庭の桜、隣の犬
評判
庭の桜、隣の犬の評価:
3.57/5点 レビュー 7件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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庭の桜、隣の犬の評価:
3.57/5点 レビュー 7件。 C ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
子供こそまだいないが、主人公の房子と宗二、30代の夫婦は仕事もある、家もある、親もいる、平均的な夫婦である。ところがこの夫婦、拠り所がないというか読んでいて頼りない。お互いの信頼も生活の密度も、人が居てそこで泣いたり笑ったりしているという“温度”がどうにも伝わってこない。
それでいて、房子の実家の父母の言葉、一挙手一投足はさもありなんというほどに、とてもリアルなのである。
宗二の母に至っては現役ばりばりの「人生」に前向きな人物像だ。
自分たちなりの解釈なしに結婚して、行き場のない思いにとまどう30代の夫婦と、60代の、世間並みかそのちょっと上の生活を手にすることを目指して、黙々と営んできた生活を疑うこともない夫婦の対比が、とてもおもしろい。
宗二が会社の近くに自分だけの安アパートを借りて、一人安らぐ居場所を確保するのは、夫婦間の愛とか信頼感が希薄で、家庭というものに自分が属しているという観念がないからだ。
房子にしても、宗二の母の前では「嫁」という役割をしっかりこなせるのに、その役を降りている時はふらふら出歩き、自分の在るべき場所を探したりする。
家族、親族の中の役割はすごくうっとうしいけれど、ある意味、好むと好まざるとに関わらず、自分というものをしっかり繋ぎ止めるロープのようなものなんだなあと、再認識させられた。
「庭の桜」は家族のシンボル。幸せの証。……これが親世代。「隣の犬」は飼うことの煩雑さを省いたお手軽な、気分だけの借り物。これが房子たち。
結婚という問題の、“答え”に正解はないのかもしれない。相手にとまどい自分にとまどう房子と宗二。ラストシーンの房子の心中は、どうだったのか?もの凄くあれこれ考えてしまい、なかなか頁を閉じられなかった。