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むかし僕が死んだ家の評価:
6.83/10点 レビュー 12件。 B ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点6.83pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
不気味で、かなり重たい話
本書を初めて読んだのは、私が高校生のときでした。そのときの印象はかなり不気味な物語というものでした。特別ホラーチックな凄惨な描写はありません。主人公が、昔付き合っていた彼女と共に、廃屋のような長年使われていない家を訪れ、その家で何が起こったか、推理していく話です。かつてその家に住んでいた少年の残された日記を手がかりに、この家の住人が、なぜいなくなったのか、かつてその家にいたはずの主人公の元彼女がなぜ小学校以前の記憶を失ったのか、徐々に繙いてゆきます。物語の大半が、電気の通っていない廃屋のような家にいるためか、かなり暗い内容でした。そして、〇〇という本書のテーマは、かなり重たいものです。ミステリ小説の多くは、作中に日記が出てきた場合、そこに手がかりが仕掛けられていることが多いので、まだ未読の方は注意深く読むことをお勧めします。ミステリ要素もあり、ホラーの要素もあり、かなり良い読書体験でした。久しぶりに読み返し、断片的にしか覚えていなかった内容を思いだしました。やっぱり、読み返すことも大事ですね。時折、この家を出よう、でもやっぱり戻ることにしようという流れがくどいことと、物語終盤の、主人公の元彼女が異常なほど、主人公に詰め寄る態度が、少しマイナス評価でした。暑い夏に少し涼しい気分を味わいたい方は是非。
知らなくてよい事とは人生の真理か
本書はある家で何が起きたのかを残された手がかりで解き明かす男女2人の物語。しかしその家には女性の失われた過去が関係している陰惨な事件が隠されていた。一枚一枚皮を捲るかのように散りばめられた手がかりによって次第にその家で何が起こったのかが明かされていく。その過程は非常にスリリングだ。読書というものは不思議なもので、こちらが意図していないのに同じようなテーマを扱った作品を続けて読む、そんな不思議なことがよくある。まるで神の導きによって吸い寄せられているかのような錯覚を覚える。本書もそんな奇縁を感じることがあった。というのもこの前に読んだ篠田氏の『原罪の庭』で取り上げられていた幼児虐待がテーマとして扱われているからだ。虐待はそれをする親が過去に虐待をされていた経験を持つという負の連鎖から沙也加は自分が実の娘に虐待めいた酷い仕打ちをするのは自分も虐待の経験があるのではないかと疑い、自分が小学校以前の記憶が一切ないことに愕然とし、その記憶を辿るために亡き父が残した地図に示された場所に向かうというのが本書の発端だ。以前も書いたがこの90年代というのは“自分探し”というのが一つのブームになった時期でもある。“自分探し”というのは文字通り自身の足跡を辿り、自分がどんな人間なのかを探ることも指すし、心理テストを行い、自分の願望や性格をその結果から客観的に知るという手法もまた自分探しの一環であった。当時『それいけ!!ココロジー』に代表される心理ゲームの番組が非常に流行っていた。そして東野氏もこの頃人間の心をテーマにした謎に関心があり、『宿命』、『変身』、『分身』など人間の心理もしくは人間そのものの存在をテーマにした作品を著している。本書はその一連の作品群の中の1つといってもいいだろう。しかし失われた記憶を取り戻した暁には常に苦い思い出だけが残る。知らないままにしておいた方がいいこともある、一連の作品で東野氏はアンチミステリとも取れる宣言をしているかのように思える。なんとも謎めいた題名『むかし僕が死んだ家』。アイリッシュに「わたしが死んだ夜」という短編があったが、あれに比肩する魅力的な題名だ。しかしこの内容はロジックで得心するものではなく、感情に訴える観念的な意味が込められている。成長する過程で誰もが何かを失っていく。それは知らないでおればよかったものとも云える。本書を読み終わったとき、結城昌治氏の『幻の殺意』を思い浮かべた。今まで生きてきた人生とはなんとも危ういバランスで成り立っており、それは一種の幻のようなものなのかもしれないとその作品では語られているが、本書の底に流れるメッセージも共通している。今までの作品でも東野氏の作品は読後何か苦いものを残していたが、本書ではそれがいっそう濃く感じた。感情の層のもっと深いところにある部分をテーマに持ち出した作品、そんな風に感じた。300ページ足らずの佳作だが、心に残る思いは思いの外、苦かった。 ▼以下、ネタバレ感想
かつて誰かが生きてた家
幼少期の記憶を一切失っている沙也加は父の遺品から謎の地図と鍵を見つける。 父が秘密裏に通っていたその場所に行けば自身の記憶が取り戻せる―――沙也加の元恋人である「私」は彼女と二人その家に足を踏み入れた・・・。 流石東野圭吾と言いたくなるようなきっちりした構成です。 登場人物二人、舞台はむかし家だった場所、それ以外に範囲を広げることなく過去の事実を基に謎解きをしてゆきます。 無駄な展開がほぼ無く、異様な真実がいつ明かされるのだと読んでいて緊張感がすごかったです。 傑作とは呼べませんが特異な雰囲気には一読の価値あり。★は7つ!! ▼以下、ネタバレ感想
むかし僕が期待した本
▼以下、ネタバレ感想
むかし僕が死んだ家の感想
タイトルを見て買いました。少年の日記から過去の出来事が少しずつ明らかになってくる展開は面白かったし、判明した事実もゾクッとするところがありました。ただ、文章が簡単なのがわかりやすい反面、物足りなくも感じるのです。
本書を初めて読んだのは、私が高校生のときでした。そのときの印象はかなり不気味な物語というものでした。
特別ホラーチックな凄惨な描写はありません。主人公が、昔付き合っていた彼女と共に、廃屋のような長年使われていない家を訪れ、その家で何が起こったか、推理していく話です。かつてその家に住んでいた少年の残された日記を手がかりに、この家の住人が、なぜいなくなったのか、かつてその家にいたはずの主人公の元彼女がなぜ小学校以前の記憶を失ったのか、徐々に繙いてゆきます。
物語の大半が、電気の通っていない廃屋のような家にいるためか、かなり暗い内容でした。そして、〇〇という本書のテーマは、かなり重たいものです。
ミステリ小説の多くは、作中に日記が出てきた場合、そこに手がかりが仕掛けられていることが多いので、まだ未読の方は注意深く読むことをお勧めします。
ミステリ要素もあり、ホラーの要素もあり、かなり良い読書体験でした。久しぶりに読み返し、断片的にしか覚えていなかった内容を思いだしました。やっぱり、読み返すことも大事ですね。
時折、この家を出よう、でもやっぱり戻ることにしようという流れがくどいことと、物語終盤の、主人公の元彼女が異常なほど、主人公に詰め寄る態度が、少しマイナス評価でした。
暑い夏に少し涼しい気分を味わいたい方は是非。