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審理炎上



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【この小説が収録されている参考書籍】
審理炎上
審理炎上 (幻冬舎文庫)

審理炎上の評価: 4.39/5点 レビュー 36件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.39pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全36件 1~20 1/2ページ
12>>
No.36:
(2pt)

力不足。

不自然な伏線回収。

そんなことある? って感じ。
審理炎上Amazon書評・レビュー:審理炎上より
4344017595
No.35:
(2pt)

カスタマー

交通事故の被害者が保険金を請求し、それに対し損保保険会社が払わない、そこから弁護士と法廷でやり取りする物語です。
被害者の弁護士と損保の弁護士との法廷での戦いは非常に興奮します。実際にも起こっているのではと思います。
このまま進んで決着付けてくれればよかったのですが、
(ここからはネタバレになります。この本を読まれていない人は読まないでください)
損保サイドでのこの裁判の証人の殺人が発覚し裁判は終わります。
せっかく裁判で戦っているのにこのようなことで終わるのは残念でした。
最後は被害者が請求以上の保険金をもらいますが、このような終わり方なので☆2つにしました。
途中までの流れのまま、あくまで裁判での決着であれば☆5つでした。
審理炎上Amazon書評・レビュー:審理炎上より
4344017595
No.34:
(5pt)

徹夜で読まされました

この人のデビュー作「死刑基準」を読んで、ファンになりました。
 交通事故で夫を亡くした女性が、主人公の法律事務所を訪れます。夫はトレーダーでした。彼女は、損保を相手に、損害賠償を求めたいと言います。金額は2000億円。なぜ、そんなにも高額な請求金額になるのか、この訴訟の行方はどうなるのか、気になって、一晩でいっきに読んでしまいました。
 著者が、現役弁護士とあって、法廷シーンや訴訟の進め方については、さすがリアリティがあります。
 終盤にかけて、つまびらかにされていく事実には、フィクションとわかっていても、「そんなことがあるのか!」と怒りを覚えました。そして、最後の最後で、作者にまんまと騙されました。しかし、頁を閉じて、心地よい余韻に浸りました。

 後日知ったことですが、この本は、書店のBook 1st.が選ぶイチオシ本『PUSH! 1st.』に選ばれています。Book 1st.書店員さんの言う『絶対読得宣言』は、ウソではありませんでした。
審理炎上Amazon書評・レビュー:審理炎上より
4344017595
No.33:
(3pt)

保険会社憎しの告発小説で、業界事情に詳しい人が読めば面白い。

小説に姿を借りて、全身これ「JS損保」憎しで貫かれた、損保糾弾小説。
JSとは、これをひっくり返してSJ=損保ジャパンのことであろう。
損保業界に詳しくない読者のために説明すると、SJは一昔ほど前の損保大合併(これは完全に国策であった)のとき、旧・安田火災が中小損保の幾つか(9.11テロで破綻した大成火災を引き受けさせられたのは予想外だったらしいが)を吸収合併してできた日本最大級のメガ損保である。
現在は、更に日本興亜を最近吸収してNKSJ(なぜNKが先なのかは不明)となっている。

さて、本題に入ろう。
本書はSJ社員以外の読者が読むと、これでもかの罵詈雑言には抱腹絶倒で笑い過ぎて涙が出てくるが、余りにも一方的な決め付けに気味が悪くなってきた。(本書の後半、JS損保の役員が法科大学院生の実娘を、インターンとして主人公の弁護士事務所にスパイに送り込んでくるあたりから非現実的な展開となって、小説としての価値を失うのは残念である)。

社会告発本としても価値が低いのは、著者の根本思想が、損保(SJに限らず)は必ず悪どい存在であり、被害者(と被保険者)はかならず善だとの単純対立構造で徹底されているからである。 この世界に30余年、籍を置いている私からみて現実は違う。 加茂センセイの立場を裏返せば、被害者(および被保険者)は悪どいことを企みがちな存在であり、損保は善良な契約者の負託に応え、保険料という原資を無駄にしないために(つまり公益のために)、賠償要求・保険金請求が不正不当でないか一々疑い、厳重に審査しなくてはならないことになる。 損保性悪説と被害者性悪説は、個別の案件では当たっているように見えることもあるが、一般化するのは間違いだ。

