■スポンサードリンク


(短編集)

鬼麿斬人剣



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

鬼麿斬人剣の評価: 4.55/5点 レビュー 22件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.55pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

一話それぞれ面白く、まとめて読んでまた面白い。

時は江戸。刀鍛冶の鬼麿は、師匠の遺言を果たすための旅に出る。金に困って手早く作ってしまった駄作を、すべて打ち折るための旅だ。
十数年前の、命を狙われて鍛冶場を離れ逃げさすらっていた間のことであるが、いまだに当時の事が尾を引いており、鬼麿は旅の途中で様々な揉め事に巻き込まれる。諦めの悪い刺客も追ってくる。形見の大刀でそれらをぶった切って、次の宿場町へと向う…といったふうに、一話一話は時代劇の典型ともいえる展開をみせる。

しかし只の水戸黄門ではない。
刀を探す事は師匠の旅路をなぞることに他ならず、最後の刀に、すなわち放浪を終わらせた一本の刀に、鬼麿は師匠の決意を見出すのである。
火事にあって錆びついてしまったその一本を、鬼麿は自分の手で打ちなおす。
これが、捨てられた子供へ、拾った男からの、師匠として親としての最後の教えとなるのである。
そして鬼麿を手伝うのもまた、鬼麿が拾った子供である。

親同士の意地の張り合いから決闘になってしまう話がある。息子が語る経緯を読んでつい「しょーもないなあ!」とつぶやいたところ、頁の上で鬼麿も同じように言っていた。
隆先生は相当苦心されてこの「どこから見てもしようもないことこの上ない」揉め事を考えられたのだろうなと思った。
隆慶一郎全集第六巻 鬼麿斬人剣(第3回/全19巻)Amazon書評・レビュー:隆慶一郎全集第六巻 鬼麿斬人剣(第3回/全19巻)より
4106470063

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!