玉三郎の「風を得て」
評判
玉三郎の「風を得て」の評価:
4.14/5点 レビュー 14件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1〜14 1/1ページ
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玉三郎の「風を得て」の評価:
4.14/5点 レビュー 14件。 B ランク
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両者は30年来の交流があるという。最初のインタビューの時に、作者は歌舞伎に対する無知を率直に伝えた。
世阿弥の「離見の見」の精神を大事にしていた玉三郎さんは彼に胸襟を開いた。世にいう相性が良かったようだ。
「坂東玉三郎とは何者なのか?」という帯の挑戦的な問いが素敵だ。前半では『国宝』のストーリー展開を意識して、シンイチという一人の下町育ちの少年の病気から、日本舞踊の稽古、森田勘弥への弟子入りと、小説風に語られている。天才的な女形役者玉三郎さんの人生の出発点が見えてきた。
壮年期に家元制度の経験で博士論文を書いた。渡辺保氏の黙阿弥論や西山松之助氏の家元論を読んだ。国立劇場で先代中村又五郎さんにインタービューをした。
今回の作者の玉三郎論は、作者が歌舞伎評論家でないことで、玉三郎さんが一回性、身体性に基づく伝統芸能演者として深めてきた独自の世界観、自然観、文化観を見事に引き出している。
一億総AI賛美者化している感のある現代日本社会に、玉三郎さんは警鐘を鳴らしている。
これは立派な文明論だ、思った。吉田修一氏の小説や映画の「国宝」はフィクションだが、本物の国宝の玉三郎さんの生き様や思索の一端を後世に残すことになった本書の文化的歴史的価値は実に大きい。