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(短編集)
MISSING
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MISSINGの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全66件 1~20 1/4ページ
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kindle版をワンクリックで決済できてしまう、ワンクリック詐欺みたいなことはやめてください。 | ||||
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いつ読んでもみずみずしい作品の数々。いちばん初めのカバーが特に好きでした。 | ||||
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ピリッと来るのが唐辛子、ツンと来るのがワサビ。同じ辛さなのに、日本語とは奥が深い表現世界だと思う。 半額のシールが貼られたマグロのお刺身。家で切って食べようとするとワサビを切らしていた事に気が付く。銭形警部の出てこないルパン三世のような喪失感。子供のころは嫌っていたのに、今になってみればワサビの無い刺身は未完成だ。 でもワサビの辛さを表現するとき、もっとスッとする表現は無いものだろうか。口の中で齧ると喉の奥から鼻に向かって刺激と辛味と香りが絶妙なバランスを保ちながら通り抜ける。これを一言で表すと「ツンとくる」なんだかもったいないし、子供たちにも伝わりにくいだろう。 -------------------- 僕は手のひらを握り締めた。そこにある一本の線が、本当にその人の運命を決めてくれ るというのなら、僕は今これから神を崇拝したっていい。 -------------------- 本多孝好さんの繊細でどこか切ない描写は、その世界に一瞬でタイムワープさせる。特に、切ない恋愛小説で出てくる心境や環境の表現は、映画館の巨大スクリーンをたった一人で鑑賞しているような自分だけの世界観に浸ることが出来る。 病室の窓が開いてカーテンがなびく、著者のフィルターを通せばそれは、風の重さや季節の表情、空気の匂いで語られる。意識と無意識の間の感情すらも言葉にしてしまう。個人的にはシンプルな描写が好きなのだが、その言葉選びにはにやけてしまう。 -------------------- 夏場にはカップルに占領される土手にも、まだ涼しい風の吹くこの季節には誰もいなかった。靴底が砂利をする音と川の流れる音だけが聞こえた。川面が向かいの家の灯を映していた。 -------------------- 「MISSING」には5つの短編が収められている。生徒と教師の恋、無理心中、自殺、死んだ妹になった姉、結婚詐欺、不倫などの重たいテーマで、「死」について描かれる。 生きる者の心に半永久的な何かを残そうと死にゆく執念が、なぜか愛おしく、爽快感さえ覚えてしまう。晴れることの無い罪悪感と一緒にこれからを生きる人と、それぞれの事情があって死にゆく人。それなのに、どちらにも共感し、どちらにも同情してしまうのは何故だろうか。 -------------------- 「じゃ、さっさと出かけよう。夏は待ってくれないよ」 -------------------- 残された人が背負う荷物。その中身について正解かを判断するのは出来ないけれど、どちらにも事情があって、都合がある。背負ったモノの正体とこれから歩む道筋。どう繋いでいくかは、生き残った僕たちにしか選べない。それでも、生きていた間に徳を積んだ利子か何かで、生きる者の背中か足元かを照らして欲しいと願うのは、弱さと言うのだろうか。答えは出ずとも次の死は待ってくれない、ならば、さっさと歩き出そう。 | ||||
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勤務していていた女子高の司書の先生から30数年前に勧められて買ったのを今の今までの積ん読で、もはや積んですらいなかったものをコロナ禍の断捨離で見つけて読みました。 内容については題名の通りに登場人物が近しい人を失った人であったり、近しい人を失ったと語る人であったりと、つまり喪失の物語を集めた短編集ですが、身近な人や、身近な人の身近な人の多くが少なからず亡くなった、還暦を目前に控えた現在では、おそらく若い頃に読んだのであれば得られたであろう感興が何割も削がれている感じがしました。 | ||||
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心中、自殺、殺人?、末期癌など、死と向き合っている人や、 死を選んだ人の心情について、本人ではなく他者が思いを巡らせ る短編小説集だった。 推測なので、本人の心情がその通りだったのかは分からないが、 表面的ではなく、心の奥底にまで入り込んで推察しているのが よかった(切なかった)。 | ||||
