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マリアの涙



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【この小説が収録されている参考書籍】
マリアの涙

マリアの涙の評価: 9.00/10点 レビュー 9件。 Aランク
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マリアの涙の感想

好みのミステリとは違う分野でしたが、
馴染みのないカトリックの話など興味深く読み楽しめました。

新進気鋭の彫刻家、藤原道生が作成したレプリカのピエタの像が破壊されて落ち込む中、
マリア様のお導きによりレプリカではなく新たなピエタ像の制作を始める。
が、それから数日後、自宅で死んでいるのが発見された。
ピエタの像は何故破壊されたのか。また道生は殺されたのか。
それともピエタの像を作成する事の苦悩からの自殺なのか。事件の謎が発生する。

ミステリの事件の提示が行われたあとは、
ピエタの像やマリアについてのカトリック、プロテスタントの宗教感を感じる内容でした。
バチカンにてピエタ像を実際に見たこともあったので、
当時を思い出しながら本書に書かれている教養を興味深く読みました。

事件や登場する人々の行動や事象が論理的はなく超常的で、
マリアの啓示や奇跡であると感銘を受けながら解決していく様子は共感し辛く、
好みのミステリとは違うものでした。
クリスチャンの方が読むとまた違った感想を抱かれると思いました。

読み終わって思う所は、この本はマリアに対する新説を世に広める為の物語だという事でした。

作中の真理夫が語るように日本における信徒数は人口の0.35%の45万人とわずかですが
その背後には世界約11億人の信徒のいるカトリック教会が控えている。
信徒にとって、いままで信じてきたマリアを否定する行為はとても危険な行動です。

表だっては伝えられない内容を小説の形を借りて伝えたかったのだと思いました。

元々のマリアの啓示や奇跡の知識が自分になかったので、
そうだったのか。と新たな驚きにはならなかったのが残念です。

道生や真理夫の行動が歴史を参考に表現していて楽しめる所だと思うのですが、
自分自身、神学について知識が足りない為、理解がむずかしく感じる所が多かったです。
読後にyoutubeを見たりwikiを見直してみて理解した事もあるので、
ある程度の予備知識を持ってから読むと良い本だと思いました。

似た本として、映画にもなったダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』がありますが、
あれは信徒でなくても目に触れ、馴染みのあるモナリザや最後の審判の絵画を扱ったので
信徒でない読者でも入りやすかったのですが、
本作はマリアの啓示や奇跡を扱う為、
予備知識の頭で感じるか、経験がないと難しい本だと思いました。

egut
T4OQ1KM0

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