室町少年倶楽部

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評判

室町少年倶楽部の評価:

4.58/5点 レビュー 19件。 A ランク

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平均点4.58pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全33件 21〜33 2/2ページ
No.13
(4pt)

美に殉じる“デカダンス将軍”義政

表題作と「室町の大予言」の中篇2作を収める。室町ものは著者最晩年の仕事で、初出はともに1989年の文芸誌。
 両作とも軽い書き方だが、史実に沿って進行していく歴史小説に近い叙述で、創作キャラはほとんど登場せず、伝奇度はあまり高くない。 

 「室町の大予言」。
 何とくじ引きで後継に決まった足利6代将軍、義教(よしのり)。この時の「楠木くじ」は今でいう「あみだくじ」で、本書では楠木正成が発明したとしている(史実かどうか不明)。戦陣で採用する兵法もこれで決めたことが多々あったというからビックリ。本来のあみだくじは別の形式だったと著者は書いている。
 
 物語を推進する大予言は二つあり、どちらも謎めいた書き方で(ノストラダムスの影響か?)一定の解釈はむつかしい。
 一つ目は天王寺に伝わる聖徳太子が書いたという「天王寺未来記」で、正成が読む。二つ目は本能寺に伝わる日蓮の予言「本能寺未来記」。その予言に導かれるようにして赤松満祐(みつすけ)が義教を暗殺し、そして滅んでいく。
 解説の鹿島茂は2本とも史実ではないかと推測しているが、本能寺未来記は風太郎の創作ではないか。謎めいた文言だが、素人が読んでも誰の出現を予告しているのかわかる書き方だ。

 「室町少年倶楽部」。
 8代将軍義政と周辺の人々、特に細川勝元(後の管領)との関係をその幼児期から歴史小説風に描く。創作キャラはほとんど登場しないが、登場する実在キャラが濃いので展開はとても面白い。

 義政が政治に背を向け“デカダンス将軍”へと変貌して銀閣寺を遺し、一方で時代が応仁の変へとなだれ込んでいく過程が説得力をもって描かれる。鹿島が言うように、時代の進展に目を背け“少年倶楽部”にとどまって美に殉じる義政を描き切って、時代をも描くことに成功している。
 ただ、非常に良い出来ではあるが、全盛期に比べ文章の粘りのようなものが薄れているという感を免れないのが惜しい。
室町少年倶楽部 (文春文庫 や 6-15) Amazon書評・レビュー: 室町少年倶楽部 (文春文庫 や 6-15)より
4167183153
No.12
(5pt)

良い商品でした

とても良い状態の商品でした。値段の設定も良心的で、満足しました。
室町少年倶楽部 Amazon書評・レビュー: 室町少年倶楽部より
4163157603
No.11
(5pt)

良い商品でした

とても良い状態の商品でした。値段の設定も良心的で、満足しました。
室町少年倶楽部 (文春文庫 や 6-15) Amazon書評・レビュー: 室町少年倶楽部 (文春文庫 や 6-15)より
4167183153
No.10
(5pt)

山田風太郎の集大成

山田風太郎の室町物は初読。多くの読書子が高評価を与えているシリーズらしい。作者晩年の集大成と言ってもいいと思う。この版は中編が二本。「室町の大予言」と表題作が収録されている。どちらも上質な歴史小説と言って良い?まあ、定義にもよるが。室町時代って何故か影が薄い。英雄が少ない。後の戦国時代が華々しいのに比べると一目瞭然。大スターの義満だって実は金閣寺と能楽とセットで知っている位が普通の様な気がする。こういうハンデを負いながらも、二編とも重層的な面白さに満ちている。鹿島茂さんが解説で絶賛して居るのもうなづける(実は此れだけで買いなのだが)。読後、中編ながら掴み所のない室町期がなんとなく分かった気がした。これは明治物を通して明治時代の理解が深まったのと同じ構造の様な気がする。ウソが多く、殊更古びた描写が有るわけではなくともヤッパリ歴史小説なのだ。それも良質の。得意技の同時代有名人遭遇もちゃんと有ったし。大満足
室町少年倶楽部 Amazon書評・レビュー: 室町少年倶楽部より
4163157603
No.9
(5pt)

山田風太郎の集大成

山田風太郎の室町物は初読。多くの読書子が高評価を与えているシリーズらしい。作者晩年の集大成と言ってもいいと思う。この版は中編が二本。「室町の大予言」と表題作が収録されている。どちらも上質な歴史小説と言って良い?まあ、定義にもよるが。室町時代って何故か影が薄い。英雄が少ない。後の戦国時代が華々しいのに比べると一目瞭然。大スターの義満だって実は金閣寺と能楽とセットで知っている位が普通の様な気がする。こういうハンデを負いながらも、二編とも重層的な面白さに満ちている。鹿島茂さんが解説で絶賛して居るのもうなづける(実は此れだけで買いなのだが)。読後、中編ながら掴み所のない室町期がなんとなく分かった気がした。これは明治物を通して明治時代の理解が深まったのと同じ構造の様な気がする。ウソが多く、殊更古びた描写が有るわけではなくともヤッパリ歴史小説なのだ。それも良質の。得意技の同時代有名人遭遇もちゃんと有ったし。大満足
室町少年倶楽部 (文春文庫 や 6-15) Amazon書評・レビュー: 室町少年倶楽部 (文春文庫 や 6-15)より
4167183153
No.8
(5pt)

小説の神様の手になる傑作!

