、進行していきます。

 「白い道」(1967年)は、初期短篇ではめずらしく戦争中の物語です。
 そこにちょっと興味深い記述がありました。米軍爆撃機による空襲のさいの主人公の語りの部分です:

 「私は、歩きながら[敵爆撃機の]機影に視線を据えた。東京の町なかに住みついていた私は、いつの間にか敵機の姿になじんでいて、その進路・位置から爆弾落下点を推測することにもなれていた。/敵機の進行方向が、自分の立っている位置から少しでもそれていればむろん危険はなかったし、爆弾が放たれる位置が、地上から45度程度の仰角を保つ空でないかぎり、自分の体の周辺に爆弾が落下することはないことも知っていた。爆弾が落下される瞬間は肉眼でも充分とらえられた。」

 ここにあるのは、著者自身が戦時おそらくなんどもなんどもくりかえし空襲を経験するなかで得た認識にして知恵だったのでしょう。このような知恵がつくほど、どれほどその経験が頻繁だったのかもわかります。
 ともあれ評者は、戦時の空襲についてこのような記述を読んだことがなかったので、ちょっと驚いてしまいました。
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No.21:
(1pt)

読み進むうちにぐんぐん引き込まれて止まらなくなります。

たいへん興味深く読みました。本はきれいでした。しおりのひもがなくなっていましたけど。
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No.20:
(5pt)

これを読まずには、吉村昭さんは語れない

初期の作風もすばらしいです。
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No.19:
(5pt)

死は、軽い挨拶のように訪れる

以下の5つの短編が収録されています。
「透明標本」
人骨の標本をつくることを生業にしている男の物語です。
彼は白い骨の美しさに魅せられながらも、いつか透明な骨標本をつくりたいと思っています。
そのためには死んで間もない新しい遺体が必要なのですが、なかなか手に入れられません。
それでも彼は透明標本をつくる夢が諦め切れず・・・
自らの作品にこだわる執念は、芸術家のロマンティシズムに通ずるところがあり、
芥川龍之介の「地獄変」を彷彿とさせます。

「少女架刑」
少女は死後の澄みきった意識の中で、自分の体が解剖されてゆくのを感じています。
焼却炉の中で美しい焔に包まれながら、少女は自分の役割はこれで終わったと安堵します。
少女に死の静寂と安らぎは訪れるのでしょうか。

「石の微笑」
親の愛情を受けずに育った男の歪んだロマンティシズム。
負の情念は共鳴し合うのか
彼から放たれる異様な雰囲気に惹かれて行く女たち。

「鉄橋」
プロボクサーが轢死しました。
自殺と断定され、誰も疑う者はありません。
知られざる彼の心の内と、死の真相が語られます。

「星への旅」
執拗な倦怠感にとらえられた少年たち。
ふと 死 に思いを馳せたとたん、不思議に熱と活気が蘇って来ます。
『死は軽い挨拶のように訪れる』
美しくも無益な、贅沢な死
太宰治賞受賞作

「白い道」
空襲を受け焼死体の横たわる道で、一人の男に道案内を頼まれます。
男は、命の危険にあっては自分のことだけで精一杯だと語ります。

吉村昭の初期の短編集であり、後に書かれた数々の歴史小説の作風に比べるとかなり異色です。
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No.18:
(4pt)

いろいろ気になった箇所があった。

木箱が燃え崩れて、私の体は、焼却炉の中に広がった。火の色は、華やかで美しかった。初めは単純であった炎の色が、私の体に火がつくと、にわかに多彩な紋様を描き始めた。脂肪が燃えるのか、まばゆい明るい黄味を帯びた炎が立ち、時々はじける音がして、その度に金粉のような小さな炎があたりに散った
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No.17:
(5pt)

初期作品に驚きです

吉村昭さんは歴史小説作家だと思っていましたので、初期に
このような作品を書いておられたことは大変な驚きでした。
6つの短篇集ですが、どの作品も死をテーマとし、どの作品も
登場人物の心に深く入り込んでおり、嘘っぽくなっていません。
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No.16:
(4pt)

命の確かさと儚さ

読みようによってはむごたらしい内容なのだが、淡々とした筆致は初期も晩年も変わらない。
著者の一貫した姿勢と根底にある「生と死」への思いが貫かれているそれぞれの短編である。
「少女架刑」と、奇妙につながる「透明標本」など、吉村作品を通して読むと腑に落ちることが多々ある。
昔は解剖を「腑分け」と言ったが、なるほど、若い少女の遺体を特段の感慨もなくそれぞれ標本として取り出し、あるいは医学生の実習に使わせる。それを「少女自身」が見ている。
「星への旅」は満ち足りてなお生きる目的を持てない少年少女の、あまりにも命を粗末にした内容と言えばそうなのだが、どの時代もそういう類の人はいる。
読む側が試される場面も数多いが、作品は50年以上も前に書かれたとは思えない、著者のぶれない視点の確かさが感じられて圧巻ですらある。
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No.15:
(5pt)

脳裏から離れない……。

読了後2日経ちますが、未だに内容が脳裏から離れない。物凄く力ある作品かと。
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No.14:
(3pt)

