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レビュー数191

全191件 1〜20 1/10ページ

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No.191
(10pt)

晴れの日の木馬たちの感想

工女の成長物語に留まらず、日本文学と西洋美術を愛する者に大きな感動をもたらす作品といえる。実在の人物がところどころに登場するのは著者の得意とするところ。また主人公は著者自身をモデルにしたと思わせるストーリーも微笑ましく、どこを取っても胸を打つシーンが読んでいく楽しさをもたらしてくれた。
著者らしく西洋絵画の描写がその絵をまさしく見ているかのようにわかりやすく、これは著者でしか描けない作品だとまで思わせてくれた。テーマ的にも今年最高の感動作といって過言ではない。
原田マハ:晴れの日の木馬たち
原田マハ晴れの日の木馬たち についてのレビュー
No.190
(9pt)

重力ピエロの感想

家族、兄弟をテーマにシリアスながらもユーモラスな表現もところどころに出てきて読みやすい作品。著者の作品は長編は初めてだが、著者らしい世界観が網羅されているのだろう。

'26競馬のオークス効果で爆売れしてるとのこと。(優勝馬名ジューリョクピエロ、今村聖奈騎手が日本人女性騎手として、初騎乗初制覇を達成!)

競馬とは直接関係ないが(親子で競馬場へ行くシーンは出てくるし、馬主はこの辺を意識して愛馬に命名したか?)、思わぬきっかけで読んでもらえるのは素晴らしい体験。こういう私もそれがきっかけだし、よい読書体験をさせていただいた。
伊坂幸太郎:重力ピエロ (新潮文庫)
伊坂幸太郎重力ピエロ についてのレビュー
No.189
(9pt)

誓いの証言の感想

蕃永石をめぐる人間模様がみごとに胸を打ってくる。それぞれが自分の信じた方向へ進もうとするのだが……特に終盤の法廷場面は読み応え充分。結末まであっという間に読ませていただきました。柚月さんの作品にはいつも感動させられますね。
久しぶりの佐方貞人だが、これまでの作品と比べると、彼も年をとったんだなぁと思わせるシーン・言動が見受けられる。それもリアリティをもたらす要因か。
柚月裕子:誓いの証言
柚月裕子誓いの証言 についてのレビュー
No.188
(9pt)

英雄の条件の感想

テーマがドーピング疑惑だけに、シビアなストーリー。野球界にはびこるシリアスな問題にここまで突っ込んで描かれた小説は著者ならでは。現実には起きてもらいたくない問題ではある。
本城雅人:英雄の条件 (新潮文庫)
本城雅人英雄の条件 についてのレビュー
No.187
(9pt)

プラスティックの感想

約10年ぶりに読んだ井上夢人。30年程度前の作品ということで時代感はあるものの、その構成、54からなるファイルの意味、半分程度読み進めたところで判明してくる真相etc…
さすがは井上夢人!と感銘をうける。氏の最高傑作といっても過言ではないだろな。最近になって再評価されているのも充分うなづける。
本文に出てくるとある海外の作品もぜひ読んでみたい。

井上夢人:プラスティック (講談社文庫)
井上夢人プラスティック についてのレビュー
No.186
(9pt)

百年の時効の感想

昭和、平成、令和と連綿と続く複雑な事件を追う奥の深い、骨太な小説。それぞれの時代の誰の記憶にも残る象徴的な出来事や事件を絡めて、リアリティ溢れる作品だった。「百年」の長さ・重さを思い知ることができた。
登場人物では、鎌田と藤森の両刑事が特に印象的。藤森菜摘にはどこかで再登場してもらいたいな。
伏尾美紀:百年の時効
伏尾美紀百年の時効 についてのレビュー
No.185
(9pt)