忍法帖から明治物を経て、山田風太郎が最後に辿りついたのが絢爛たる妖しの室町時代だった。乏しい知識を総動員してぼくなりに室町時代を考察してみるに、あの時代とは戦国の世と江戸時代とが巧みにブレンドされた時代のように思えるのだが、どうだろうか?

将軍家は義満の時代から花の御所や北山第を建築、栄華の限りを尽くし八代将軍義政の世にはさらに豪奢な生活に明け暮れ、その政治に携わることない無責任さが応仁の大乱をひき起こした。本書には二編収録されているのだが、表題作はその義政を描いた好編である。義政が三春丸と呼ばれていた幼少から、応仁の乱が起こる晩年までを描いている。

いかにもそつがなく、流れるように読みすすめられる小説の見本のような作品だ。室町の時代が内包する狂気が絢爛さの中でにぶく光っており、まだ呪術や妖魔が信じられていた時代の雰囲気がプンプン匂っている。もう一編の「室町の大予言」は、義政の父にあたる義教が主人公。義教は三代将軍義満の三男であり、本来なら将軍職につくことのない人生を送るはずだったのだが、五代将軍義量(義教の兄である四代将軍義持の子)の急逝によりくじ引きで将軍職におさまった変り種である。風太郎はこの歴史的事実をもとに、謎の予言書「本能寺未来記」なるものを配し室町の世に魔界を現出した。もうここまでくると曲芸に近い技の冴えをみせている。さすが風太郎。晩年の作品にもかかわらず、その質は衰えることがない。魔界としての室町を縦横無尽に書き尽くし、艶やかで凄惨な印象を与えて秀逸である。ほんと風太郎って小説の神様なんだなぁ。
室町少年倶楽部 Amazon書評・レビュー: 室町少年倶楽部より
4163157603
No.7
(5pt)

小説の神様の手になる傑作!

忍法帖から明治物を経て、山田風太郎が最後に辿りついたのが絢爛たる妖しの室町時代だった。乏しい知識を総動員してぼくなりに室町時代を考察してみるに、あの時代とは戦国の世と江戸時代とが巧みにブレンドされた時代のように思えるのだが、どうだろうか?

将軍家は義満の時代から花の御所や北山第を建築、栄華の限りを尽くし八代将軍義政の世にはさらに豪奢な生活に明け暮れ、その政治に携わることない無責任さが応仁の大乱をひき起こした。本書には二編収録されているのだが、表題作はその義政を描いた好編である。義政が三春丸と呼ばれていた幼少から、応仁の乱が起こる晩年までを描いている。

いかにもそつがなく、流れるように読みすすめられる小説の見本のような作品だ。室町の時代が内包する狂気が絢爛さの中でにぶく光っており、まだ呪術や妖魔が信じられていた時代の雰囲気がプンプン匂っている。もう一編の「室町の大予言」は、義政の父にあたる義教が主人公。義教は三代将軍義満の三男であり、本来なら将軍職につくことのない人生を送るはずだったのだが、五代将軍義量(義教の兄である四代将軍義持の子)の急逝によりくじ引きで将軍職におさまった変り種である。風太郎はこの歴史的事実をもとに、謎の予言書「本能寺未来記」なるものを配し室町の世に魔界を現出した。もうここまでくると曲芸に近い技の冴えをみせている。さすが風太郎。晩年の作品にもかかわらず、その質は衰えることがない。魔界としての室町を縦横無尽に書き尽くし、艶やかで凄惨な印象を与えて秀逸である。ほんと風太郎って小説の神様なんだなぁ。
室町少年倶楽部 (文春文庫 や 6-15) Amazon書評・レビュー: 室町少年倶楽部 (文春文庫 や 6-15)より
4167183153
No.6
(5pt)

あと十年の寿命があれば

室町ものの傑作です。風太郎さんにあと十年の寿命があれば、このジャンルは時代小説界で何本もの名作を産み出す大鉱脈になっていた筈。きっと風太郎さんは関心を持っていた蓮如を登場させた大娯楽小説を書き、蓮如の業とその迫力を書いていたと思います(もう叶わない願望ですが)。老齢で亡くなった方なのに、その早すぎる死を惜しんで余りあります。
室町少年倶楽部 Amazon書評・レビュー: 室町少年倶楽部より
4163157603
No.5
(5pt)

