(短編集)
桜田十九郎探偵小説選
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文士村長(疎開後に地元名古屋で着任したという)などと推すものだからどれだけ野暮ったい小説なのかと気が重かったが、 学歴は旧制一高→東京帝国大(中退)と、そこそこのインテリだったらしい。 「鉄の処女」「燃えろモロッコ」(『モダン日本』に発表)「髑髏笛」「めくら蜘蛛」「女面蛇身魔」「呪教十字軍」「沙漠の旋風」「五時間の生命」「蛇頸龍の寝床」 「屍室の怪盗」「悪霊の眼」「唖の雄叫び」「魔女の木像」「落葉の岩窟」(『新青年』に発表)「恐怖の水牢」(『譚海』に発表) 昭和12~19年、探偵小説冬の時代である戦時下に書かれた作品群。異境を舞台に大和魂の日本男児を主人公とした、なんというかインディ・ジョーンズみたいな冒険譚。 大東亜共栄圏がどうとか国策色は思った程前面に押し出されてはいない。エッセイやインタビューの類が全く遺されていないので作者の意図は掴めないのだが、 カタカナのルビが全編に踊り、どれだけ小栗蟲太郎の影響を受けているか解らないけれど、中村美与子(本叢書第20巻)よりは大衆的に思える。 それが優秀かどうかはまた別の問題だが。 一人三役とか化かしあいを見せる作は点在するも、ミステリー的要素が読後の印象に残るものではない。 これだけ『新青年』に執筆していながら全く名が知られていなかったのはこういった背景から来ているのだろう。 上記作以前『サンデー毎日』に公募入選したボーナス収録扱いの「青龍白虎の争闘」「哀恋佃夜話」「幇間の退京」「夏宵痴人夢」はただの普通小説。 探偵不在による論理性の無さ、更に怪奇幻想色もあまり無し。純粋なミステリーでないと嫌だという人には不向き。 今後も『論創ミステリ叢書』が続くとして、桜田十九郎のような好事家にでさえあまり要望のなさそうな作家が増えるようになり、 (好事家にとって)ある程度認知されていて既刊のある作家の続巻は出す気が無いのだろうか? そろそろ熟考すべき岐路に来ている気がしてならない。 | ||||
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