10人中、9人の保険金請求者は真っ当な人たちであり(良く考えれば、世界一、民度の高い日本なのだから当たり前である)、トラブルなく支払いが終了するものである。 一々紛糾していたら、損保の事故担当者は身がもたない。

たまにあるトラブルの原因は、賠償水準の問題(判例、自賠責、約款など)、修理工場や病院といった第三者の不手際・不正にあることもあり、当時者の単なる誤解にあることもあり、保険会社事故担当者の稚拙あるいは悪意のある対応(本書指摘のような、個々の損保、個々の拠点、担当者個人の問題が絶対ないとは言わない→後述)にあることもあり、被害者側の不当・不正請求にあることも勿論、珍しくない。 

第三者(あるいは神様)からみて損保側と請求者側のどちらにトラブルの責任割合が多いのかは、経営者でもサービスセンターの責任者でもない私には分からない。一般化してはいけないように思う。

ただ、変死事件や不正請求疑義の調査を時おり担当する私にとっても、「事実は小説より奇」だなあと感心することがときどきある。 業務遂行の過程で知った事実を公表することはできないので具体的なコメントはできない(引退したら、シチュエーションを変えて小説にしようかと思うことがある・・・)が、実損の数倍という常識外の過剰請求もままあり(顧問弁護士、リサーチ会社、鑑定事務所、会計事務所、顧問医、損保の社員であるアジャスターという専門職の出番。 著者が攻撃してやまない損保顧問弁護士の出番も激増している。一方、被害者が弁護士を立てることも珍しくない。まともな弁護士事務所なら、損保も却って歓迎できる。)、それどころか保険会社が告発すれば保険金詐欺として立件されるであろう、あからさまな不正請求すら私は現に自分の調査で扱っている。

要するに、所詮、企業も人が動かしている以上、損保の事故処理も会社により(『◎社の払い渋りは酷いですね』との他社の苦情を医療機関で耳にしたりする)、実働部隊のいるリアル損保かコールセンター通販損保かにより;同じ会社でももしかすると収益が逼迫していれば、時期によって渋くなるのかも(勿論、そんな損保はダメである)。  あるいは極論すれば、ある損保のあるサービスセンターでも担当者次第ということもありうる。 最初からすぐ『悪い被害者だ』と決め付けがちな担当者のほうが、被害者に同情的な社員の判断より結果的に当たっていたということもあるかも知れない(10に1つくらいは、であるが)。

【補足】
本書のモチーフとなったらしい、乗用車水没溺死事故(自殺疑義)や、AT車クリープ逸走事故(車両保険不正請求疑義)の事実関係については、同著者の「 自動車保険金は出ないのがフツー (2010/7 幻冬舎新書)」に詳しい。

【補足その2】
現役の弁護士さんが書いただけあり、実際の民事訴訟の過程が分かるのはいい。 訴状や準備書面の「陳述」が、実際に陳述するわけではなく、数秒で終わってしまうことに、知らない人はびっくりする。 本書にも出てくるような、刑事コロンボみたいな証人尋問(どんでん返し)のシーンが民事訴訟でも、稀だが見られることがある。 弁護士(どちら側にしても)の腕前如何である。 私自身、自分が調査を担当した保険金詐欺未遂事件(民事訴訟としては債務不存在確認訴訟)で証人となり、法廷に立ったときのことをリアルに思い出した。
審理炎上Amazon書評・レビュー:審理炎上より
4344017595
No.32:
(5pt)

痛快で大変面白い!スカッとしたい人は読んでください。

「払えない、保険会社の基準ではそうなっている」と言えば、弱い

被害者なら泣き寝入りするので、その分の支払いを免れる。

損保は、被害者への支払いを渋るが、顧問弁護士への報酬も渋って

いじめ抜く。この当たりは、実体験に基づく正直な描写だろう。

トレーダーの被害者は、200億の年収で、請求額は2000億。

保険会社は、保険金詐欺を仕立て上げたが、次々と、保険会社の不正が

明らかになって行き、最終的には、制裁的損害賠償法で、3倍の

6000億となり、損保会社は、経営破たんしてしまう。

アメリカにはこういう扱いがあるが、日本ではない。

弁護士の報酬が、2000億なんて、リーガルドリームそのもの

でしかないが、テレビドラマでネタとして使うのは、面白いだろう。
審理炎上Amazon書評・レビュー:審理炎上より
4344017595
No.31:
(5pt)

最初ビックリ! 最後スッキリ!

