武州壬生を訪れた十兵衛は、旧知の町奉行が理不尽な「敵討ち」により落命したと知る。

働くばかりが能でなし、たまには羽も伸ばしたい。

関東一帯で次々と発生する事件を、時に叡知で、時には豪剣の冴えで解決し、悪党どもには「強面」の印象が強い我らが桑山十兵衛も、小石川同心町の自宅に戻れば一介の御家人。

上州玉村で道案内が殺され、下手人の定次郎が逃走した。

関東取締出役、通称八州廻りの桑山十兵衛は悪党どもを追いかける毎日だ。

関東取締役出役―関八州の悪党者を取り締まる通称“八州廻り”の桑山十兵衛は男やもめ。

水戸・徳川家と会津・松平家の間になにやら秘密があるらしい。桑山十兵衛にその秘密を探れとの密命が下った。

お役目とはいえ、今日も“八州廻り”の桑山十兵衛は関八州を駆け巡る。尽きることのない悪党、難事件…。

悪は必ずしも悪ならず。松戸と下総の二つの一家惨殺事件。

立花平七郎は懇意の酒屋での聞き酒会の最中、巾着切りの少年を捕らえた。