流星の絆
登録されているタグ
※タグの編集はログイン後行えます
※以下のグループに登録されています。
7.71pt
7.89pt
Amazon平均点
3.85pt
楽天平均点
4.23pt
みんなの オススメpt 自由に投票してください!!
96pt
↑現実的
28.67pt
0.00pt
←非ミステリ
60.33pt
ミステリ→
0.00pt
↓幻想的
初版刊行(参考)
種別
長編
閲覧回数
17,380回
お気に入りにされた回数
23回
読書済み登録回数
382回
- このページのURL
あらすじ
外部リンク
評判
流星の絆の評価:
7.71/10点 レビュー 17件。 S ランク
流星の絆の総合評価:
7.70/10点 レビュー 319件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全10件 1〜10 1/1ページ
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 302件あります。
Amazon書評・レビューを見る
東野作品が次々とドラマ化、映画化されているのは昨今の流れだが、通常ならば文庫化になってから映像化されるのが常だったのに対し、本書は単行本刊行直後に連続ドラマ化されたのが驚きだった。
つまりはそれほどストーリーがドラマチックであることを示しているのだろうが、開巻してすぐにそれもなるほどと思った。
まず幼い3兄妹の親に内緒で流星群を見に行き、雨の中、寝てしまった幼き妹をおんぶして帰る兄が家で観た凄惨な両親惨殺の風景。警察の捜査が描かれ、迷宮入りのまま、数年が流れ、兄妹は成長し、なんと詐欺グループになってお金を騙し取っていた、という導入部としては実に申し分ないドラマの1話目だ。ドラマを観ていなくてもその映像が目に浮かぶようだ。
幼き頃に両親を殺され、児童養護施設に入れられた男2人女1人の三人兄妹たちが誓ったのは犯人を見つけた時に自らの手で殺すこと。
これだけならば凡百の復讐劇に過ぎないが、東野氏はそこに妹があろうことか復讐のターゲットの息子に惚れてしまうというアクセントを加える。
さらには事件が起きる前、主人公たちの両親が借金をしていた節があり、口座から200万が引き出されていたこと、そして妻の塔子が事件前日の昼間に図書館で目撃されていたこと、4年前に摘発された横浜のノミ屋の名簿に功一たちの父親の名があったこと、さらには実は有明家は入籍しておらず、両親は内縁の関係であったことなど色々と不可解な事を挟みつつ、小さな洋食屋を営んでいた気の良い夫婦の実像にミステリアスな風味を加えている。
またストーリーは単純ではあるが、プロットは実に用意周到だ。
特に唸らされたのは功一たちの生業が詐欺師であることだ。これが実に効果的に物語に働きかけている。即ち両親を殺した真犯人と思える戸神に近づいたのはそもそも偽の宝石を売り付けて1千万もの大金をせしめるためで、戸神政行を14年前の事件の犯人だと通報すれば自分たちの詐欺行為も捜査線上に上がってくる危険性が高い。従って主人公の3人は容易に警察に協力を求められないのだ。
この辺の必然性は実に上手い。
しかしこれほどまでに緊密なストーリー展開を見せながらも、唯一腑に落ちない点があった。それは功一たちの両親を殺害した犯人の捜査で近くのコンビニに訊き込みをするシーン。商売の邪魔だと疎ましく感じている店長に当日の防犯カメラのテープを借りることを全く申し出ないのだ。
その後も泰輔の目撃証言で作成した似顔絵を持って聞き込みをするものの、一切防犯カメラには触れない。これは明らかにおかしい。
『使命と魂のリミット』でも病院の受付用紙の中に犯人のメッセージが潜り込んでいたシーンでも当然大病院にあるであろう防犯カメラについては一切触れなかった。防犯カメラは東野ミステリ世界では存在しないかのようだ。一工夫理由を考えればクリアできると思うのだが、どうしてだろうか?
物語の約1/3の辺り、泰輔が幼き頃に見た犯人を戸神政行だと視認した後の物語の疾走感は半端ではなかった。
積年の恨みを晴らすために3人兄弟のブレイン功一が策を練り、カメレオン俳優の泰輔と静奈がそれを演じ、接近していくがなかなか上手く進まない展開に忸怩たる思いを抱きながらも、先の読めない展開にハラハラし通しだった。詰将棋のように戸神を犯人に仕立てるために仕掛けを施していく3人兄弟のマジックが、静奈の魅力に盲目的になったと思われた戸神行成が突然静奈に詰問する側に転じる521ページ辺りからはまさに怒涛の展開だ。
そして戸神行成が功一たちの味方になると、読者はまさに東野氏の掌の上で踊らされるだけになってしまう。
それだけに事件の真相が悔やまれる。
しかし本書はかつて功一らの両親を殺害した犯人を突き止める事が主題ではない。
また有明3兄妹がいかにして犯人を逮捕させるかを綴ったものでもない。
本書は異父兄妹の絆の強さを描いた物語なのだ。
血の繋がっていない妹を2人の兄がいかに大切に育ててきたかを知る、絆の物語なのだ。だからこそ本書の結末は東野作品には珍しく悲劇的ではなく、ハッピーエンドになっているのだ。
人に騙して辛酸を舐めてきた兄妹が、人を騙す側に回って大金を得るようになったが、心底善人である戸神行成という男1人のためにそれらが瓦解してしまった。
しかしそれは間違いなくいい意味での瓦解だ。
罪を償い、まっさらな心と体になった有明3兄妹に本当の幸せが訪れるのはこれからだ。
こんなに爽快な読後感だからこそ、事件の真相と真犯人の始末の仕方が安易だったことが悔やまれてならない。
このあともう一歩感が私をしてこの渇きを癒すために次の東野作品へと駆り立てられるのである。全く困ったものだ。
▼以下、ネタバレ感想