正月休みにBook 1st.に行ったら、「PUSH 1st.」というフェアをやっていた。Book 1st.イチオシの文庫本のフェアらしい。「絶対読得宣言!」というPOPとともに、この本が山積みになっていた。新刊の文庫本を何かと思っていたのだけど、こんなふうに「お店をあげて」という感じになっていると、やっぱり気になる。というわけで、買ってみた。そして、読んでみた。

交通事故で夫を亡くした女性が法律事務所を訪れ、損保会社に損害賠償を求めたいと言う。その請求額が、なんと2000億円‼ 冒頭でいきなりの衝撃だ。そんな金額、ありえるの? この話、どうなるの? と、ページをめくる速度があがる。
スピード感ある語り口、迫力ある原告被告の攻防、そしてサプライズ。中だるみすることのない展開に、一気に読み切ってしまった。結末は、なんとも爽快! こんな仕掛けが、作者にあったとは! 売り場に「迫真のリーガルサスペンス」と書かれていたが、まさにその通りだった。

物語の骨子は裁判の成り行きだが、原告女性の人生、亡くなった被害者の人生、弁護士の苦労や苦悩、登場人物の内面が丁寧に描かれているので、感情を動かされる。
裁判の準備や法廷の場面が臨場感たっぷりなのは、やはり作者が現役弁護士だからだろう。裁判って、どんなふうにおこなわれて、どんなふうに進んでいくんだろう、という好奇心を満たしてくれる。また、損害賠償金の算出や保険会社の体質など、一般人には縁遠いことがわかりやすく書かれているのも、興味深かった。
主人公の奥様がヴァイオリニストなんていう設定は、クラシック音楽ファンは、ちょっとニヤリとしてしまう。シャンパンの銘柄がでてくるのも、登場人物の好みがわかって、お近づきになりたくなる。そういう粋な味付けも、魅力的だ。
審理炎上Amazon書評・レビュー:審理炎上より
4344017595
No.30:
(5pt)

興味ある損害賠償

保険会社の調査員、弁護士による保険詐欺事件の解決を主題とした作品はある程度読んだが、本作品ような逆のケースの作品は初めてだ。
裁判が進行する内に原告に関する不利な証拠が次々に出され、これがやがて保険会社が仕組んだ殺人事件まで発展するなど保険会社を厳しく非難した作品は注目に値する。
それにしても2000億円を越す損害賠償が存在すること事態に驚きを隠せない。
一般文学通算863作品目の感想。2014/08/09 13:55
審理炎上Amazon書評・レビュー:審理炎上より
4344017595
No.29:
(3pt)

裁判手続きの流れがわかります

タイトルから胡散臭くて読み気が出ないまま居ました。が、「弱者救済」のために手続きし、作戦し、できることをする姿にハマりました。読み出したら裁判手続きが参考になりハマりました。最後ハマりました。スカッとしました。
39章に成川大都の母親の、「若い頃はスナック勤めのかたわら、化粧品販売もして、その後宅建資格をとり」働きづめで彼を大学まで出したという箇所がある。そんな人のために働く日本人の姿にしびれました。
審理炎上Amazon書評・レビュー:審理炎上より
4344017595
No.28:
(2pt)

99.9%ないことが現実に起きた小説

本書では、最後に、

「この小説に描いたような経済的幸運が、私を含め一般の弁護士に訪れることはない。
理論上は不可能ではないにしても、現実的には99.9%ない」

と書かれています。

経済的幸運どころか、
小説に書かれていること自体が現実的には99.9%ない
ので、内容自体がリアルさに乏しいです。

つまり、
・損保が訴訟で偽証用の目撃証人を仕立てて、報酬を支払ったり、
・損保が相手側弁護士事務所に役員の娘をスパイとして送りこんだり、
ついには、
・損保が役員会で目撃者の殺人を話し合い、実行に移したりと、

こんなことは99.9%ありえません。(いくら小説とはいえ)あまりにも現実離れしすぎています。

一方で、小説中の
「保険会社というものは、保険金の支払いを免れるためなら、何でもしますよ。」
というベテラン弁護士の発言は、
(日々の業務で損保と争っている)著者の本音であり主張とも感じられます。

