室町少年倶楽部
評判
室町少年倶楽部の評価:
4.58/5点 レビュー 19件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21〜33 2/2ページ
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室町少年倶楽部の評価:
4.58/5点 レビュー 19件。 A ランク
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両作とも軽い書き方だが、史実に沿って進行していく歴史小説に近い叙述で、創作キャラはほとんど登場せず、伝奇度はあまり高くない。
「室町の大予言」。
何とくじ引きで後継に決まった足利6代将軍、義教(よしのり)。この時の「楠木くじ」は今でいう「あみだくじ」で、本書では楠木正成が発明したとしている(史実かどうか不明)。戦陣で採用する兵法もこれで決めたことが多々あったというからビックリ。本来のあみだくじは別の形式だったと著者は書いている。
物語を推進する大予言は二つあり、どちらも謎めいた書き方で(ノストラダムスの影響か?)一定の解釈はむつかしい。
一つ目は天王寺に伝わる聖徳太子が書いたという「天王寺未来記」で、正成が読む。二つ目は本能寺に伝わる日蓮の予言「本能寺未来記」。その予言に導かれるようにして赤松満祐(みつすけ)が義教を暗殺し、そして滅んでいく。
解説の鹿島茂は2本とも史実ではないかと推測しているが、本能寺未来記は風太郎の創作ではないか。謎めいた文言だが、素人が読んでも誰の出現を予告しているのかわかる書き方だ。
「室町少年倶楽部」。
8代将軍義政と周辺の人々、特に細川勝元(後の管領)との関係をその幼児期から歴史小説風に描く。創作キャラはほとんど登場しないが、登場する実在キャラが濃いので展開はとても面白い。
義政が政治に背を向け“デカダンス将軍”へと変貌して銀閣寺を遺し、一方で時代が応仁の変へとなだれ込んでいく過程が説得力をもって描かれる。鹿島が言うように、時代の進展に目を背け“少年倶楽部”にとどまって美に殉じる義政を描き切って、時代をも描くことに成功している。
ただ、非常に良い出来ではあるが、全盛期に比べ文章の粘りのようなものが薄れているという感を免れないのが惜しい。