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著者のデビュー作品含む短編集。日常を描きながら日常から少し離れたミステリー。 穏やかであったり突然であったり、死との関わりを多く表現。そこから何を感じるかはそれぞれだが、普段はあまり意識しない心の裏側に触れるような気持ちになった。 | ||||
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『眠りの海』 自殺に失敗した先生の話です。海辺で、少年と焚火を囲んでいます。「先生、それはダメだろう」という恋愛を経て、自殺を決意したんです。何があったのか話を聞いた後の、少年の推理というか想像の鮮やかさが、小気味いい感じです。 『祈灯』 内容は、大学生の兄妹と、「幽霊ちゃん」というあだ名を持つ、妹の友だちの話です。「幽霊ちゃん」は、子供の頃、妹を交通事故で亡くしていて、それ以来自分をその妹だと思い込んでいるんです。その事故の真相というか、真相のようなものが明らかになるという話です。 『蝉の証』 老人ホームにいるおばあさんに頼まれて、ある人物を調べることになります。そこから芋づる式に意外な真実が現れて……という話。これはなかなか面白いです。 『瑠璃』 小学生の「僕」が主人公です。「僕」の姉がピアノをやっていて、海外に行くことになります。家族はみんな姉についていってしまいました。お留守番をしている間、親戚のルコがやって来るんです。 このルコという女の子が、破天荒な女の子なんです。玄関から入ってこずに、窓から侵入してきたり、運転できないのに、車を運転してぼこぼこにしちゃったり。 でも、ルコがずっと魅力あふれるルコの物語ではないんです。ルコも大人になって普通の恋愛をして、普通の人間になっていきます。そうした変化が描かれます。「僕」がルコに抱いている、想いの切なさが胸に残る作品です。 『彼の棲む場所』 図書館で働く「僕」の所に、教授で有名になった友達が訪ねてきます。そうして、過去のクラスメイトの話をします。 ところが「僕」はそのクラスメイトのことを覚えていないんですね。教授の抱える悪意というか、人間の内面が描かれる作品です。こちらもなかなかいい作品です。 どれも普通の日常にひそむ謎が、さりげなく明かされるような形式なので、読みやすいですし、なかなかの驚きもあると思います。 | ||||
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短編集であり、それぞれの話が独特の雰囲気と 誤読感があり面白かった。 ただ少し厳しめに言うと登場人物の発言の影に 作者の考え方だとか思考が見え隠れして 物語を楽しもうとしてもどことなく没入できなかった。 | ||||
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デビュー作「祈りの海」を含め、死にまつわる作品5編が収録された短編集。 ミステリタッチだが、それほど謎めいてはおらず、胸があつくなるほどのせつなさを感じることはない。死をテーマにしているものの、きれい事だけで終わらせていないのは、著者の作品ならではだろう。 作品の中では、年上の従姉との交流を描いた「瑠璃」が好み。男女の成長に伴う心の変遷が、ノスタルジックな感慨を呼び起こす。 『MOMENT』から入った読者としては、物足りなさはぬぐえないが、引き続き読み続けていきたい作家さんではある。 | ||||
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「彼の棲む場所」がこの中では一番面白かったです。文章が端的というか的確な部分で終わっているのでそれが切なさをより際立たせている印象を受けました。無駄な物は切り捨てる感じ。そういう文章のお蔭か、切ない話ばかりですがサラッと読み終わりました。「眠りの海」はどうなの?って思ったけど、話が進むにつれだんだんとひねりが効いてきて唸りました。短編が作者の発表順と知って納得。短編が進むごとに内容が良くなっている感じがします。いや、隠し玉をもってデビューしたの?とか思ってしまいました。 | ||||
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タイトルがタイトルでそういうお話集めてあるから当たり前なんですけどどうしても「人死なせるのすきだねえ」と、くどく思いながら読んでました。 ちょっと心霊的なお話もあり、夏に読むのにちょうどよいです。 それぞれの話の順番としては「瑠璃」を最初に、「蝉の証」を最後に配置した方がバランスよかったのではないでしょうか。 | ||||