さて、
第一東京弁護士会は10年12月27日、依頼人の交通事故の後遺症を誇張したとして
、本書の作者である、加茂隆康弁護士(61)を業務停止4カ月の懲戒処分としたそうです。

損保が事故内容をでっちあげ殺人まで犯すというような、
99.9%
ありえないような話を書いた小説の作者が、
交通事故の後遺症をでっちあげて懲戒処分されたという
99.9%
ありえないようなことが現実に起きたことは、何とも皮肉としかいいようがありません。


(作者にも言い分があるでしょうから、是非聞きたいところです)
審理炎上Amazon書評・レビュー:審理炎上より
4344017595
No.27:
(2pt)

99.9%ないことが現実に起きた小説

本書では、最後に、

「この小説に描いたような経済的幸運が、私を含め一般の弁護士に訪れることはない。
理論上は不可能ではないにしても、現実的には99.9%ない」

と書かれています。

経済的幸運どころか、
小説に書かれていること自体が現実的には99.9%ない
ので、内容自体がリアルさに乏しいです。

つまり、
・損保が訴訟で偽証用の目撃証人を仕立てて、報酬を支払ったり、
・損保が相手側弁護士事務所に役員の娘をスパイとして送りこんだり、
ついには、
・損保が役員会で目撃者の殺人を話し合い、実行に移したりと、

こんなことは99.9%ありえません。(いくら小説とはいえ)あまりにも現実離れしすぎています。

一方で、小説中の
「保険会社というものは、保険金の支払いを免れるためなら、何でもしますよ。」
というベテラン弁護士の発言は、
(日々の業務で損保と争っている)著者の本音であり主張とも感じられます。

さて、
第一東京弁護士会は10年12月27日、依頼人の交通事故の後遺症を誇張したとして
、本書の作者である、加茂隆康弁護士(61)を業務停止4カ月の懲戒処分としたそうです。

損保が事故内容をでっちあげ殺人まで犯すというような、
99.9%
ありえないような話を書いた小説の作者が、
交通事故の後遺症をでっちあげて懲戒処分されたという
99.9%
ありえないようなことが現実に起きたことは、何とも皮肉としかいいようがありません。


(作者にも言い分があるでしょうから、是非聞きたいところです)
審理炎上 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:審理炎上 (幻冬舎文庫)より
4344417429
No.26:
(5pt)

一粒で二度おいしい!

前作の「死刑基準」に比べ、驚く程正面を切ったエンターテインメントに仕上がっていると感じました。  新人弁護士vs巨大損保という構図。そして、何しろ請求金額が2000億円。それが死亡事故の保険金という性質のものであると知っても、読者としてはワクワクを禁じ得ません。もっとも、この途方もない金額こそが曲者でした。ふつう弁護士を主人公とした作品では、読者は安易に被害者側に感情移入し、一方的に相手方を糾弾する視点をとってしまいがちではないでしょうか。しかし、2000億円・・・何か裏があるのではないか?ひょっとして依頼人こそが主人公を騙しているのでは?    終始そんな不安が付き纏う結果、私は損保は勿論のこと、依頼人も信じ切ることができず、    次々明らかになる事実に振り回されっぱなしでした。疑い疑われ、騙し騙され、物語はスピーディに展開していきます。そして最後は・・・リーガル・ドリームですね。実に、痛快。本書は上質なエンターテインメントであると同時に、現実にあり得る損保の不払いへの警鐘でもあります。正に一粒で二度おいしい、です。
審理炎上Amazon書評・レビュー:審理炎上より
4344017595
No.25:
(5pt)

一粒で二度おいしい!

前作の「死刑基準」に比べ、驚く程正面を切ったエンターテインメントに
仕上がっていると感じました。  
新人弁護士vs巨大損保という構図。
そして、何しろ請求金額が2000億円。
それが死亡事故の保険金という性質のものであると知っても、読者としてはワクワク
を禁じ得ません。

もっとも、この途方もない金額こそが曲者でした。
ふつう弁護士を主人公とした作品では、読者は安易に被害者側に感情移入し、
一方的に相手方を糾弾する視点をとってしまいがちではないでしょうか。
しかし、2000億円・・・
何か裏があるのではないか?ひょっとして依頼人こそが主人公を騙しているのでは?    
終始そんな不安が付き纏う結果、私は損保は勿論のこと、依頼人も信じ切ることができず、    
次々明らかになる事実に振り回されっぱなしでした。

疑い疑われ、騙し騙され、物語はスピーディに展開していきます。
そして最後は・・・リーガル・ドリームですね。実に、痛快。

本書は上質なエンターテインメントであると同時に、現実にあり得る損保の不払いへの
警鐘でもあります。
正に一粒で二度おいしい、です。
審理炎上 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:審理炎上 (幻冬舎文庫)より
4344417429
No.24:
(5pt)

騙し騙され、最後はスッキリ!

