レモンと殺人鬼
評判
レモンと殺人鬼の評価:
2.50/5点 レビュー 121件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全121件 81〜100 5/7ページ
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レモンと殺人鬼の評価:
2.50/5点 レビュー 121件。 C ランク
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基本的な小説の出来としては悪くはない、登場人物の数も、その登場人物達についての記述も過不足は無く、話も全体的に見ればまとまってはいた。
しかし、特に感動というものは無く、読んで後に残るものがある訳でも無かった。
この作品を購入する際、ある賞を取ったとか、二転三転四転五転の展開がと帯に書いてあり、それを見た事がこの作品の購入動機になったのだが、期待させられただけの期待外れであった感が否めなかった。
少しネタバレしてしまうが、この作品の不満点を書くと、あの人物の回想を作品内に出すのは、やり方としてフェアではないのではないのだろうか?
故人に関するああいうものを出し、叙述的に読者の誤解を誘うというのは、ちょっと狡い。
故人は回想などしないのだから。
それを補う為にノートがどうとかと書いてはいるが、最後の方に出すのは後付け的でフェアではないし、それはあくまでもノートに記述された文であって、それを作中で生きている誰かの回想の様に記述するのも、また、フェアではないだろう。
また、読者の誤解を誘う事について、更に言えば、ある人物の過去と別のある人物の過去が都合よく似ていて、それが読者の誤解を誘うというのも、あまりにもご都合主義であると思った。
安易にご都合主義を使ってしまっているところに、作者の技量の無さを感じた。
それから、後半、ある人物の本性が露わになるのだが、取って付けた感があって、酷い。
無論、作者は最初から考えていて、後から取って付けた様にした訳ではないのだろうが、後付けにしか思えない様な隠された真実とやらを見せられても、やはり、上手くは無いので白けてしまう。
殺人鬼の殺人の動機も頂けない。
まあ、殺人鬼の様な異常者の動機などまともなものではある訳が無いが、それでも、あまりにも中身がない、お粗末な動機だった。
現実の殺人鬼の動機ならそれでも良いが、読者を楽しませ、何がしかの感慨を与えなければならないはずの小説という創作された作品なのならば、それでは駄目だと思う。
読者にある一定の納得感か、何がしかの感慨を与える様な動機を作れないと、作家としての技量が低いと思われても仕方がないだろう。
フィクションだからこそ、読んでいる者に身に迫る様な現実感を感じさせたり、また、更に、現実よりも納得させることが書けなければ駄目なのだ。
登場人物の心理も無理やりに感じたところが目に付いた。
特に、最後の主人公の心理の変化についてだが、あまりにも無理やりな急な変化に感じた。
これも、読者を納得させる技量の無さを感じさせられた点だった。
作者の思う結末、その最後の着地の為に、無理やり収まりを付けようとした感が否めない。
読後、思ったのは…二転三転四転五転‥そんなに転がっただろうか?
半転くらいがいくつか、後は、フェアではない、故人の回想の登場や、登場人物達のご都合主義混じりの読者の誤解を誘う過去や後からの意外な本性の開示による、二転か三転…。
内容に騙されたというよりも、帯に騙されたように思った。
小説としての体はなしてはいるが、賞などを取るほどの作品ではないような気がするし、四転五転したような気がしない、というか、納得のゆく、気持ちの良い裏切りがあった様な気もしない。
本文後の解説で、とあるライターの方がこの作品を絶賛しているが、それもそのはず、このライター自身がこの作品が受賞した賞の選考委員だったのだから。
自身が選んだ作品を批判的に語る訳がない。
このライターはこの作品の文章のうまさに舌を巻いたという。
私が見た限りでは、普通の文章だった。
あまりにも普通過ぎて、美文が読みたい衝動が湧いたくらいだった。
その他、文章について、伏線の張り巡らせ方がどうとか、謎と真相を小出しにするテンポがどうとか書いていたが、そんなに伏線など張り巡らせたという程張り巡らせていたのか、また、正に私がこの作品を読んでいて求めていたのは、謎と真相をテンポよく小出しにし、小さな二転三転があり、最後に意外な一転か二転が訪れる、そういうことであったのだが、そういう事は無く、よくある、他の普通な叙述トリックものと同じく、最後の方に、納得の出来ないやり方による、読者の誤読への誘導を延々と行った上での後付けの様に感じられる真実が明かされる様な、最後の方でまとめてドバっと真実の開示、そんな凡庸な作品に感じられた。
また、ライターはこの作品に後出しじゃんけん感はないとか取って付けた感がないとか終盤のどんでん返しに納得感があるとか、最後の主人公の変化に爽快感があるという、絶賛する様な旨の事も書いているが、私が読んだ限り、作者の技量の足りなさからくる、取って付けるつもりはなくても取って付けた感しか感じられない様な事も多かったように思われるし、したがって、そこに爽快な納得感など無かったし、最後の主人公の変化にしても、振り切れた結果、狂い切った様にしか思えなく、当然、そこに爽快感など感じられるはずも無かった。
ライターはこの作品を一級のサスペンス小説だという。
私には、どこをどう見ても一級品には思えなかった。
解説にこの作品を賞に選出した選考者の絶賛を載せるセンス。
サスペンス小説の物語の容疑者を疑うのでは無く、この本を制作した出版社のセンスを疑いたくなる。