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我ら死者とともに生まれる
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我ら死者とともに生まれるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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「我ら死者とともに生まれる」 アメリカにはアルコー延命財団というものがあって、未来の医療技術による死者の再生を想定して、実際に遺体保存事業を展開している(設立は本作品の発表以前のようだ)。しかし本作品では遠い将来の復活ではなく、身近な人間がいる間の再生という着想が画期的だ。再生された死者の生活というもの自体を描いたことが斬新だが、彼らと生者の生活の接点という、これまた微妙なテーマに取り組んで、よく描いていると思う。情緒的でありすぎる生者と、対称的な死者のすれ違うやりとりが、滑稽さを感じず、薄ら寒い。主人公が情緒の淵からどう抜け出していくのかという点が読みどころだと思う。 「予言者トーマス」 カルト集団の典型というのはこういううものだろうな、という読後感の作品だ。特異な自然現象の謎解きは行われないが、人心の掌握であるとか、カルト教団の興隆、儀式、暴走、対抗組織との抗争、破綻というのがやや極端に描かれている。どこでもありそうな、誰もが陥りそうな集団と、実は空疎な指導者の物語だ。 「ゴーイング」 本人が肯定的に死に向き合って、死を選択するまでの逡巡を描いた作品だ。功成り名遂げた主人公であるので、 自分の能力や世の中への未練があるが、それをどのように折り合いをつけていくのか。彼の家族の思いであるとか、終末を迎えるための施設の様子など、深い洞察を感じる内容だ。 立方体(キューブ)という名前で登場する、故人の面影を再生し、人工知能で簡単な会話の応答ができるデバイスの着想に先進性を感じた。 | ||||
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