損保相手に損害賠償を請求したいと成川映子は狩田法律事務所へやってきた。請求額は2000億円。前代未聞の請求額に新人弁護士の水戸が挑む。弁護士の作者だからこその法廷のリアルな臨場感、緊張溢れる被告原告の攻防戦にドキドキワクワクしながら読みました。専門的に偏った難しいところがなく、すらすら読める文章からスピード感と緊張感がさらに増します。最初は現実味のない高額な請求額に違和感を覚えましたが、あとがきの作者からのメッセージを読んで納得!そしてこれは単なるミステリー小説じゃなく、大なり小なりあるであろう損保の実態に対する警鐘と感じました。
審理炎上Amazon書評・レビュー:審理炎上より
4344017595
No.23:
(5pt)

物凄いLegal Dreamに言葉が出ない・・。

本書のストーリーは十分あり得る保険金請求、或いは殺人・保険金詐欺だ。しかし裁判の結果は賠償金額的に「リーガル・サスペンス」どころではない。「リーガル・ドリーム」である。だから米国では制裁的損害賠償も含め弁護士が賠償請求額の極大化を図り、どんなに些細なことでも訴訟が頻繁に起こされる訳だ。しかしここは日本、本書の初っ端から依頼者の賠償請求額と金額算定に度肝を抜かれる。原告になる成川映子(32歳)。夫が交通事故で亡くなり、損害賠償を請求したいと訪れたのが「狩田一穂法律事務所」。著者の加茂弁護士が専門とする事件である。しかし事例としては尋常ではない。当事務所の新米弁護士の「私」こと水戸裕介が受付けた。被害者は依頼者の夫である成川大都、フリーのトレーダーで生前の年収は半端ではない。損害額計算書を見れば唖然とする。葬儀費と死亡慰謝料は普通だが、問題は逸失利益の算定額だ。加害者は日高治樹。スイスの高級腕時計ブランドの「ヴィンセント・フーガ・ジャパン」のマネジャーだ。その裏には任意保険のジャパン・センシブル損保(日本損保業界1位、世界第2位)がいる。当然に損保会社は支払いに消極的だ。ところで訴状の提出に必要な印紙税額は2億652万円にもなる。つまり賠償請求額は恐ろしい数字なのである。双方の弁護士の動き、原告や補助参加人の準備書面や、意見書、上申書、答弁書、裁判所での口頭弁論の様子等々臨場感あり参考になる。本件はそもそもが高額の請求額に加えて、日本では存在しない制裁的損害賠償額が上乗せされたフィクションであるが、今後日本も弁護士数が増え、更に訴訟社会になればこのようなケースも出てくるかもしれない。それにしてもこの大金に、原告の成川夫人、狩田先生、水戸先生の今後の人生が狂わぬように。
審理炎上Amazon書評・レビュー:審理炎上より
4344017595
No.22:
(5pt)

