エイリアニスト 精神科医
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19世紀のニューヨークで若い男娼の猟奇殺人が起こり・・・というお話。 過去を舞台に現代の作家が書く小説には重厚な物が多いですが、本書でもかなり格調の高い感じの作品になっております。そこに、現代風のサイコ・スリラーの要素やプロファイリングの要素を持ち込む事で、新機軸の感のある歴史ミステリに仕上がっているのが、本書を他のサイコ・スリラーと区別する要因になっている様に思えました。 少しネタ割になりますが、幼少期の体験から逃れられずに生育し、成人してから犯罪に走るキャラが欧米のサイコ物では多い様な感じもしますが、家族環境や生育環境の悪さで犯罪者にならざるを得ないという人はやった事は許されないですが、気の毒にも感じます。本人の生まれた際の環境の悪さが原因の場合はなんとかしないといけないと思いました。社会の成熟と発展で良くなってきているとはいえ、現代にも尚通じる問題だと思いました。 J・D・クリスティリアンの「緋の女」並みの重厚な歴史ミステリ。是非ご一読を。 | ||||
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演繹法で犯人を絞り込む捜査が功をそうして、犯人の姿が表れてきます。 犯人自身の特捜部にたいする挑戦状の分析や、犯人の親族と思われる人物への接触にも成功し 人物が特定されるまで捜査は進展します。 ところがクライズラー博士の身の回りにこの事件を捜査していることに対する邪魔が入り不幸な出来事が起こります。 100年前のニューヨークを舞台にした、連続殺人事件捜査。 切り裂かれた遺体などがあつかわれてはいますが、抑制が効いていて描写は上品なものです。 犯人の心理とそれを追う博士や記者の自分の過去に起因する心理も重ねて描かれていて 大変読み応えのある小説でした。 | ||||
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1896年「サイコパスを生みだすのは、幼少時代の極端な環境や経験であり」「この種の患者の行動が理解できるばかりか、事前に予知することも可能なのだ」と考えるクライズラー博士と、この小説の語り部 学友のニューヨーク・タイムズ記者ムーア 他ニューヨーク市警視総監から特に命をうけた特捜班のメンバーが、猟奇的な連続殺人犯を追う。 まだ馬車や蒸気船で人々が動き、ガス灯がともるニューヨークの街を舞台に、 「子供を殺し、その遺体を切り刻む」連続殺人犯を 演繹法を使って探そうとするお話です。 「ゆがんだ性格を形成する事件を子供時代に経験したことがある人物が犯人だ。」 という説をとなえる精神科医のクライズラーが主役で、筆跡鑑定や法医学などが分かりやすい形で差し込まれていて面白いです。 | ||||
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その黎明期、19世紀も終わりごろには、精神分析医は「エイリアニスト」=異端者として変人扱いされ、おおむね薄気味悪いものとみなされていた。 子供の男娼が次々と惨殺されるという事件が起きて精神科医ラズロー・クライズラーが事態収拾のために招聘され、ニューヨーク市警総監だったセオドア・ルーズベルトを頭として極秘のチームが編成される。 この二人とは学生時代からの友人であるニューヨークタイムズ記者のジョン・スカイラー・ムーアが語り部となって物語が進行する。 実在の大統領セオドア・ルーズベルトやプラグマティズムの開祖ウィリアム・ジェイムズなどを登場させて、その若き日を描くあたりは、山田風太郎の明治小説集にも似て興味がそそられる。 また、今でこそ犯罪捜査に当然のごとく取り入れられているプロファイリング成立の現場にタイム・トラベルできるという楽しみもある。 ついでながら、 この話の中では、指紋による科学捜査もまだ裁判の証拠資料として採用されていなかったようだ。 最近の雑誌記事によると、指紋の証拠採用を認めないということになったらしい。そういう判決が出たと読んだ。現場に捜査官の指紋が残ったという事例である。素人が思うほど本人との照合はできないらしい。もちろんきちんと採取されたものならばどうなのか、それは知らない。 しかし、100年後の21世紀初頭、指紋が証拠資料として採用される科学捜査が行き着いた先に、その否定が待ち構えていたとは。 この本の捜査チームのメンバーが、このことを知ったらなんと思うであろうか。 後知恵ではあるが、こういう対比もまた興味深い。 | ||||
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