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よろこびの歌



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よろこびの歌の評価: 4.55/5点 レビュー 42件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.55pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全42件 41~42 3/3ページ
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No.2:
(5pt)

こんな気持ち、忘れかけていた。

すでに大人になってしまった自分からすると、通勤のときにすれ違う
制服姿の少女たちは本当にまぶしい。皆に光が当たっていて、とても
幸福そうに見える。自分の十代がそれなりに大変だったことなんて
平然と忘れて、うらやましいななんてみている。

そんな「十代ゆえの悩みやくるしみや痛み」を、この小説の作者は
きちんと覚えている。進路のこと、才能のこと、その他もろもろで
挫折を経験した少女たちが、それぞれのスタンスで「合唱」に
参加して、ひとつのハーモニーを作り上げていく連作短編集。
各章のヒロインたちは皆、自分の悩みの前で、若さゆえに無力だったり
考え方が狭くなったりしながらも、誰かに頼ったりずるをしないで
自分なりのせいいっぱいにたどり着く。そのすがすがしい姿に
何度も涙がでそうになった。

そして、やっぱり、十代って、苦しいけどまぶしいな、と改めて
思ったのだった。
よろこびの歌 (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:よろこびの歌 (実業之日本社文庫)より
440855099X
No.1:
(5pt)

各短編のラストごとに、じんわりと泣けてくる傑作

名作『スコーレ No.4』の作者による三冊目の作品集。
連作短編の形式を採っており、表題作は同じ出版社の
『Re-born はじまりの一歩』というアンソロジーに
収録されていた。現在最も私が注目する作家である。

あらすじを書いてしまえば、音大付属高校の受験に失敗した
主人公と、おなじくどこか挫折感を抱えた女子高生たちが
合唱という一つの目的に向かう、という青春群像劇である。

青春モノとしてはありきたりのシチュエーションであろう。
しかし各短編のクライマックスを巧みにずらすテクニックや
ハイティーンの感情の揺れを繊細に紡いでいく筆致や
各物語の最後に立ち現れる、揺ぎ無い、眩しい希望が
読者の内の少年少女を、しかと揺すぶるのだ。

各短編のラストごとに、じんわりと泣けてくる傑作。
よろこびの歌 (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:よろこびの歌 (実業之日本社文庫)より
440855099X

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