あと十年の寿命があれば

室町ものの傑作です。風太郎さんにあと十年の寿命があれば、このジャンルは時代小説界で何本もの名作を産み出す大鉱脈になっていた筈。きっと風太郎さんは関心を持っていた蓮如を登場させた大娯楽小説を書き、蓮如の業とその迫力を書いていたと思います(もう叶わない願望ですが)。老齢で亡くなった方なのに、その早すぎる死を惜しんで余りあります。
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4167183153
No.4
(4pt)

最晩年に挑んだジャンル

最近、ホラー・時代伝奇作家の朝松健がものしている分野が室町時代である。この今日見る形での時代伝奇「室町もの」のはしりは間違いなく山田風太郎に見る事が出来る。しかし山田風太郎は「忍法帖」「明治もの」という二大ジャンルで確立したものを創り出す事はなかった。
 この作品の他にも「婆沙羅」「室町お伽草子」など数点のみで彼の最晩年に挑んだ分野は途切れてしまう。もし、現在ちくま文庫刊行中の忍法帖短編集のごとき網目の巨大なサーガが編まれていたら。山田風太郎「室町もの」はもっと普通に知られていたに違いない。
 なにせ室町という混沌とした時代はまさに著者が描こうとした奇怪な世界そのものだったのだ。その事を思うと残念で仕方がない。
室町少年倶楽部 Amazon書評・レビュー: 室町少年倶楽部より
4163157603
No.3
(4pt)

最晩年に挑んだジャンル

最近、ホラー・時代伝奇作家の朝松健がものしている分野が室町時代である。この今日見る形での時代伝奇「室町もの」のはしりは間違いなく山田風太郎に見る事が出来る。しかし山田風太郎は「忍法帖」「明治もの」という二大ジャンルで確立したものを創り出す事はなかった。
 この作品の他にも「婆沙羅」「室町お伽草子」など数点のみで彼の最晩年に挑んだ分野は途切れてしまう。もし、現在ちくま文庫刊行中の忍法帖短編集のごとき網目の巨大なサーガが編まれていたら。山田風太郎「室町もの」はもっと普通に知られていたに違いない。
 なにせ室町という混沌とした時代はまさに著者が描こうとした奇怪な世界そのものだったのだ。その事を思うと残念で仕方がない。
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4167183153
No.2
(5pt)

未だ覚めやらぬ鈍い衝撃の中で

最近、「バジリスク」のヒットのお蔭で再び山田風太郎が読まれている。風太郎は原作の「甲賀忍法帖」を皮切りに数々の忍法帖を送り出して大衆小説の重鎮としての地位を固め、後に明治ものに転じ、数年前にドラマ化された「警視庁草子」を初めとしてここでも大ヒットを収めた。この「室町少年倶楽部」はその後「婆沙羅」や「室町お伽草子」と並んで発表された室町ものの一篇で、いわば晩年の作品である。
ではパワー不足なのかというと、そんなことはない。この本に収録されている内の一作目、「室町の大予言」は彼一流のエスプリを、表題作は虚無感を、それぞれ内蔵し、必ずや読者を仰天させるだろう。
特に表題作を再読し、結末に至ったときの衝撃はなお筆者の心を捉えて話さない。俗に暗君と呼ばれる足利義政の哄笑は、この時代をも嘲笑っている。-是非その眼で確かめてほしい。
室町少年倶楽部 Amazon書評・レビュー: 室町少年倶楽部より
4163157603
No.1
(5pt)

未だ覚めやらぬ鈍い衝撃の中で

最近、「バジリスク」のヒットのお蔭で再び山田風太郎が読まれている。風太郎は原作の「甲賀忍法帖」を皮切りに数々の忍法帖を送り出して大衆小説の重鎮としての地位を固め、後に明治ものに転じ、数年前にドラマ化された「警視庁草子」を初めとしてここでも大ヒットを収めた。この「室町少年倶楽部」はその後「婆沙羅」や「室町お伽草子」と並んで発表された室町ものの一篇で、いわば晩年の作品である。
ではパワー不足なのかというと、そんなことはない。この本に収録されている内の一作目、「室町の大予言」は彼一流のエスプリを、表題作は虚無感を、それぞれ内蔵し、必ずや読者を仰天させるだろう。
特に表題作を再読し、結末に至ったときの衝撃はなお筆者の心を捉えて話さない。俗に暗君と呼ばれる足利義政の哄笑は、この時代をも嘲笑っている。-是非その眼で確かめてほしい。
室町少年倶楽部 (文春文庫 や 6-15) Amazon書評・レビュー: 室町少年倶楽部 (文春文庫 や 6-15)より
4167183153