時は明治。銀座は南紺屋町に「静修館」という古いけれど居心地の良い下宿屋がある。

「しずくは観覧車に乗りたい」富豪の夫人に売られてゆくことが決まり、最後の願いを口にした見世物小屋の人魚は、観覧車の客車から泡となって消えた。

安西検事の口から語られるロータスとの因縁。そして大怪盗の思惑が、高広と礼を巻き込んで交錯する。

昭和30年代の新宿、珈琲店の二階に住む美しき青年・水上櫂が開いたその探偵社は、「雨の日だけ営業する」そう噂されていた―。

宇宙技術振興推進株式会社――通称STeP。

ある日萬朝報に載った『記憶に自信ある者求む』という求人広告。

百物語怪談会に潜む悲しい真実。

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。

ヨーロッパを巡業中の曲芸一座で、敏腕の番頭として名高い孝介と料理上手の新入り・晴彦。

知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。

海に浮かぶ街、ヴェネツィア。 この地で友を亡くし、同じ悲しみを知る君と出会った。

とある代議士夫人の影が盗まれた。にわかには信じ難い事件の調査を頼まれた高広と礼は……。