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いい感じです。面白い。 ネタバレしたくないので内容は言いませんが、 どの本を買うか悩んでいるなら、 これを読んでみてください。 おすすめです。 | ||||
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実は読みすぎて、すぐにヘロヘロになってしまうので、 文庫3冊目です。 本多さん、またこういう小説書いてくれないかな…と思っています。 | ||||
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祈灯 精神異常者のふりをして生きていることはどういう感情からだったのか、主人公の妹の心情や過去についても興味深い話だった。 蝉の証 死の恐怖と忘れ去られると言う恐怖、年を取ってくるとそんな風に考えるのだろうかと思った。でも死ぬとかは別として自分の体験、経験を残しておきたいと言う気持ちはある。 彼の棲む場所 誰かを殺したいと思って、殺さなくても死んでしまったとき、ラッキーだとは思わずに、もっと早く殺しておけば良かったと言う感情が理解できない。そんなに深く人を憎んだことがない。 | ||||
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思いの外良かったです。 某古本屋にて100円で購入したんですが、瑠璃や祈灯だけでも100円以上の価値がありました。 畏まってない文章も僕は好きです。 | ||||
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村上春樹の文体に似ているという書評を見て読んでみました。 確かに無機質で透明感のある感じは通じるものがあるとは思いました。 そして読み物としてなかなか面白かったです。 しかし、村上の短編に比べると読んだ後もあまり沁みるものがない。 この違いは何なのか。ストーリー性を重視するか、登場人物に焦点を当てて掘り下げる、 言い換えれば人間の本質に迫っているからこそ、村上の短編は心に沁みるのかもしれません。 | ||||
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いろんなタイプの作品が集まった短篇集。けど「ミステリー」っていうジャンル分けは不適切だと思う。むしろ直木賞とかのほうが近い。 何かをMISSINGした人たちが登場するが、そこには不思議な要素や謎も少しはあるけど、とてもリアルだ。 少しの謎解きを軸に、切なさを感じさせる作品だ。読後感はなんとも言えない不思議な感触。たまに読み返したくなる。 | ||||
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会話が多い。会話と言うよりも、対話と言ったほうがいいか。 この会話がキレイで、どこか儚い。いや、儚いから綺麗なのか。 たぶんそれは、自分には何かが足りない気がして、何かが欠けている気がして、なんとかしてそれを埋めようとしているからだろう。 ふつう、短編集を読むと、一つか二つ好きな話があって、一つか二つイマイチな話がある。 でもこの本はぜんぶの話がよかった。こんなのはじめてだ。 突出した話がなかったとも言えるが、満足満足。 | ||||
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面白い本でした。買って良かったと思っています。ミステリー系と呼ばれる小説はあまり読んだことはないのですが、おそらくその要素は薄いのではないかなと思います。表紙の絵に現れているように透き通った内容になっています。今、青春を謳歌している人は、感動を覚えるでしょうし、既にその時期を過ぎた人は、感慨深いものになるんではないでしょうか。ほどよいシリアスさがバランスも取れています。1話ごとですが、気軽に読むことができるので通勤の間に読んだりしてみるのがおすすめです。 | ||||
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「このミステリーがすごい!2000年版」第10位の作品であり、5作品が収録された短編集。初めてこの作品を読んだのは約10年前ですが、それ以来、私の趣味に”読書”が加わりました。5作品の登場人物の中に、幸福な人は出てきませんし、また、主人公自身に劇的な変化が起こるわけではないのですが、読んでいるこちらも前向きになれるラストを迎えます。本作で本多孝好さんのファンになり、その後、複数の作品を読ませていただきましたが、本多さんの作品の特徴は会話にあります。洗練された会話により、どんどん引き込まれていく感じが心地良く、読む人間を元気にしてくれるのだと思います。とてもお勧めの作品ですので、ぜひ読んでみてください! | ||||
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