泣くなブタカン!: 池谷美咲の演劇部日誌
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種別
長編
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評判
泣くなブタカン!: 池谷美咲の演劇部日誌の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
泣くなブタカン!: 池谷美咲の演劇部日誌の総合評価:
8.00/10点 レビュー 2件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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ただし、「爽やかな青春小説」の枠を、もう一歩飛び越える工夫が欲しかった。それは、著者のハードルとして、次の作品に行かされると思うので、期待する。
まず第一に気になったのは、部活に復帰した主人公の親友ナナコの役割である。これまで、病床に伏せながらも、作中の事件解決を裏で支えていたナナコは、今作になって、ようやく演劇部に復活する。
そこで、筆者が期待していたのは、主人公の美咲が、ナナコに対してどのように恩返しをするのか、そしてナナコと訣別するのか、といった点だった。これまで、美咲にとって親友だったナナコ。でも、もう彼女には頼りっぱなしにはなれない。だから、美咲が、ナナコに影響されず、自分で自分の道を選ぶための「葛藤」の場面が欲しかった。美咲とナナコが喧嘩するような場面もあればよかった。結局、美咲は、ナナコという存在を壊すことができなかった。筆者はナナコにとっての美咲が、親友というほど大切なものには思えなかった。
第二に、公演日程繰り上げの問題がある。受験のために、文化祭での公演を断念し、あっけなく受験を優先する三年生たち。おいおいそんなに簡単に諦めるのか。そう思わずにはいられなかった。「演劇はもったいないもの」という前作までのフレーズを考えれば、部員たちが、「やっぱりやろう!」と熱い想いを持って再挑戦する方がいい。
第三に、新入生たちの扱いである。最後まで、名前とキャラクターが一致しなかった。新入生の一人である中島にいたっては、序盤の場面から、物語にとってかなり重要な役割を担うはずだと思っていた。だが、そうでもなかった。もっと新入生を活かせる場面を作れなかったのか。正直、とても惜しい。
第四に。愛ちゃん先生の出番がほとんどない!
まだ不満を感じる点はほかにもある。でも、筆者はこの物語が好きだ。なぜなら、この物語が若者への力強いエールになっているからである。青春を全うし、本作に共感する読者がいる。その一方で、何らかの事情で青春を置き去りにしてしまった読者もいる。本作は、そうした多様な人々を包容できるだけの特別な力を持っている。今、将来に悩んだり、人間関係に縛られている人々は、きっとこの作品から、何か大切なものを学べるはずだ。