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(短編集)
血腐れ
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血腐れの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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初めて読む作家でしたが、どの作品も読みやすく、さくさくっと読んでくことができました。 六つの短篇が収められていて、どの作品にも、〝家族〟の関係が影を落としています。イヤミスの雰囲気が濃い、ホラー・サスペンスの味わい。以下に記す収録六篇の初出はすべて、「小説新潮」に掲載されたものです。 | ||||
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マジで怖かった〜〜〜!! ホラーはいくつか読みましたが、不穏さを感じつつ終える後味の悪さもふくめて、本作は見事にホラーをやっていました。 それも単に怪異が出てきて暴れまわるような、サメ映画ではなく、人間の業の深さを描いた「ヒトコワ」の要素アリアリです。 本作は全6篇のオムニバスホラーとなっていますが、ミステリー要素あり、ヒトコワのサイコパスあり、そこに襲いかかる怪異のホラーありと、一話一話に恐怖が凝縮されています。 一話が50ページに満たないので、読みたいときにもいつでも読める、手軽な文庫本としてもオススメできます。 ……バッグに入れて、会社や学校の休憩時間に読むのもよし。 ……忘れたころに読み返して、また背筋の寒くなる恐怖の感動を、再び味わうのもよし。 作者の矢樹純さんのプロフィールを拝見すると、漫画原作者としてのスタートだったと聞き、うなずけるところもありました。 今作も読みやすい文字選びをされており、へんにこだわった癖のようなものもなく、エログロ表現も控えめで……だけど、怖いところは本当に怖く、書いてありました。 先にあげましたが、ヒトコワの要素もある、ミステリとしてのジャンルにも足を着けており、読み終えてはじめて、全体の構図がわかる短編作品集となっています。 怖いだけでなく、ニヤリとさせられるところもあって、登場する悪人たちには、それ相応の“報い”があります。 そこも面白く感じたところですね。 個人的には、一番最初の「魂疫(たまえやみ)」が一番こわく、四話目の「爪穢(つめけがし)」は読了後にめまいをもよおすような、不穏さを覚え、逆に最後の「影祓(かげはらえ)」は、ハッピーエンドといえるすがすがしさがありました(でも、怪異の出所が神道の祟りのようで、やっぱり怖い!)。 ジェットコースターのような怖さではなく、ヒトコワのいやらしさと、心霊ホラーなので、ぞくりぞくりと足の先から冷たく怪異が這い上がってくるような……そんな、一篇一篇を最後まで読み終えることで完成する恐怖体験でした。 人間関係というよりも、家族間である、トラブルの話も多く、「他人は逃げられるけど、血のつながった身内の怨恨は怖い」と強く感じさせられましたね……。 また、身内が招いたトラブルの厄をかぶるお話もたくさんあります。 「こんなお話は、ホラー小説のなかだけで十分だ!」……けれど、だからこそ、対岸の火事のように、災厄をかぶる登場人物たちを哀れに思いつつも、そこに描かれる人の業の姿に、共感させられる作品集でした。 | ||||
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現実に存在し得ない現象が、人間の複雑な感情によって『あってもおかしくはないもの』になり、良い意味で読者は騙される。もはやホラーとカテゴライズするだけではもったいない、あらゆる要素が複雑に、しかし最後にはすっと解け、読み終わる頃には主人公と共に安堵してしまう。 しかしこの安堵してしまう感情すら、誰かにとっての恐怖として集約される。 そういった幾度も感情を隆起させられる、読み応えのある作品でした。 ある一遍は読後に「え、それってつまり…」と、語られない恐怖を想像させてくれるおまけ付きです。 | ||||
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