物凄いLegal Dreamに言葉が出ない・・。

本書のストーリーは十分あり得る保険金請求、或いは殺人・保険金詐欺だ。しかし裁判の結果は賠償金額的に「リーガル・サスペンス」どころではない。「リーガル・ドリーム」である。だから米国では制裁的損害賠償も含め弁護士が賠償請求額の極大化を図り、どんなに些細なことでも訴訟が頻繁に起こされる訳だ。しかしここは日本、本書の初っ端から依頼者の賠償請求額と金額算定に度肝を抜かれる。原告になる成川映子(32歳)。夫が交通事故で亡くなり、損害賠償を請求したいと訪れたのが「狩田一穂法律事務所」。著者の加茂弁護士が専門とする事件である。しかし事例としては尋常ではない。当事務所の新米弁護士の「私」こと水戸裕介が受付けた。被害者は依頼者の夫である成川大都、フリーのトレーダーで生前の年収は半端ではない。損害額計算書を見れば唖然とする。葬儀費と死亡慰謝料は普通だが、問題は逸失利益の算定額だ。加害者は日高治樹。スイスの高級腕時計ブランドの「ヴィンセント・フーガ・ジャパン」のマネジャーだ。その裏には任意保険のジャパン・センシブル損保(日本損保業界1位、世界第2位)がいる。当然に損保会社は支払いに消極的だ。ところで訴状の提出に必要な印紙税額は2億652万円にもなる。つまり賠償請求額は恐ろしい数字なのである。双方の弁護士の動き、原告や補助参加人の準備書面や、意見書、上申書、答弁書、裁判所での口頭弁論の様子等々臨場感あり参考になる。本件はそもそもが高額の請求額に加えて、日本では存在しない制裁的損害賠償額が上乗せされたフィクションであるが、今後日本も弁護士数が増え、更に訴訟社会になればこのようなケースも出てくるかもしれない。それにしてもこの大金に、原告の成川夫人、狩田先生、水戸先生の今後の人生が狂わぬように。
審理炎上 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:審理炎上 (幻冬舎文庫)より
4344417429
No.21:
(5pt)

騙し騙され、最後はスッキリ!

損保相手に損害賠償を請求したいと成川映子は狩田法律事務所へやってきた。請求額は2000億円。前代未聞の請求額に新人弁護士の水戸が挑む。
弁護士の作者だからこその法廷のリアルな臨場感、緊張溢れる被告原告の攻防戦にドキドキワクワクしながら読みました。
専門的に偏った難しいところがなく、すらすら読める文章からスピード感と緊張感がさらに増します。
最初は現実味のない高額な請求額に違和感を覚えましたが、あとがきの作者からのメッセージを読んで納得!
そしてこれは単なるミステリー小説じゃなく、大なり小なりあるであろう損保の実態に対する警鐘と感じました。
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4344417429
No.20:
(4pt)

法廷でのリアルな攻防が楽しめた

事故で亡くなった男の損害賠償額は2000億円。大手損保会社への前代未聞の多額請求だが、損保側は事故ではなく故意に起こした事件として支払を拒否。保険金を請求するクライアントと支払を拒否する損保、真っ向から対立する双方の議論と法廷での攻防がリアルで楽しめた。本書では、まだ日本では制定されておらず、著者が創造した制裁的損害賠償法という新しい法律の話もあげられていたが、まさにこの法律を適用するに相応しい事件だった。

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4344417429
No.19:
(4pt)

法廷でのリアルな攻防が楽しめた

事故で亡くなった男の損害賠償額は2000億円。大手損保会社への前代未聞の多額請求だが、損保側は事故ではなく故意に起こした事件として支払を拒否。保険金を請求するクライアントと支払を拒否する損保、真っ向から対立する双方の議論と法廷での攻防がリアルで楽しめた。本書では、まだ日本では制定されておらず、著者が創造した制裁的損害賠償法という新しい法律の話もあげられていたが、まさにこの法律を適用するに相応しい事件だった。
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4344017595
No.18:
(5pt)

あっという間に読みきる面白さ!

 前作の『死刑基準』で、ファンになってしまいました。今回は帯の「損害賠償額は2000億円」の文字に、どうやったらそんな額が請求できるの?どんな事件なの?と興味をそそられました。
 交通事故がらみの損保会社の不払いについて、現役の交通事故専門の弁護士だから書けるリアルな描写は、著者の実体験を反映している様でもあり、フィクションでありながらノンフィクションを思わせるリアルさを感じさせた。
 次回作も楽しみです!
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4344017595
No.17:
(5pt)

あっという間に読みきる面白さ!

前作の『死刑基準』で、ファンになってしまいました。今回は帯の「損害賠償額は2000億円」の文字に、どうやったらそんな額が請求できるの?どんな事件なの?と興味をそそられました。
 交通事故がらみの損保会社の不払いについて、現役の交通事故専門の弁護士だから書けるリアルな描写は、著者の実体験を反映している様でもあり、フィクションでありながらノンフィクションを思わせるリアルさを感じさせた。
 次回作も楽しみです!
審理炎上 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:審理炎上 (幻冬舎文庫)より
4344417429

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