劇盗二代目日本左衛門
- 怪盗 (98)
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佐藤さんの本は文句なく好きです。 このシリーズの中でこれを買い忘れていたので 慌てて読みました。 十兵衛さんが上役に右往左往させられながら それでも落ち着くところに落ち着ける その手腕がやっぱりかっこいいですね。 | ||||
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シリーズ一作目二作目は読み切り形式。しかしこの三作目から、少し話が横に広がって行く。 この作品は関八州といわれた今の関東地方が、江戸時代どういう状況であったのか? 風俗文化を知る上でも面白いし、主要な事件解決の話はもっと面白い。 出来れば順番に読んでいくのがいいと思います。 | ||||
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佐藤雅美作品は基本的に上手いのですが、どうも上手い作品というだけでは捉えきれない、グニャグニャとした部分があるような気がします。 本書は八州廻り桑山十兵衛を主人公にした連作シリーズの3作目に当たります。 相模、武蔵、上野、下野、安房、常陸、上総、下総からなる関八州の村々を廻りながら、無宿長脇差、犯罪者を捕まえるのが八州廻りの役目です。相手が荒っぽいため、危険も多い職業といえます。 その一方で上手くやれば実入りも多い職業だったみたいです。 捕まった無宿の「護送費用は捕まった村、あるいは事件の起こった村の負担」(本書11ページ。本シリーズでは再三強調されている)になります。この費用が大変なもので、村では見てみぬ振りをするようにしたり、あるいは八州廻りに鼻薬をかませて見逃してもらう(過去のシリーズにそういう描写あり)ということもあったみたいです。 黒澤明の『用心棒』で街の中で対立する2つのグループが八州廻りが来た時だけ仲の良いように装い、賄賂を渡すというシーンがありますが、あれはかなり忠実に描いていたのだと本シリーズを読んで思いました(八州廻りは駕籠に乗って廻村してはいけないのだが、用心棒でもちゃっかり乗っていて、それを揶揄する台詞があったと憶えている)。 このシリーズの主人公桑山十兵衛は剣は「天真一刀流」の遣い手で、実務能力も高いのですが、上役と反りが合わない事が多く職場を何度か替えています。このあたりは作者の書いている別のシリーズ『物書き同心居眠り紋蔵』と似ています(能力はあるが、他の欠点で今の職にあるという点)。 しかし『八州廻り』は、関八州を駆け巡る捜査職なので、行動範囲も広く、犯人追跡や上役、道案内、博徒、無宿、その他との駆け引きも多いため、『居眠り紋蔵』よりも動きのあるものになっています。 本作には二つのストーリーの柱があります。一つは幾つかの村で「組合」を結成して、護送費用を分担させようというプランを「突っ込んで練る」(本書13ページ)事。そもそもこれを提案したのは十兵衛自身なので、実務能力の高さが窺われます。もう一つがかつての大泥棒日本佐衛門の盗みに酷似した手口を見せる怪盗団の捕縛です。 本作の最初の短編『大山鳴動して馬一匹』というのはタイトルの通り、ほとんど事件という事件はなく、それで40ページ以上持たせてしまう作者の腕に驚いてしまうのですが、後からすれば既に伏線が張られたりしているのに驚きます(またさりげなく組合村を作るにあたっての問題点も書き込んでいます)。 十兵衛は廻村先での事件を片付けながら、これら2つについてもあれこれやっています。もしくはあれこれやっているうちに事件に遭遇するというのが正しいのでしょうか。複数の事件を同時に扱うというのはちょっと『フロスト警部』シリーズを思わせるモジュラーなストーリー展開といえます。 物語が進む毎に徐々に真相に近づいていきます。いつの間にか、スルスルと作品にはまり込んでいきます。所々に理不尽な事に反発する(で、周りが見えなくなる)主人公の性情が現れ、それが物語を面白くしています。 いつも通り一筋縄ではいかないストーリー展開です。シリーズを重ねても、平板にはならず(悪い意味でのルーティーンがない)、ストーリーの陰影という面にも効果をあげているので、そういったところになんとなくグニャグニャという印象を受けたんだと思います。 このグニャグニャあっての佐藤雅美。 | ||||
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