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まめ さんのレビュー一覧

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書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.40pt

レビュー数5

全5件 1~5 1/1ページ

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No.5:
(6pt)

土台あってこそ

作中には『リング』や『残穢』など有名なホラー作品を上げて怪異の説明をするのだが、具体的な作品名を出したことでそれらの作品が与えている印象に少々寄りかかりすぎたような気がする。加えてある人物が『サダコ』と呼ばれるので、尚更でやりすぎだと思う。
時代背景が分かりやすい事や現実に起こっているような感覚を得られるのは良かった。けれど作品名や『サダコ』がなかったとしたら『ずうのめ人形』自体の怖さが文章量としてもインパクトとしても薄い。
上記の点は不満だけれど、原稿を読みながら呪いに蝕まれていく主人公と一緒になって読み進められて、飽きずに一気読みできて面白かった。
孤独こそ一番の呪いを生み出す感情なのかと思った。

ずうのめ人形 (角川ホラー文庫)
澤村伊智ずうのめ人形 についてのレビュー
No.4: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(2pt)

初めて

本を読んでこんなに納得がいかないものはなかった。
反則的な仕掛けで読者を騙しているのだから、推理を楽しむも何もなかった。正直読んで損をしたと今も思っていて、悪い意味で強烈に頭に残っている。
読みながら推理する楽しみは置いたとして、お話としてどうかといえば主人公の行動や犯人の動機に至るまで共感できない。
共感できなくても狂気性を売りに面白い小説はあると思うが、それは最初からそういう小説だと匂わせているからであって、売り文句と中身が全く違うものを掴まされた気分だった。
私の勝手な読む前の印象や理解力もあるかもしれないが、とことん合わなかった。
隻眼の少女
麻耶雄嵩隻眼の少女 についてのレビュー
No.3:
(8pt)

山に興味なくても面白い

登山したいと全く思わないので知識一切なしだが、前作の生還者も凄く良かったので手に取った。期待を裏切る所か越えて面白かった。
ちなみに生還者とは話の繋がりはない。
出だしの謎が魅力的でグイグイ引き込まれて、最後まで一気に読み終え、一筋縄ではいかない答えに感動した。
それと同時にミステリの視点でしか読んでなかった自分の視野の狭さがちょっと恥ずかしくなった。
時系列が前後するので、そこを気をつけて読めば登山を知らなかったり興味なくても充分楽しめると思う。
タイトル失踪者の意味も読む前と読んだ後で、印象が変わった。




失踪者 (講談社文庫)
下村敦史失踪者 についてのレビュー
No.2: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

読みやすい

全体像に共通点があるが、基本短編なので読みやすい。
タイトルにも使われているテープ起こしは、話の筋だけでも気味が悪く読み進めたいような、本を閉じたくなるような気分を久々に味わった。
ホラーが好きな友人にはオススメしやすい。

▼以下、ネタバレ感想
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怪談のテープ起こし (集英社文庫)
三津田信三怪談のテープ起こし についてのレビュー
No.1: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ほぼミステリー

いつも三津田さんの本を読むときは、あらゆる現象の原因が得体の知れないモノか生身の人間か。もしくはその両方か。思い込みや先入観をなるべく持たないように努めながら読んでいる。
読み終わってみると、かなりミステリに偏っていた。
ホラーを期待していたとしたら、退屈してしまうかもしれない。ただ話の端々に怪談の匂いをきちんと残していて、今後三津田さんが書かれる違う作品でこの炭鉱で起こった出来事が顔を出しそうだと思った。
ミステリとして謎解きもスッキリするし、主人公とある人物に芽生えた絆みたいなものが最後まで感じられていたのも凄く良い。
そして炭鉱の仕事内容や当時の事情は全く知識がなかったが、分かりにくさはなく寧ろ色々知ることができて勉強になった。
読みごたえがかなりある。


黒面の狐 (文春文庫)
三津田信三黒面の狐 についてのレビュー