初期の作品は表現がかたいようだ

昭和33年から昭和42年にかけて発表された短編6編を収録したもの。
「鉄橋」(昭和33年)
「少女架刑」(昭和34年)
「透明標本」(昭和36年)
「石の微笑」(昭和37年)
「星への旅」(昭和41年)
「白い道」(昭和42年)
の6編である。「死」をテーマにした作品が多い。最初の「鉄橋」や表題作の「星への旅」は自殺がテーマとなっている。
 「鉄橋」は死にそうもないプロボクサーが鉄橋で轢死する。自殺か事故か、その謎解きをするサスペンス仕立ての小説だ。
 また「少女架刑」は、病死した少女が献体をし、自分の身体の部分部分がそれぞれ切り取られていく様子を、あたかも少女の魂が冷静に観察している。
「星への旅」は、若い少年少女たちが集団自殺へ向かっていく様子を、その仲間の一人の目を通して見つめていく。

 吉村の作品は「漂流」「破船」「島抜け」「三陸海岸大津波」などのドキュメンタリー・タッチの作品を多く読んでいる。それらに比べるとここに収録されたものは、それ程面白いとは思えなかった。表現がくどく解りにくいと感じた。

 流石に昭和中期の作品で「ガソリンカー」などというのが出てくる。電化される以前の鉄道気動車のことか。この辺でもつい最近まで「ディーゼルカー」なるものが走っていた。国鉄に勤める親を持った友人から聞いた。
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No.13:
(4pt)

張りつめた神経、描写のこまやかさ。やっと読了です。

吉村先生の実質的なデビュー作ですので、ファンの方は必須の短編集です。先生の初期の短編集は、後半の歴史ものと違い、死を強く意識、というか、生と死がほとんど同居するようなぎりぎりの、しかし張りつめた緊張感を持った作品が多いです。この作品も、ものすごく敏感な感覚で、死の周りの微妙な雰囲気をきめ細かく描写されています。やはり、表題作の「星への旅」が一番すばらしく、若者の死への憧れ、それを、メルヘンチックにも思えるように美しい文章で描写されています。
先生の、あの崖(鵜の巣断崖)を持つ北の村への愛情は終生変わらなかったようで、津村節子先生の田野畑村への津波後の激励のコメントが3月7日の日経夕刊に掲載されていました。
「鉄橋」は好き嫌いが分かれると思いますが、汽車のシーンは鋭くとがった神経が張りつめたようで良く書けています。「石の微笑」は、悪に惹かれる女性たちの姿を描いて印象的。ちょっと時代がかってしまいました。「少女架刑」や「透明標本」はホルマリンの臭い満載です。
軽めの作品はなく、重い作品ばかりですので一気に読みきることができず、半年以上かけて読了しました。
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No.12:
(5pt)

何度も読み返し

一度読んだ本も手放し、また手にしたくて買いました。良かったです。
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No.11:
(5pt)

吉村さんの大ファンです

昔は長編を読んでいましたが、歳とともに疲れて読めなくなりました。
吉村さんは、短編にも力が入っていて、飽きません。
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4101117020
No.10:
(3pt)

吉村さんのデビュー作品でしょうか?

一気に読めました。「漂流」を読んでいるうちに、この本も良みたくなって購入しました。
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No.9:
(3pt)

"時間の経過"でしかない日常への倦怠

歴史小説等で知られる作家吉村昭(1927-2006)が死を主題にして書いた初期の短編作品。

「鉄橋」(1958年)
一人の男の死という散文的な出来事に多角的な光をあてることで、その平板化された出来事の実相が立体的に再構成されていく。

「少女架刑」(1959年)「透明標本」(1961年)
逆に人の死・屍体と云うものを徹底して即物的に描くことで、却ってそこに死の美を浮かび上がらせ、同時にそれに魅せられてしまう人間の暗い情念の存在を描出する。

「石の微笑」(1962年)
死というのは各人が背負ってきた生の在りように応じて各人の生のすぐ身近に在るものらしく、死と生の境界が実は通常思われている以上に曖昧であることが、巧く暗示されていく。

「星への旅」(1966年)
"日常"。鈍重な惰性態でしかない"時間の経過"。現代と云うのは、世界の隅々までがこうした"日常"に覆われてしまったのではないか。世界の全てが"日常"でしかなくなってしまった。過剰な"日常"。世界からは、自己の内面と結び付けられるところの内実という意味の彩りが失われる――それは同時に、自己の内面そのものの酸蝕でもある。何も無いはずのところへ向けての、何者とも名指し得ない、焦慮と倦怠。"日常"という縁の無い空虚の大穴は、既に底の知れてしまっている何を放り込んでみたところで、埋まるものではない。そこに、死と云う観念が desperate な希望と云う逆説として、少年少女の空漠たる内面に憑いたのではないか。死への憧憬、死への飛翔・・・"日常"を超越し無化する回路としての死。「然し、それは全て、ロマン主義的にその image が照らし出されている死でしかないのではないか、果してそれが死の実相であろうか・・・」そう問うてみることも可能だろうが、そもそも死の実相なるものが何らかの規定を伴って存在するということそれ自体に、意味があるのだろうか。

"これが、死というものなのか"

死すらも"日常"に内在化されてしまったら。もはや出口無しだ。生は何処までも散文的にできている。死がそうであるように。

その他「白い道」(1967年)を所収。
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