ロスト・トレインの感想

コアな鉄オタは、こういった鉄道をテーマにしたファンタジーミステリを素直に受け入れるかな?現実感は皆無だが、幻想的な世界に誘ってくれる鉄道小説として、読み心地よく、各場面が丁寧に描かれていて好感がもてた。代表的な鉄道小説として心に残るであろう作品でした。
中村弦:ロスト・トレイン
中村弦ロスト・トレイン についてのレビュー
No.184
(9pt)

乱れからくりの感想

評価の高い著者の代表作だけあって、ストーリー仕立てには感銘を受けた。
時代感はあるものの、完成度は高いと思われる、
洞窟の場面はどこか横溝正史の世界を感じさせられたのは私だけ?
泡坂妻夫:乱れからくり【新装版】 (創元推理文庫)
泡坂妻夫乱れからくり についてのレビュー
No.183
(10pt)

虚池空白の自由律な事件簿の感想

〈自由律俳句の伝道師〉虚池空白が「野良句」と呼ぶ自由律俳句に秘められた謎を解明していく連作短編。句に秘められた謎解きは、暗号解読ミステリとの融合ともいえる。いつも自由律俳句を投稿している自分としては、楽しみながら参考にさせてもらった。少なからず句創りに役に立つ作品だった。
森晶麿:虚池空白の自由律な事件簿
森晶麿虚池空白の自由律な事件簿 についてのレビュー
No.182
(10pt)

殺し屋の営業術の感想

乱歩賞史上最高といってもいいほどの完成度。通常殺し屋は敵役で最期はやられるものだが、これはいわば敵役vs敵役、正義の味方が出てこないダークな世界でのダークな展開。リアリティ云々は言いっこなし、プロの営業マンと殺し屋稼業をミックスさせた完全なフィクションだからこそ最後まで楽しくハラハラできた痛快作なのである。鳥井と鴎木の対決が実に痛快!
勧善懲悪ならぬ勧悪懲悪!?
野宮有:殺し屋の営業術
野宮有殺し屋の営業術 についてのレビュー
No.181
(9pt)

走らなあかん、夜明けまでの感想

大阪を舞台にした面白い作品を検索して行きついた。心の故郷・大阪の地名がふんだんに出てくるし、弱虫ヒーロー・坂田がヤクザ相手に活躍するし、たった一晩でそこまでできるか?とも思うくらい、いろいろ起こるけど、理屈抜きで楽しい作品でした。
「坂田勇吉シリーズ」、次も読んでみよう。
大沢在昌:新装版 走らなあかん、夜明けまで (講談社文庫)
大沢在昌走らなあかん、夜明けまで についてのレビュー
No.180
(9pt)

飛越の感想

あまり注目されることの少ない障害レースに命を賭ける2人の障害騎手と2頭の絶対王者。どちらが真の王者か、人間と馬の壮絶なドラマが胸を打つ。
平地以上に危険と隣り合わせのレースシーンもさることながら、レースにかける騎手の心情、クセ強の馬の癖馬っプリがしっかりと伝わる。
最後の2頭と2人の死闘は圧巻。(2人の女性のキャラは可愛げがないのが草(>_<)
あの障害王者・オジュウチョウサンを思わせるところもあってリアリティ十分。
馳星周:飛越(ジャンプ)
馳星周飛越 についてのレビュー
No.179
(9pt)

覆面作家の感想

大沢作品は初めてかも。大沢氏本人を思わせる「私」が実際にあったかも知れない事件に遭遇するといった8編の短編集。ミステリ度はそれほど濃くないが、どれもレジェンド作家ならではの手腕で読ませてくれる。特に表題作「覆面作家」はなるほど!と膝を打つほど。肩肘張らずに読めるところが良い。
また「イパネマの娘」はぜひ曲を聴きながら読んでみるのもいいかも。
大沢在昌:覆面作家
大沢在昌覆面作家 についてのレビュー
No.178
(9pt)

