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増大派に告ぐ
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増大派に告ぐの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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作中人物が非現実的な妄想癖拗らせてたらファンタジ―小説だ?アホ抜かすな。 実質は、不幸な境遇のホームレスと中学生が各々の罪と屈託を抱えて、その連鎖を紡ぐだけのただの胸糞系小説。 読者としての幼稚な感情任せで客観視もできず結果詐欺みたいなことしてる、活字離れの功労者たる選考委員たちに乾杯。 | ||||
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図書館で借り、買って読んでいないので恐縮ですが、最後がホームレスを虐める少年の犯罪に収斂させてしまっているのが勿体ないと思いました。最後の少年たちの笑いは何の笑いなのかと思います。中盤が他の方も言っているようにダラダラとしていた感じで、最後の事件を中盤に置いて、そこからホームレスと中学生の二人の主人公の関係を深める、というのか、例の妄想が広がる感じになって欲しかった。出刃包丁で逆に大輔なりが反撃された方が嬉しかったかな。よく考えたら、三十歳のぐらいのホームレスやもん。 | ||||
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ファンタジーノベル大賞ということで読んでみた。 面白い! が明るい気持ちにはなれない本。ただただ陰鬱。狂気の妄想と現実が交錯して進んでいく見事な物語。 登場人物のホームレス、彼の妄想を見てみると明らかに精神を患っている(統合失調症?)ように思えるのだが、精神病の一言で片づけてしまうのは味気ない。 妄想が邪魔をして現実がねじ曲がって見えているけれども、そのぐにゃぐにゃの世界の中に僅かだけ、彼にしか見ることのできないリアルがあるのだと思った。顕著なのが「増大派」と「減少派」を見分けること。 さてこの話はよくあるファンタジーとは程遠いので、読者の大半は「何故これがファンタジーノベル大賞?」と首を捻ることになるのではないだろうか。確かにファンタジーというカテゴリだけにおさまる作品ではない。が、まぎれもないファンタジー作品であることは間違いない。 何故ならこの作品世界は妄想と現実が癒着し不可分なものとなって、ある種幻想的と言っていい感じに織り上げられているからである。マジックリアリズム的、と言おうか。仮にこのホームレスが見ている世界をイチ、ニ、サン、ハイ! で体験できたなら、そこには今までの現実とは何かがずれている奇妙でファンタジーな異世界が広がっているのではないだろうか。 ちなみにファンタジーノベル大賞の講評を何年分か読んでみると、選考委員さえ「ファンタジーとは何か」と考え込んでいるのが見て取れる。確かにこの問い、簡単には答えがでない。突き詰めて考えると物語とはすべからくファンタジーである、とさえ言えるのだから。 | ||||
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他に考えようがない幸福な出合い。だから誰にでも読める終局に向け、プロセスを楽しめるか問われる。 | ||||
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大きな物語を書くという欲望がある。むやみに風呂敷を広げるということではなく(それはそれで物書きの原初的な欲望に違いないが)、抽象化、図式化した世界にキャラクターを放り込み、プロットを単純化し、ひたすら彼らがあるがままの世界と真摯に対峙することを要求する。つまるところ神話を語るという欲望だ。毒々しい作家の情念に導かれた物語は落ちるべくしてすとんと落ちる。命綱なしのダイビングの意気を買いたい。 | ||||
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比喩に関して選考委員が誉めていたが、その通りだと思う。しかし、あまりにもいっぱいありすぎてお腹いっぱい。もうちょっちセーブしてもいいのでは? それにしてもこの暗い話しは面白い。 さまざまな見方はできるだろうが、結局、電波系の浮浪者と主人公は同じ道を突っ走っているのだなと思った。14歳の主人公の末の姿が浮浪者なのであると。 この作者は、この路線を突き詰めていけば、最後はどこにいってしまうのだろう。 楽しみな作家がまた出現した。 | ||||
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社会的弱者、身体的弱者、家庭内弱者への暴力が、 作品全体のベースに流れているため、嫌悪感をもつ読者も多いかもしれない。 ただし、表現を別にすれば、以下のような構図が見える。 あらすじとして、身体的弱者である少女に対する罪を背負った男が、 妄想として取りつかれている「増大派」対「減少派」の構図とは、 作品の時代背景と合わせて「社会主義」という大きな物語「増大派」のことである。 この点で男はポストモダン以前の亡霊である。 もう一人の主人公である少年は、父親からの暴力という現実的なものであり、 彼は現実的に生き残るために、大きな物語を仮想的とせず、リアルな狂気をはらんでいる。 その二人が出会い、男の罪の償いをさせるかに見せるのだが、最終的にはカタストロフィを迎える。 そこでは少年のリアルが、男の妄想を暴力的に駆逐する。 という具合に暴力のレイヤー構造がちゃんと意識されているのだ。 | ||||
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『増大派』という言葉を含んだタイトルと、日本ファンタジーノベル大賞選考委員である鈴木光司氏の「読者のすべてを敵に回しかねない」という言葉に惹かれて購入しました。期待通りの傑作です。 ある種の放送禁止用語に関してヒステリックになる出版社もありますが、新潮社はそういう野暮なところでもないようですね。新潮社のことも好きになりました。 欲を言えば、中盤がたらたらしていて、小川だの多華子だのは要らんと個人的に思うのですが、最後が痛快(そんなことを言ったら不謹慎だと思いますが、偽善をぶち壊していることへの賛辞としては、他の言葉が思いつきません)なので、全て良し。 次に続くレビューを楽しみにしています。そのうち絶対「読んでいてとても不愉快でした」とか書いてくる読者がいると思うのですが、どのようなところがどのように不愉快なのかに、とても興味があります。 | ||||
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