塾講師・光一のアパートの部屋の前が泥だらけになった。周囲には不自然なタイヤ痕。

夫と二人で暮らしながら、虐げられる隣家の老犬トウマに想いを馳せる三十歳の蒼子。

高速道路で運搬トラックが横転し、一匹の豚、トンコが脱走した。

ヘタレサラリーマン男子・山本くんが飛ばされたのは、元上司のバリキャリ鉄拳女部長・経塚さんの想い出の地である、地霊が息づく土地・北陸福井。

高齢者福祉に力を注ぐA市。

東京都の果ての美しい島。少女、椰々子は、死者を通し預言を聞く力を持ち、不吉だと疎まれている。

時は天正6年。

フリーライターの舞は不妊が原因で離婚し、アパートに引っ越してきた。

壊れた幼女の墓から、そこで眠っているはずのない二人の子供の遺体が発見される。

さまざまな怪異が日常に潜む、“もうひとつの京都”―妖しい神社の「奇面祭」、「減らない謎」の不可解、自宅に見つかる秘密の地下室、深夜のプールで迫りくる異形の影、十二年に一度の「ねこしずめ」の日…恐怖と忘却の繰り返しの果てに、何が「私」を待ち受けるのか?本格ミ

人里離れた山中の別荘で、私は最愛の妻・由伊とふたりで過ごしていた。妖精のように可憐で、愛らしかった由伊。

1998年、夏休み。

季節外れの吹雪で孤立した館、奇面館。主人影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれの仮面を被らされた。

1986年、晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」を訪れる。

「J・Mを殺したのは誰か?」。私が読んだ患者の原稿は、その一文で結ばれていた。

テーマは「名探偵」。新本格ミステリブームを牽引したレジェンド作家による書き下ろしミステリ競演。

その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。1998年、春。

ミステリ作家の「私」が住む“もうひとつの京都"。その裏側に潜む秘密めいたものたち。

作家の元に集まった五つの幽霊屋敷話。

伝説の傑作『殺人鬼』、降臨!!’90年代のある夏。

伝説の『殺人鬼』、ふたたび。双葉山の惨劇から三年、最初にそれと遭遇したのは休暇中の一家。