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メロス・レヴェル
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メロス・レヴェルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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これは、未来の話である。文則が帰宅したのは、七時ぎりぎりだった。「また遅れて!何回言えばー」怒鳴り声を耳にしながら、文則は靴を脱ぎ捨て和代の横を擦り抜けると、リビングへ走った。父親の尚久と妹の珠希は、イライラしながら、最後の一人の帰宅を待ち焦がれていた。珠希に促され、四人は、各家庭に敷設された本人判別確認機器ー通称ーIDM−の前に素早く並んだ。尚久が、身体を屈めて両手を台の上に拡げて載せ、両目を丸い突起に当てて言葉を発した。「ID確認願います。牧尚久」家族四人全員が終了した時、壁の電子時計の針は、七時まであと20数秒を残すのみだった。月一回の家族確認の時間というのは、ファミリー法に明示されているものである。ファミリー法は、クローン法、タイムとラベル法と並ぶ二十一世紀三大法案の一つであり、この中ではタイムトラベル法だけがまだ成立していない。 その日、日本国政府のものが二人家にやってきた。「メロス・ステージ」の出場者として選抜させて頂きました。「おめでとうございます」「ご応募下さったのは、ご長男の文則様です。」「・・・パパ・・・僕と参加してくれないかな・・・」「優勝者には、賞金として百億円さしあげます。一方で当然、敗者にはそれなりのペナルテーが科せれます。レベルWまでは身体を、最後のレベルXでは、文字通り生命を託して頂きます」「メロスとなる参加者は、自分のパートナーをセリヌンテウスとして差し出し、彼を救うために他者と争うのです。」「・・・僕のために、生命を懸けるのが、恐いの?」「文則・・・もしもだぞ、俺がその・・・負けて・・・そしたらお前・・・」「だったら、僕のために頑張ってよ。僕も、パパのために一生懸命頑張るからさ」 この小説の主人公である、尚久と文則はなんと途中で負けちゃうんです。ペナルテーで振るダイスの六面にはそれぞれ、視、聴、臭、味、両手、両足と入っています。セリヌンテウスであった尚久は、ダイスによって「味と両足」を失いました。特徴でもありますが、後半はこの親子は出てきません。全体的にアイデアは面白ですが、清書が不十分です。もっと面白くできたのに残念です。 | ||||
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サバイバルゲームの勝敗の面白さを追求したエンタメなのか、 人の絆の美しさ儚さを訴える文学なのか、 感動のパワーポイントが分散した感じ。 ミステリとしては勝ち残る者の 読者の推理は絶対外れる傑作とも言える。 サバイバルゲームものとして、 味方の裏切りや敵を助けるパターンがあって、 単純な友情努力勝利の物語ではないのは捻りがあっていいが、 福本伸行 に比べると切れ味が悪い。 ゲームのルールに数学的必勝法があるかもという考察もして欲しかった。 日本政府の陰謀が前面に出て来ないのは残念。 続編でやる雰囲気ではあるが…。 | ||||
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最初のほうは結構ひきつけられていく作品なのですが、なんだかそうですね-途中から疲れてきます。第一に主人公がいつのまにか変わっていること。これはルール違反!!最後までいつまた出てくるのかと期待したのに。第二にキャラクターに重みがない。背景が大切に描かれていないから、それだけ浮いた存在になる。主人公らしい人については結構詳しかったので、勝手にその人が主人公と思っていました。違うのかな?第三に国家が背景にあり、はたまた国民全員が認知して、さらに絆と情を大切にするのを理念としているにもかかわらず、このゲームの内容はうそ臭過ぎる。設定が現実離れして、もっと無機質的なものだったらゲーム内容についても面白みがでてきたかもしれません。とたくさん書きましたが、別にすごくつまらない物でもないので、ちょっと読んでみてください。 | ||||
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「メロス・レヴェル」のようなデスゲーム小説には2つの難関があります。ひとつはゲームのシステムをいかに「ありそうに」書くか。もうひとつはゲーム性を超える読書の喜びをどうやって読者に与えるか。 この小説、システムは面白い。人間関係の強弱で争う情緒的な日本型デスゲームに、湿っぽいこの国の空気を感じました。宿泊施設や会場の設定、非人間的に描かれがちな担当官にいささかの個性を与えたあたり、うまいもんです。 ただ、この小説には大きな傷があります。途中で話者が変わってしまう。恐らく読者に意外性を与えることが目的なのでしょうが、これはダメ。小説ではないものになってしまう。システムそのものに本質が宿るゲームと違い、行き当たりばったりなキャラクターの交代は反対です。文学でなくなるから。小説の自律性は筆者といえど、壊すことはできないのです。少なくとも、担当編集者はそのことを作者に教えてあげるべきでした。 作家は後半もがんばって書いているのに、もったいなかったですね。 | ||||
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