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メロス・レヴェル
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メロス・レヴェルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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これは、未来の話である。文則が帰宅したのは、七時ぎりぎりだった。「また遅れて!何回言えばー」怒鳴り声を耳にしながら、文則は靴を脱ぎ捨て和代の横を擦り抜けると、リビングへ走った。父親の尚久と妹の珠希は、イライラしながら、最後の一人の帰宅を待ち焦がれていた。珠希に促され、四人は、各家庭に敷設された本人判別確認機器ー通称ーIDM−の前に素早く並んだ。尚久が、身体を屈めて両手を台の上に拡げて載せ、両目を丸い突起に当てて言葉を発した。「ID確認願います。牧尚久」家族四人全員が終了した時、壁の電子時計の針は、七時まであと20数秒を残すのみだった。月一回の家族確認の時間というのは、ファミリー法に明示されているものである。ファミリー法は、クローン法、タイムとラベル法と並ぶ二十一世紀三大法案の一つであり、この中ではタイムトラベル法だけがまだ成立していない。 その日、日本国政府のものが二人家にやってきた。「メロス・ステージ」の出場者として選抜させて頂きました。「おめでとうございます」「ご応募下さったのは、ご長男の文則様です。」「・・・パパ・・・僕と参加してくれないかな・・・」「優勝者には、賞金として百億円さしあげます。一方で当然、敗者にはそれなりのペナルテーが科せれます。レベルWまでは身体を、最後のレベルXでは、文字通り生命を託して頂きます」「メロスとなる参加者は、自分のパートナーをセリヌンテウスとして差し出し、彼を救うために他者と争うのです。」「・・・僕のために、生命を懸けるのが、恐いの?」「文則・・・もしもだぞ、俺がその・・・負けて・・・そしたらお前・・・」「だったら、僕のために頑張ってよ。僕も、パパのために一生懸命頑張るからさ」 この小説の主人公である、尚久と文則はなんと途中で負けちゃうんです。ペナルテーで振るダイスの六面にはそれぞれ、視、聴、臭、味、両手、両足と入っています。セリヌンテウスであった尚久は、ダイスによって「味と両足」を失いました。特徴でもありますが、後半はこの親子は出てきません。全体的にアイデアは面白ですが、清書が不十分です。もっと面白くできたのに残念です。 | ||||
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あの有名な太宰治の「走れ、メロス」を題材にした、近未来サスペンス。舞台は未来の日本、人々の絆が希薄となり社会問題化していた。さまざまな対策を講じるもうまくいかず、ついに政府主導でメロス・レヴェルと呼ばれる絆の強さで人々が戦うサバイバルゲームが施行される。人を信じたり思いやったりするということがどういうことなのか、改めて考えさせられる。これを読んで、私たちが周りの人々をどれだけ信じているのか今一度考えてみてはどうだろうか。 | ||||
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サバイバルゲームの勝敗の面白さを追求したエンタメなのか、 人の絆の美しさ儚さを訴える文学なのか、 感動のパワーポイントが分散した感じ。 ミステリとしては勝ち残る者の 読者の推理は絶対外れる傑作とも言える。 サバイバルゲームものとして、 味方の裏切りや敵を助けるパターンがあって、 単純な友情努力勝利の物語ではないのは捻りがあっていいが、 福本伸行 に比べると切れ味が悪い。 ゲームのルールに数学的必勝法があるかもという考察もして欲しかった。 日本政府の陰謀が前面に出て来ないのは残念。 続編でやる雰囲気ではあるが…。 | ||||
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……皆さん、すごーく真面目にこの本を読まれたのだな。 私は読み始めてすぐに、2作目はコメディで来たか、と思った。究極の少子化対策及び家族の絆を強める(ここでまず笑いが出ないだろうか)ために、国の主催で「アメリカ横断ウルトラクイズ」(古いね、私も)が開催されてしまうのだ。「走れメロス」がとんでもなく美化されていて、それを軸にゲームが展開される。当然、国家が主導でやるのだがら、罰ゲームはとてもえげつない。よく「命にかえても守りたい相手」とかいう言い方をするが、さて皆さん、「視力と引き換えに」とか「両足の自由と引き換えに」、「味覚と引き換え」と言われたら、どうなさいますか?私は絶対に嫌だね。 コメディとしてではなく、真面目にちょっと面白かったのは、性欲の減退、それによる晩婚化、子どもを持たないという選択を「人類としての進化」と表現していることで、これはある意味、いいところを突いているような気がする。 後半の、最後の2組が人工島を周回しながら走る場面が少々長すぎて退屈したので、星1個減。 | ||||
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いわゆるサヴァイバル小説。 結構好きなジャンルなので色々読んできたが、これは酷い。 まず、文が稚拙。視点がころころ変わり、今誰の視点で書かれているのかがわかりにくい。 (何度戻って読み返したか…) キャラクターがたっていない。名前だけあっても印象がないので、「これ、誰だっけ」となる。 途中で主人公が変わる。何か仕掛けでもあるのかと期待したが、何もなし。 リアリティがない。(もっと大仕掛けでも成功している小説は多々ある。ジャンル的なものではなく、細かい設定やバックグラウンドのなさが致命的) 自分たちの振るサイコロの出目でペナルティが決められていくというアイディア自体は面白い。また、走れメロスを下敷きにするなどの設定も悪くはない。しかし、これだけで長編を支えられるかといえば、疑問が残るところ。文章能力のある作家さんが、短〜中篇くらいで書き上げていたら、傑作になったのではないだろうか。 素人さんの作品として読んだならば、まあ、面白いんじゃないの、で許せるレベルだが、プロとしてお金を取っている以上、これは酷いとしか言いようがない。これでゴーサインをだした出版社にも怒りを感じる。小品だがいい作品を読ませてくれる出版社なだけに残念でならない。 もしサヴァイバル小説が読みたくて探している方。他にもっと面白い作品がある。ライトノベルでもお金と時間を払うだけの価値があるサヴァイバル小説があった。こだわらずに探してみて欲しい。 | ||||
