気が弱く、口べたで、ぱっとしない中年の男。

ささやかな、けれどかけがえのないクリスマス。

「これこそ、ジムにふさわしいわ。

超豪華寝台特急「北斗星」に乗って旅立つグルメツアー。今度の殺人事件は秋の屈斜路湖のほとりで。

ニューヨークはまるで妖怪のような都市だ。ここでは何が起きても不思議ではない。

艶麗な舞姿で絶頂を極める日舞の名花芳沢胡蝶。198X年、新年の挨拶がわりにシリウスからねらわれたのは、胡蝶の命。

観光客で賑わう清水寺・音羽の滝で三十代の華やかな感じの女性が死んだ。

北陸・金沢駅に前後に到着した名古屋発「しらさぎ7号」と上野発「白山1号」から男女の死体。驚愕のダブル殺人の幕は上がった。

奔放な愛に生きるホリー。その魅力を、ロマンチックに、そして鋭く描き出したカポーティの傑作。

死んだ夫はもう一つの顔があった―。次々と明らかになる事実を前に女は決心する。

愚かにも悲しい女の愛が紡ぎ出す運命の糸。物語は父の過去と息子の未来が交錯する宿命の地点へ…。

『伝奇集』はアルゼンチンが生んだラテン・アメリカ文学の旗手、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの代表作である。

「お前の俳句は盗作だ」人気評論家・鏑木を告発した老人が、二日後ホテルで惨殺された。

長崎の旧家で、長男の婚約披露パーティーの最中に、館の主人が「ふみえに…」の言葉を残して死んだ。

やりきれない夏の日、少年は少女に出会った。青春の感傷を乾いたユーモアで包んだ新時代の俊英、待望の書下し長編小説。

従三位の位を持つ二条夕霧麿警部は、即位の礼の警備のため、特命で、公安警備の責任者に抜擢された。

伊達政宗を遠祖に持ち、馬術とピストルの名手である伊達順之助。

H・M・C(ヘヴィ・メタル・カフェ)という名の朽ち果てた店に集う若者たち。音楽と単車(バイク)、暴力と薬(ドラッグ)。

東京、冬。出版記念会の席上に届けられた一本の真紅の薔薇から、惨劇の幕が開く。

作家たちが集まるパーティで釣部渓三郎は美女と知り合い、誘われるままに一夜を共にした。

殺された男が死亡推定時刻に電話をかけていた。その男は四年前の謎の焼死事件にも関与していたことが判明。

厳寒の黒部、スキーに来ていた娘の目前で父親が忽然と消えた。

北海道のハメット大学日本分校に通う従弟・柏木太陽に恋占いを頼まれ、日美子は友人たちとライラックの香る札幌へ飛んだ。

時は第二次大戦開戦前夜。緊迫する国際情勢の陰で次々と起こる不気味な殺人事件。

美奈―完璧な女の子だった。水着の跡さえない陽に焼けた肌。

有明海三角湾で東京在住の画家大田垣信也が水死体で発見された。熊本県警は他殺とみて警視庁に応援を求めた。

ラジオの深夜放送のリクエスト葉書で〈祝日に殺人の列車が走る〉という十津川宛の挑戦状が届けられた。

「泥濘荘」の住人が次々と殺されていく…。気鋭の新人が読者に仕掛ける二重三重のトリック。