探偵・日暮旅人の望む物
- 爆弾テロ (39)
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単行本より文庫本の方が持ち安く、ちょうどいいサイズです。 早く届くので子供も喜んでいます。 | ||||
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シーズンを重ねていくとよくあることなのかもしれませんが、セカンドシーズンにはファーストシーズンのようなドキドキ感は、ありませんでした。 黒幕の動機が、うーん・・・という感じでした。 全体的に間延びした感も否めず、何箇所か読み飛ばしてしまいました。 大好きなシリーズに変わりはありませんが、何だか残念の一言。 | ||||
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ファーストシーズンで終わらせておけば良かったのにと思いました。 あとがきに、まさかのセカンドシーズン開始だったとありますが、 そうやって半ば無計画に延長された物語の結果が、この最終巻に詰め込まれていると感じました。 ラスボスとその動機が陳腐で残念でなりません。 ファーストシーズンで終わっていれば、すっきりした終わり方にはなっていたと思います。 なお、サードシーズンはないとの事です。短編集が出るかもとの事。 | ||||
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視覚を除く全ての感覚を失った探偵・日暮旅人の物語・セカンドシーズン完結編 たった一つの能力である「全てを見通す目」の限界が迫りつつある中で迫って来た 最大の危機。愛する物を守るべく、旅人がどう動くのか…緊張しつつ拝読 物語は前巻の終盤付近を増子警部補やユキジの視点からなぞる形で幕を開ける 市内各所に爆弾を仕掛けたという脅迫状が報道機関に届いたとの通報を受けて 壊滅した筈のテロ組織「天空の爪」の関与が疑われる中、脅迫状の差出人として 「日暮旅人」の名が記されていた事から探偵事務所に向かう増子だったが、 そこで目にした物は重傷を負った亀吉だった。一方で不審者が付近を徘徊している という事で雪路邸に戻っていたユキジは自分を自宅に釘付けにしていた不審者が 町を去った筈の今井聡であり、雪路家の家政婦に頼まれたのだと告げられる そして陽子と灯衣の二人を奪われた旅人は公安に追われながら真犯人の指示通り 市内各地を動き続けるが、最後に指示された場所待っていたのはユキジの父親であり 市政を動かし続けてきた男にして、かつて父が秘書として仕えてきた男・雪路照幸 「山田手帳」を巡って暗闘を繰り広げ一度は復讐を断念した男を前に旅人は… 小説家であれ、マンガ家であれ風呂敷を広げるだけ広げて畳む方はさっぱり という人は多いけど(マンガ家だと浦沢直樹とか、本当にもうね…)少ないながら 「これ本当に畳み切れるの?」と読者の方が不安になる様な大風呂敷をしっかり 畳める人もいる(藤田和日郎とか長谷川祐一とか、その辺)。この風呂敷を しっかり畳む事に成功した作品こそが名作の条件だとすれば、本作は紛れも無い 大傑作。セカンドシーズンどころか、ファーストシーズンまで含めて全九巻に 及んだ日暮旅人の物語をこれ以上無いという形で締めくくっております 物語は前巻でその本性が明らかにされた中学時代に旅人が出会った先輩・見生美月が 小学生時代に犯した同級生殺しを回想する形で始まる。この最初の殺人によって 「見生美月」を入れ物とした怪物が目覚め、表の姿である優等生を上手く立ち回らせる 事以外に目的が見つからなかった怪物が旅人との出会いによって「人生の目的」を 見つけた事で全ての惨劇に繋がっていくまでの流れが何と言うか実に「重い」 「両親を殺され、視覚以外の全てを奪われた旅ちゃんのために」という理由で ファーストシーズンから「心優しい探偵」の裏側に垣間見えていた黒い旅人を 美月がどうやって育て上げたのか…正直、気分が悪くなった。そして旅人を 復讐鬼に仕立て上げた筈が、陽子先生や灯衣、ユキジといった愛する者たち との出会った事で、「山田手帳」を巡る復讐劇を最後の最後で旅人が断念した 事が怪物を目覚めさせたとは…(ちなみに今回ファーストシーズン以来の 登場となる元刑事の白石さんとか出てきます、現在のご職業はちょっと意外w) 前半の十九年前の事件に繋がる公安と小金井会長率いる羽扇会の面々、増子警部補 を中心とする警察が指示通りに動かされる旅人とテロの実行犯と思しきスカジャンの男 を追い続ける展開は緊張感に満ち溢れていたが、前半のクライマックスで見せた限界を とっくに超えている筈の旅人の目のフルパワーが凄まじい、あれはまさに超能力w ファーストシーズンから旅人の人生を狂わせてきた存在として動いていた雪路照幸との 対峙があっさり終わったのは少々意外。「あれ、あっさり終わっちゃったな」と思わされた分、 美月との対決場面で美月の抱えてきた「怪物」の正体を喝破する場面は恐ろしく 緊迫していた。そしてその渦中で明かされた旅人の状態が…「うああ」と唸るほどに ボロボロ。「陽子先生や灯衣を助ける為とはいえ、そんな状態にまで…」と旅人のあまりの 無惨さに声を失った。物語の終盤でボロボロになる主人公は珍しくないけど、旅人の悲惨な 状態は別格過ぎて表現の仕様が無い 全ての事件にケリが付いたと思ったらその後の100ページ近いエピローグ的な 「その後の話」が続く。目を失った事で探偵を廃業した旅人と、彼を取り巻く人々の 人生はまだまだ続くのだなあ、と終始緊張感に満ち溢れていたセカンドシーズンに おける「癒し」の時間として、ここまで付いてきた読者へのご褒美として十分すぎた 特にラスト近く、旅人を訪れた人物との対話の中で明かされた「日暮旅人がその過酷な 人生の中で望み続けた物」はシリーズ初期のハートウォーミングな雰囲気を醸し出しつつ このシリーズを通じて旅人の目が探そうとしてきた物が何であったのか改め思い知らされた そしてその「望んだ物」を手に入れた旅人の姿を見て読者は真に癒されるのである 後書きによれば見生美月という人物の造形を作者はシリーズ第一話である「椅子の声」の 時点で思い付いていたとは驚きという他ない。レビュー冒頭でも述べた事だけども 風呂敷を畳み切った形を考えた上でここまでシリーズを展開した作者の構成力には ただ脱帽。この最終巻を読み終えてまず「いつか時間を作って第一巻から読み直そう」と 思わされた事からこのシリーズがいかに優れた構成力をもって産み出されたのかを お察し頂きたい。これから本シリーズを読もうかと思われている方は実に幸福である この並外れた構想の下に築かれたシリーズを一気に読めるのだから羨ましい! 本シリーズはこれで終了、サードシーズンも無く、出るとすれば短編集が一冊という 事であるけれども、これ以上無く満足させてもらった。山口幸三郎先生、まことに お疲れさまでした。素晴らしい作品を読ませて頂いた事に大感謝!! | ||||
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