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tacu さんのレビュー一覧

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レビュー数6

全6件 1~6 1/1ページ

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No.6: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

愛ですね

 ゲーム業界もそうですが、アニメ業界も労働条件は決してよくないし、報酬もそんなに高くないしということで、それだけでは単なるブラックでは・・・と素人としては思ってしまいます。
 結局、悪い意味での「サラリーマン的(給料分だけ仕事すればいいだろな考え)」では、作品に熱を込めることはできないし、視聴者もそっぽをむくでしょう。情熱をこめていい作品を作るために、時には人に誤解を受けたり、迷惑をかけたりしながらも、互いに作品への「愛」を持つ者同士、連携を取り合って情熱を形に残す。そのプロセスの一端を垣間見れる、「仕事ってどうするの?+恋愛要素」な、読みやすく心に落ちる小説でした。
 私自身、アニメにはまった時期が(だいたい青春の真っただ中で)ありましたので、随所に身につまされる描写やセリフ、そして「わかるなあ」という部分が見れて、とても楽しめました。
 ミステリではないです。でも、愛をもって世界に大きな可能性をもたらす熱い人たちの姿は、働く人々の心に響くものがきっとあると思います。
 男性の主要人物がほとんどイケメンなのは「※ただしイケメンに限る」ではないと思いますけど・・・。
ハケンアニメ!
辻村深月ハケンアニメ! についてのレビュー
No.5: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

歴史とミステリの融合された快作

 「四つの椀の謎」と「光秀の人間としての理の解明」を軸に、愚息と新九郎という架空の人物たちの生きざまを闊達に描写した、非常に読み応えのある小説です。歴史に対して多方面からなされる解釈が、新たな視点を獲得し、さらなる歴史観の進歩を促す…小説のもつ醍醐味の一つを味わえました。「歴史の謎」の推理して着地点をもとめるところ、ミステリとしての要素も十分感じられます。
 光秀の生き様以上に、愚息と新九郎の生きざまに多く描写がさかれています。特に、新九郎の「笹の葉流」のいわれや、追剥を試みたころからの心情の変遷には、いたく共感を覚えました。人は、何か自分の分にあったものを通して、初めて理に通じるという言葉には、自分自身の形にならない思いを代弁してくれたような気がしました。
 愚息と新九郎の、なんとも言えないとぼけた味わい、十兵衛光秀の人間臭さといった、人物描写にも大いに魅力を感じました。

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光秀の定理 (角川書店単行本)
垣根涼介光秀の定理 についてのレビュー
No.4:
(9pt)

因果は巡る

 一筋縄でいかない青春小説でもあり、伏線がここかしこに張られた読み応えあるミステリでもあり、横溝正史の作品へのオマージュが随所に感じられる佳作です。かなりの長さでしたが、文章も読みやすくテンポよく読了できました。作中におけるさまざまな「因果」が、凄惨な事件へとつながり、多くの不幸を紡ぎだしていきます。「自分という楔からは逃れられない」人間の弱さが痛切に感じられました。

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撓田村事件―iの遠近法的倒錯 (新潮ミステリー倶楽部)
小川勝己撓田村事件 ―iの遠近法的倒錯 についてのレビュー
No.3: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

厳しい人生に対する優しいまなざし

 シリーズ3作目のこの短編集、これまでの2冊(退出ゲーム、初恋ソムリエ)からさらに深みの増した、味わい深い作品集に仕上がっています。各人物のキャラも立っていて、セリフや行動からイメージが自然に湧き出すところも、作者の筆力のなせる技と感心しました。あと1作、シリーズが続きますが、ぜひ読みたいと思います。
 前作の登場人物が多く出てくるため、シリーズ最初から読むことをお勧めします。

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空想オルガン (角川文庫)
初野晴空想オルガン についてのレビュー
No.2: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

ミステリの体裁をした寓話として

 1年前に読んだ作品ですが、そのとき、夜中の3時ころまで読み通して、さらにさまざまな書評にも目を通しました。そのくらいインパクトのあるある作品です。自分のものの考え方にも、少し影響を与えてくれた作品でした。

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向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
道尾秀介向日葵の咲かない夏 についてのレビュー
No.1: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

ヒトとは何者か

3者の視点から進む、息をつかせない怒涛の展開に引き込まれました。一部、文章を脳内でイメージするのがつらい部分もありますが、丹念な取材をもとに、現実味を物語に与える圧倒的な文章力に感動しました。

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ジェノサイド
高野和明ジェノサイド についてのレビュー