出版禁止 女優 真里亜の感想

数あるモキュメンタリー作品の中でも、上位にくるくらいのめりこむ感がハンパなかった。
「出版禁止」シリーズの中でもトップクラスだろう。取材者の手記形式がモキュメンタリーの面白さをさらに高めているし、長江氏の手腕が花を添えてもいる。
ほどよくオカルト的要素が盛り込まれ、期待を裏切らない読後感であった。
次回の「出版禁止」、楽しみがまた増えました。
長江俊和:出版禁止 女優 真里亜
長江俊和出版禁止 女優 真里亜 についてのレビュー
No.177
(9pt)

灯火の感想

馬主や調教師と騎手の間を取り持つエージェントの仕事とその苦労がよくわかる。騎手同士の駆け引きやお互いに抱いているもの、そんな人間模様がうまく出ていたと思う。勉強になったし、競馬に関わる人たちの苦労と勝ったときの喜び、敗れたときの悔しさなどがよく伝わってきた。
本城雅人:灯火 (単行本文芸フィクション)
本城雅人灯火 についてのレビュー
No.176
(9pt)

逃亡者は北へ向かうの感想

震災を経験している著者だけに、震災の被害を受けた登場人物や状況の描写はピカイチ。被災者の恐怖感、絶望感がよく出ていたのは著者ならでは。今までの著作からも期待どおり。
ただそれ以外の部分はよくあるミステリのストーリーになっていた感があったのは少々残念。
柚月裕子:逃亡者は北へ向かう
柚月裕子逃亡者は北へ向かう についてのレビュー
No.175
(9pt)

トライロバレットの感想

さすが鬼才と呼ばれるだけあり、最後まで惹き込まれた。高校での銃乱射事件を題材に、主人公は?彼の唯一の友人は?と次の展開が予想できないほど。後を絶たない銃乱射事件に警鐘を鳴らす作品ともいえるか。これまでも他の作家にはない独特の世界を楽しませてくれた著者。今回も打ちのめされた。次回作はどれだけ鬼才ぶりを見せてくれるか?
佐藤究:トライロバレット (講談社文庫)
佐藤究トライロバレット についてのレビュー
No.174
(9pt)

ブリーダーズ・ロマンの感想

ノンフィクションとフィクションを巧みに織り交ぜて、競馬史の勉強ができる、競馬ミステリーとも競馬歴史小説ともいえる作品。終盤は競馬の面白さ・奥深さを感動的に伝えてくれる。
実際にこんなローテーションで走る馬がいたら見てみたいけど、現実には不可能でしょう。フィクションとしては面白く読めた。文庫版の細江純子さんの解説が花を添えてくれている。今後の競馬がどのように発展していくか、楽しみをもたらしてくれた一作。
島田明宏:ブリーダーズ・ロマン (集英社文庫)
島田明宏ブリーダーズ・ロマン についてのレビュー
No.173
(9pt)

同姓同名の感想

「名前」というものに大変興味があり、私自身とある人気アーティストと同姓同名ということもあって、犯罪者と同姓同名な人たちがどんな思いをもっているのか?と、面白く読ませてもらった。ともすれば複雑でややこしくなるものをわかりやすく描いているいるのも好感が持てた。
また、少年法や容疑者への対応などの問題点も取り上げられ、日ごろ疑問をもっていることも考えさせられたのは共感。
短編「もうひとりの同姓同名」も短編ならではの内容でGood!
下村敦史:同姓同名 (幻冬舎文庫)
下村敦史同姓同名 についてのレビュー
No.172
(9pt)

清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクションの感想

大御所作家2名によって厳選された珠玉の短編集。
特に考古学を題材にした作品は、清張氏の真骨頂ともいえるのでは。どの作品も読みやすく、情景が浮かびやすく、まさしく清張作品入門編としても読みやすいと思います。
掉尾を飾る有名な「天城越え」(アンチ伊豆の踊子ともいわれているようだが)は、それにふさわしい作品でした。
当短編集を選択されたお二人に感謝を伝えたいと思います(なんて大げさかな?)
有栖川有栖:清張の迷宮 松本清張傑作短編セレクション (文春文庫)