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設定はとてもよく出来ているのだが、各章、核心に着く前までがとてもまわりくどい書き方で途中で飽きてしまいます。また各章のクライマックスが終わった後、尻切れトンボ・・・。また、終盤でで主人公が変わってしまうのはなぜ?せっかく設定がいいのにもったいないです。私はこの書き方は好きにはなれません・・・。残念です・・・。 | ||||
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名作「走れメロス」を話の根幹におき、友情や愛情など今の人間に薄くなってしまった部分を取り戻すために国家主体のゲームが繰り広げられる。敗者はからだのいちぶを失うのだがそのシーンが何ともつらい。そして人々はそれぞれ大切な物に気付いてゆく。 しかし、一番僕が感じたのはこの現実世界に於いてはこのようなゲームがどんなに一大イベントとして主催されても心動く人間はたいしていないと思った。 | ||||
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最初のほうは結構ひきつけられていく作品なのですが、なんだかそうですね-途中から疲れてきます。第一に主人公がいつのまにか変わっていること。これはルール違反!!最後までいつまた出てくるのかと期待したのに。第二にキャラクターに重みがない。背景が大切に描かれていないから、それだけ浮いた存在になる。主人公らしい人については結構詳しかったので、勝手にその人が主人公と思っていました。違うのかな?第三に国家が背景にあり、はたまた国民全員が認知して、さらに絆と情を大切にするのを理念としているにもかかわらず、このゲームの内容はうそ臭過ぎる。設定が現実離れして、もっと無機質的なものだったらゲーム内容についても面白みがでてきたかもしれません。とたくさん書きましたが、別にすごくつまらない物でもないので、ちょっと読んでみてください。 | ||||
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「メロス・レヴェル」のようなデスゲーム小説には2つの難関があります。ひとつはゲームのシステムをいかに「ありそうに」書くか。もうひとつはゲーム性を超える読書の喜びをどうやって読者に与えるか。 この小説、システムは面白い。人間関係の強弱で争う情緒的な日本型デスゲームに、湿っぽいこの国の空気を感じました。宿泊施設や会場の設定、非人間的に描かれがちな担当官にいささかの個性を与えたあたり、うまいもんです。 ただ、この小説には大きな傷があります。途中で話者が変わってしまう。恐らく読者に意外性を与えることが目的なのでしょうが、これはダメ。小説ではないものになってしまう。システムそのものに本質が宿るゲームと違い、行き当たりばったりなキャラクターの交代は反対です。文学でなくなるから。小説の自律性は筆者といえど、壊すことはできないのです。少なくとも、担当編集者はそのことを作者に教えてあげるべきでした。 作家は後半もがんばって書いているのに、もったいなかったですね。 | ||||
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本書は近未来の日本を舞台としたサバイバルサスペンス。毎月1回第2日曜日にファミリーデーとして夜7時には家族が揃わなければならない法が定められた中、政府公認の「メロス・ステージ」が始められることとなった。10組の出場者が2人1組でステージに挑み、小説「走れメロス」のような結びつきがなければ生き残れないサバイバルゲームだ。最終勝者には100億円を分割か50億円を一括で受け取る権利が得られ、敗者には生命を託すというペナルティ。そして出場の10組によるメロス・ステージがいよいよ始まった……。 デビュー作「そして静粛の扉を」を読んだ時に「バトル・ロワイヤル」に非常に似た作品だとは感じましたが、こちらの「メロス・ノヴェル」の方が中身は似ていました。……とい!!っても、スリリングさを十分に感じさせましたし、レヴェルが上がる度の緊迫した闘いと敗者のペナルティは読んでいても緊張感が伝わってきます。ただし「そして粛清の扉を」もそうでしたが、欠点も目に付き、ネタバレになるので詳しく書けないもののレヴェル3での下のジャージを脱ぐことはルール上不可能でしょうし、応援する観客や家族の心境や参加者の思惑などが曖昧になっていた部分もあり、テーマとしては面白い舞台設定ではあるものの、その展開に細かさをもっと配慮してほしかったとは思います。しかし最後まで目が離せない展開が続いたことと、参加者の家族や絆についての在り方は読みごたえがありましたし、欠点をカバーしていたように思います。とにかく次作にも期待したいです! | ||||
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俗受け狙いの駄作『そして粛清の扉を』に継ぐ著者の二作目ですが、本作も進歩の「し」の字も見えない駄作です。一般的に言うと、物事の解決方法には「人を物理的に傷つける」ことしかないという著者の思考の低級さに問題があるのですが、文学的に言えば、「人を傷つける」ことの(道徳的ではなく文学的な)意味の追求を避けようとする著者の未熟な態度そのものに内容以前の問題があります。世の中には(例えば「スコットランドの処罰史」的な)アカデミックかつマニアックな内容を持つ学問書が多数出ているのですから、この著者にはそういう本を多く読みこなし十二分に勉強した上で著作を世に問うという商業作家としての基本中の基本を早く身につけて欲しいと思わずにはいられません。 | ||||
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