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ニコラス刑事 さんのレビュー一覧
ニコラス刑事さんのページへレビュー数62件
全62件 61~62 4/4ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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多彩な登場人物。誰が死に誰が生き残るのか先の読めない展開。重厚なそしてリアルに機知に富み視点の確かさを示す美しい文章。一人のモンスターと云える恐ろしい男。その陰の男を追い詰めていく特命チームのわずか六人の刑事。銃撃戦の描写や各人の思惑をリアルに生きた言葉で語り展開していくストーリー。面白かった。純粋に面白かった。こんな確かな文章で語られる物語は最近では久しぶりだった。それぞれの視点で語られるストーリーと動きがリンクしていきクライマックスに至る。男も女もそれぞれの人生を生きた。最後の静かな余韻のような出来事にも心惹かれる。汚れた英雄と執念の男。壮大なロマンさえ感じる物語だった。
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これまでに読んだことのない未知の作家さんだが、この作品には拍手を送りたい。意識して書かれているのだろうが翻訳本を読んでいるような文章で、18世紀のロンドンを舞台にしたミステリーとして雰囲気を作り出すことにとても効果のある書き方だ。当事の世相や社会環境と政治面のことなども物語りに上手く取り入れてストーリーに厚みを持たせている。と云うかむしろ当時の社会の仕組みそのものがこの事件の下地となっている。盲目の治安判事ジョン・フィールディング。彼の眼となり相手の表情、動作、周りの様子などを的確に伝える姪であり助手であるアン=シャーリー・モア。そして手足となって動き回り判事の助けとなるデニス・アボット。魅力的な人物たちと解剖学教室で見つかったふたつの遺体。金で正義は売らない盲目の治安判事ジョン・フィールディング。さて謎めいた事件を彼はどのようにして解決に導くのか。彼の調べていく様子と重要な役割の少年の行動を時間軸をずらして示し物語は進む。
始のころに何気なく描写された状況がラストになって重要な伏線であることに気付かず、ドンデン返しをまともに食らって後ろにひっくり返ってしまった。二転三転する真相。このままではちょっと辛いなと思いながら読み進めていたが、この鮮やかな逆転劇には正直ホッとした。ツボを得た演出と多くの伏線を回収していく巧みさ。薄暗いロンドンの街並みが眼に浮かぶ上質のミステリー。何時間か読み終えるまで世の中の煩わしさを忘れることができた。偉大な先人たちが書き記された古典的名作のエッセンスが散りばめられたこの作品。ぜひ一読を。 |
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