京都大原 名旅館の殺人
評判
京都大原 名旅館の殺人の評価:
3.33/5点 レビュー 3件。 - ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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京都大原 名旅館の殺人の評価:
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本名の柏井壽氏名義の一連の京都にまつわるエッセイも含蓄のあるものですが、本作の『京都大原 名旅館の殺人』はミステリーの味わいと共に、京都の魅力と登場人物の温かさが描かれており、読後感も心地よいものでした。ただ本書はミステリーの体裁をとっていますのでストーリーに関する点は省略させていただきます。
秋の紅葉の名所の大原を取り上げていました。実際はもう少し奥の「古知谷阿弥陀寺」近くの名旅館での事件を中心に本書は展開します。岩魚や水尾の柚子など、秋の味覚の素晴らしさも感じ取れるようになっていました。
旅館が舞台ですので、そこでの客サービスや設えなどの作者の思いは強く伝わってきました。ファミレスでの応対や言葉遣いと旅館の対応の差異も極端に描かれていましたが、その通りでしょう。
普段は非公開の東寺の小子房の銀杏の黄色と共生している櫨の赤との対比など、あまり知られていない寺院の紅葉の魅力も伝わってくるでしょう。
京都のグルメ情報も名を少し変えて毎回登場するのも魅力の一つです。「新福采館」の黒いラーメンを朝から食べたと言う描写も理解できるものでした。
堀川北大路上がるにある「鳳陽(ほうひ)」も同様で、一味違う普段着の京都グルメの魅力が感じられました。
京都府立大学バス停近くの鶏料理店「山屋」は柏井さんの著書にも紹介されているお店で、美味しさが文章から伝わってきます。
別の小説に登場したことがある有馬温泉の「陶泉 御所房」という名旅館も登場させています。ご主人と作者の親交があるからこその掲載でしょう。
338ページ以降の展開はミステリーと京都の歴史の魅力を繋ぐものでした。このような取り上げ方はタイムリーなものだと思っています。