金沢城嵐の間

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種別
長編
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あらすじ

2000年09月01日 金沢城嵐の間 (文春文庫)

関ヶ原以後、新座衆の扱いに苦慮する加賀前田家で、家老の罠に落ちた男・太田但馬守。平穏の世には、彼の如き武辺者の生きる場所は最早ない。それを承知で、敢然と死に赴く彼の心中には、武士として生きる、その歓びが渦巻いていた…。武士の義を貫かんと、戦闘の血の記憶に殉じる男たちの美学を描く六篇。(「BOOK」データベースより)

評判

金沢城嵐の間の評価:

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金沢城嵐の間の総合評価:

8.00/10点 レビュー 3件。

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.3
(4pt)

関ケ原から大坂の陣の間のお家騒動の短編集

構成は安部氏独特の短編集の切り口で、特定のシーンに的を絞って展開し、最後まで描き切らず余韻を残すラストシーンがいいですね。
戦国の終焉に向けて、家康の陰の力が関ケ原の敗者だけでなく勝者にまでおよび、各家はその牙を抜かれていきます。

「残された男」
関ケ原で石田三成を捕縛した殊勲者、田中吉政。
その田中家取り潰しの原因となった、田中譜代衆と旧立花家臣団との確執。
「伊賀越えの道」
主君定次の野望で分裂する筒井家臣団。その後改易のきっかけとなる陰謀劇。
「義によって」
越前松平家内の豊臣派と徳川派の権力闘争。
「金沢城嵐の間」
前田利長の幕府恭順派と、利家の遺言を守ろうとする反徳川派の対立と亀裂。
「萩城の石」
吉川広家派と毛利秀元派の対立が、萩城普請中のある事件をきっかけに大騒動に。
「生きすぎたりや」
幕府の介入によって混乱する細川家の家督相続騒動。

「金沢城嵐の間」では太田但馬守が主役で幕府恭順派の家老、横山大膳と激しく対立します。
物語では横山大膳や主君の前田利長が悪者として描かれます。
安部氏の別の著作『関ケ原連判状』でも両者が登場しますが、こちらではこの逆で太田但馬守が悪役です。
両方を読むとどちらが正しく、どちらが悪いのかわからなくなってきます。
むしろどちらにも正義があった。
当時の日本中の武家の、先の見えない苦しみが伝わります。
金沢城嵐の間 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 金沢城嵐の間 (文春文庫)より
4167597020
No.2
(3pt)

栗山三郎右衛門

作品中の中で「萩城の石」がやはり一番面白い。
毛利元就以来の調略を垣間見る傑作だ。
一般文学通算751作品目の感想。2011/12/08
金沢城嵐の間 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 金沢城嵐の間 (文春文庫)より
4167597020
No.1
(5pt)

素晴らしき短編集

田中忠政の家臣・藤崎六衛門を主役とする『残された男』
筒井定次の元家臣で隠居の中坊秀祐を主役とする『伊賀越えの道』
本多富正の家臣・大木十左衛門を主役とする『義によって』
前田利長の従兄で前田家家老の太田長知を主役とする『金沢城 嵐の間』
益田元祥の家臣・栗山三郎右衛門を主役とする『萩城の石』
細川忠興家臣の長岡宗信の妻・花江を主役とする『生きすぎたりや』
以上六編が収載された短編集。
かなりのマイナー武将や実在したかどうかも不明な武将が並びます。
そして舞台はどれも関ヶ原以後のお家騒動と、総じて地味。
そんな一見マニア向けの一冊ですが、実際はそうでもありません。
短編ながら導入部の書き方が秀逸で、時代背景に詳しく無くとも愉しめる事でしょう。
フィクション部分が強いからかもしれませんが…
どの話にも共通して語られるのは「武士の一分」。
(『生きすぎたりや』では「己れの一分」。)
どの主人公も謹厳実直で好感が持て、共感もし易い主人公らしい人物像。
それ故に悲しい結末が待っているのですが、意外にも読後感は良かったですね。
そして、これまたどの話にも共通する事柄ですが、結びがかなり独特。
若干肩透かしを喰った様な気分にもなりますが、消化不良感はありません。
巻末の解説で北上次郎氏が仰っている様に、記憶に残る終わり方と言えるでしょう。
出だしこそ全体像が掴み辛いものの、気付けば虜となっている見事な一冊。
短編集なので時間が無い方にも自信を持ってお勧め出来ます。
金沢城嵐の間 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 金沢城嵐の間 (文春文庫)より
4167597020

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